ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

閑話 謎の光

 深夜-------------

 町から数キロ離れた拠点にて、剣聖である私エレノア・ハートは聖女であるルリと共に先行した部隊からの報告を受けていた。

 先行部隊から使者の報告では、神託のお告げ通りに【イノ魔の迷宮】にて、スタンピードは起きた----------------

 起きたのだが、報告を聞いて行く内に可笑しな方向へと変わっていった。

「謎の光…………ですか…………?」

 訝しげにそう聞き返したのは、地図を広げたテーブルの向かいに立つ聖女であるルリだ。

 先行部隊からの報告では、謎の光が次々と迷宮から溢れる魔物達を包み込んで、消滅させているのだという。

 そのおかげで、前線の被害は軽微な上、こちらが優勢なのだとか…………。

 一体、彼らが何を言っているのか、私を含め、理解している者はいない。

 正直、あまりにも絶望的な状況故、幻覚でも見ているのでは? とさえ疑っている。

 だが、報告したその冒険者が嘘を行っているようには見えない。

 何がどうなってるの…………?

「エレノア…………どう思いますか…………?」

「そんな事、聞かれても私にも分からないわ…………」

 ルリの問いに素っ気なく答える私。

 何度、報告を整理しても、あまりにも荒唐無稽で信じられない話だ。

 でも、一つだけ言えるのは----------------前線で、何かが起きている。

 それだけしかない分からない。

「行ってみるしかない、か…………」

 どう考えても出ない答えを放棄して、腰に差してあった剣の鞘を強く握った。

 作戦予定が変わるけど、これは審議の程を直接、確かめる必要がある。

「気を付けてね…………?」

 私の考えを察してか、ルリは優しく語り掛けると、すぐに私の抜けた穴を埋めるように、周りの者達へと的確な指示を出してくれた。

 本当にこういう時は安心して背中を任せられる。

 そんな、たくましい仲間の姿を数秒程、眺めた後、意を決して戦場へと私は足を踏み入れていった。

 これが自分の運命を大きく変える決断だったとも知らずに…………。

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