絶対孤独

せだ きるや

26 滅びの歌

今日ゆっくりと日が沈み
あなたの微笑みにも
ひっそりと翳が忍び寄る

そこは記憶の淵
辛うじて残された
断片をたぐり寄せ
重ね合わせた虚無の塔

赤茶けた並木に
彩られた白い道

その果てに
光の名残りが
うっすらと香り立つ

僕は深く欲望の淵に沈殿し
凍りついた記憶に
ため息を吹き込んだ


世界など
このまま滅びてしまえばいい

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