俺にこんな優しくて美少女なヒロイン達がいていいのだろうか?

サトウ5日

俺、佐藤陽太

俺の名前は佐藤 陽太。高校1年の冴えない何もかもが普通の陰キャだ。いや、違う。
え?何が違うって?

 それは・・・顔が不細工な事だ。どうしてだ?普通ラブコメの主人公はイケメン、もしくは普通の顔だ。なのに俺は何故顔が不細工で生まれてきたのだ?これに関してはどうしても納得がいかないが、まぁ、それはほっといておこう。

 「はーい。授業はここまで。しっかり復習しておくんだぞ~。明日は小テストがあるからな」

「えー、小テストとか聞いてないよ~!」

「勉強とかマジだりぃー」

 ホントにうるさい人達だ。俺はもっと前からしっかり予習、復習をしてるので何も問題などない。俺には親友が一人いる。だが、それ以外友達はいない。しかし、俺は元々人と関わるのが苦手だし、どうせ話しかける事も、話しかけられるのも苦手なので誰も俺と話そうとしないのだ。

 そして、もうひとつ友達を作らない理由がある。
それは、アニメ好きというだけで皆から痛い視線を浴び、クラスから孤立してるからだ。しかし、俺にはその理由が分からない。アニメが好きな事の何がそんなにいけないのだろうか?

「陽太ー!一緒に帰ろー!」

 満面の笑みで俺に話しかけてきたのは、俺の唯一の親友である高森 奏斗(たかもり かなと)だ。

「無理って言ったらどうする?」

 俺は真顔で言った。

「え~、悲しいな~。僕泣いちゃうよ?いいの?」

「勝手に悲しみ、そして勝手に泣いとけ。」

 俺は冷たくあしらう。

「まぁ、そうゆう所が陽太だもんね。まぁ、今日はちょっと用事があるから先に帰らないとだし、先帰るね!バイバイ!」

「おう、んじゃまた明日な。」

 奏斗は笑顔で俺に手を振り去っていった。

「ふぅ。んじゃ俺もう帰るか。」

 机の横に掛けていたカバンを取って俺は教室をあとにした。俺は部活に入ってない。理由は単純だ。ただただめんどくさい。それだけだ。

 「部活なんて陽キャの集まりじゃないか。俺みたいな陰キャにはハードルが高すぎる。」

 何1人で言ってんだろ。と、そんな時だった。

「あ!おばぁさん、危ない!」

 キキィィィィィ! トラックが急ブレーキをした。危うく、おばぁさんを引く所だった。

「だ、大丈夫ですか?怪我は無いですか?どこか痛むところは?」

「助けてくれてありがとね。ちょっと擦りむいただけだから。」

「じゃあ、絆創膏をどうぞ。」

「ホントにありがとね。お礼に何かあげなくちゃね。」

「あ、いや、お礼とか大丈夫なので。何か、申し訳ないし。それじゃ」

 俺はそう言って去っていった。そうして、俺の一日は終わったのだった。

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