【コミカライズ】寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
「悪い子にはキスできないな」7
深夜、ふたりでシャワーを浴び、備え付けのバスローブでキングサイズのベッドに横になった。
ふたりはまだ体の奥に残る余韻を感じながら、腕枕でゆったりと時間を過ごす。
手首がうっすらと赤くなっている。
晴久に握られた跡だと分かると、雪乃はそこを愛しげにさすった。
「痛かった?」
晴久も彼女の手ごと包み込み、同じ場所をさする。
「いいえ。夢中だったので」
「そっか」
ちゅ、と音を鳴らしてごめんねのキスをする。
ふたりはこの時間が好きだった。じりじりと心が焼けつくような求め合いの後の、リラックスした愛の時間。
雪乃は思いきり甘え、彼の胸板にピッタリと寄り添う。
晴久は彼女の髪を撫で、雪乃は猫のように目を細めていた。
「……雪乃」
「はい」
ふと名前を呼ばれ、腕に埋もれていた顔を向ける。
「近いうち、雪乃のご両親にごあいさつに行きたいな」
微笑む晴久だが、真面目な面持ちで決意を口にしていた。
「……え」
「ずっと考えてたんだけどさ。一緒に住んでることをいつまでも黙っているわけにはいかないと思うんだ。雪乃をお預かりしてるってきちんと報告しないと」
またプロポーズかと勘違いした雪乃は力が抜けたが、それでも同棲のルールなど分からず、口をパクパクさせる。
両親に恋人を紹介した経験はもちろん一度もない。母親には言いやすいが、父親に話すとなると気恥ずかしかった。
「も、もちろん大丈夫です。でも実家は千葉ですし、わざわざ晴久さんに来ていただかなくても私から電話で伝えますが……」
「全然近いじゃないか。行くよ。顔を見せるのが大事だから」
「そうなんですか?」
「うん。俺が雪乃の父親だったら、東京で男と暮らしてるなんて聞いたら心配でたまらないよ。どこの野郎だ顔見せろって思うね」
「野郎って!  ふふ、晴久さんたら」
クスッと笑ったが、どうやら晴久は冗談ではないらしい。
「ご両親に伝えてくれる?  お伺いするって」
彼の真剣な瞳に、ポッと赤くなる。
「はい。伝えます」
「ありがとう」
もう一度キスを交わし、布団の中に潜った。
(晴久さんってなんて誠実なんだろう。うちの両親も絶対に気に入るに決まってる。……でもわざわざあいさつに来てくれるなんて、私とその先を考えてくれてるってことだよね。……結婚とか。結婚とか!)
キャーッとジダバタする雪乃に「どうかした?」と声をかける晴久。彼女は真っ赤になりながら、「なんでもないです」と幸せそうに答えた。
ふたりはまだ体の奥に残る余韻を感じながら、腕枕でゆったりと時間を過ごす。
手首がうっすらと赤くなっている。
晴久に握られた跡だと分かると、雪乃はそこを愛しげにさすった。
「痛かった?」
晴久も彼女の手ごと包み込み、同じ場所をさする。
「いいえ。夢中だったので」
「そっか」
ちゅ、と音を鳴らしてごめんねのキスをする。
ふたりはこの時間が好きだった。じりじりと心が焼けつくような求め合いの後の、リラックスした愛の時間。
雪乃は思いきり甘え、彼の胸板にピッタリと寄り添う。
晴久は彼女の髪を撫で、雪乃は猫のように目を細めていた。
「……雪乃」
「はい」
ふと名前を呼ばれ、腕に埋もれていた顔を向ける。
「近いうち、雪乃のご両親にごあいさつに行きたいな」
微笑む晴久だが、真面目な面持ちで決意を口にしていた。
「……え」
「ずっと考えてたんだけどさ。一緒に住んでることをいつまでも黙っているわけにはいかないと思うんだ。雪乃をお預かりしてるってきちんと報告しないと」
またプロポーズかと勘違いした雪乃は力が抜けたが、それでも同棲のルールなど分からず、口をパクパクさせる。
両親に恋人を紹介した経験はもちろん一度もない。母親には言いやすいが、父親に話すとなると気恥ずかしかった。
「も、もちろん大丈夫です。でも実家は千葉ですし、わざわざ晴久さんに来ていただかなくても私から電話で伝えますが……」
「全然近いじゃないか。行くよ。顔を見せるのが大事だから」
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キャーッとジダバタする雪乃に「どうかした?」と声をかける晴久。彼女は真っ赤になりながら、「なんでもないです」と幸せそうに答えた。
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