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絶対孤独

せだ きるや

24 海へ

嗚呼、紺碧の海よ
僕の心臓を捧げよう

空と溶け合う水平線に
血塗れの手を差し伸べて


誰も君を救えはしない
唯、悲しみを
その蒼き深みに
溶かすのみ

深く深く透明な青に
悲しみを溶かし込む

少しずつ少しずつ
一瞬の青を汚さぬように

あとからあとから
零れ落つ悲しみを

僕の小さき穢れた掌で
すくい上げすくい上げ

そぉうっと海へ

元の深みへ

溶かし込む


嗚呼、僕は君を救えない

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