俺にこんな優しくて美少女なヒロイン達がいていいのだろうか?

サトウ5日

義理の妹とブラコン

妹。それは尊い。非常に、尊い。ラブコメではよく、主人公、もしくは友人の妹が主人公に対し、恋心を抱いてるのをよく見る。それはとても素晴らしい。しかし、それには例外もあるのだ。

「ただいまぁー」

過去の辛いことを思い出していたから少し疲れた。しかし、ここからもっと疲れることが俺を待っているのだった。

「あーー!おっかえりーー!お兄ちゃん ️ ️ チュッ!」

「ちょ、お前何キスしてんだよ!俺今疲れてんだよ。あんまりツッこませるなよ!」

「えー、キスって言っても口じゃなくてほっぺにだよ~?別にいいでしょー?」

「何がいいんだよ!思いっきりアウトだよ!」

コイツは俺の義理の妹の佐藤 絵梨奈(さとう えりな)。超絶俺のことが好きないわゆる『ブラコン』だ。そしてコイツはスキンシップが激しい。例えば俺がお風呂に入っていると必ずと言っていいほど入ってくる。その他にはほっぺにキスしたり、寝込みを襲ってきたりと言ったらキリがない程だ。

でも、コイツは悪い奴ではない。突然血の繋がらない兄が出来たら普通はなかなか受け入れるのに時間がかかるはずだ。なのに、すぐに受け入れウチの家族に馴染んでくれた。そして、俺の親父とも仲良くしてくれてる。妹力も高くてブラコンな所を抜けば完璧な妹だ。

「陽太ー、ご飯食べる?」

この人は俺の義理の母だ。元々俺のホントの母親は男を作ってこの家を出た。親父はその後数日間ほどショックで外に出ることすらできなかった。だから、俺はホントの母親を憎んでる。もし会ったら、思いっきり殴ってやりたい。今の母親は優しくて美人で親父もとても喜んでいた。

「いや、先に風呂入ってくるわー」

正直疲れたから寝たいのだが、お風呂には入っておきたい。

「ふぅー、やっぱりお風呂は最高だな。ずっと入っておきたいくらいだ。」

ん?何かドアの所に影があるような…いや、気のせいか。まぁ、気にしないでおこう。

「お兄ちゃん~~!!お風呂ーー??」

「あぁー、お風呂だけど何だ?てか、お前扉の前にいるだろ?」

さっきの影はアイツだったのか。また、面倒なことにならないといいんだけどな。

「あっれれ??やっぱりバレちゃった??バレないと思ったのになぁ。」

コイツはバカなのか?扉の前にいたら普通誰かいると思うだろ。

「何しに来たんだよ。さっきも言ったろ?疲れてるから俺にあんまりツッコませるな。」

「え?ツッコむ?何を?どこに?」

はぁ、ウザイ。コイツすごい笑ってるじゃん。俺の理想の妹はこんな下品なボケはしないぞ。ホントに。

「俺がお前のそのしょうもないボケに対してツッコませるなって言ってんだよ。」

「はぁーお兄ちゃんひどいなぁ。こんな可愛い妹にそんな言い方する?普通。」

確かに可愛い妹だが、流石にお風呂場には来てほしくない。やっぱりこうゆうのはアニメの中の方がいい。現実でされたら何か違う。

「お前は最高に可愛いし、妹としてはブラコンを抜けば完璧だ。ただ兄のお風呂場に来るのは少し違うな。だから早くここか去れ。」

「か、か、可愛いとか普通に言うのやめてよね!そ、そ、そんなこと言われたらもっとキスしちゃうからね!」

絵梨奈は顔を赤らめてそう言った。
なんで顔を赤くしてるんだ?もしかして、俺のことが好きなのか?いや、さすがにないか。

「じゃ、じゃあ私もう寝るからバイバイ!」

「おう。おやすみ」

こうして今日が終わったのだった。

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