ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

受けられません

「えっ? 登録が出来ない…………?」

 俺、如月湊は冒険者ギルドに入って早々窮地に立たされていた。

 なんと、このギルドは現在、冒険者登録が出来ない状態にあるというのだ。

「大変申し訳ありません。

 今現在、我がギルドでは先日、ギルマスが不正行為を働き、後任の方が来るまで冒険者登録を行えないのです」

 申し訳なさそうに俺に語り掛ける受付嬢の話だと、その件のギルドマスターは強盗、殺人、人身売買、横領など数十件の犯罪行為を行なっており、とある盗賊との繋がりあったらしく----------------現在、騎士に拘束され、牢屋にぶち込まれたそうだ。


 何でも、名のある冒険者達により、発覚した重大な汚職事件だったようで、すぐに国中に話が広まったためか、このギルドに所属するギルド職員はその対応に追われ------------今現在、ギルド本部の命令により、後任のギルドマスターが着任するまで、冒険者登録が出来ないとの事。


 一応、依頼は受けられるらしいが…………こりゃ困ったな…………。

 そもそも、無一文で王宮を追い出されているからして、金など持ってはいない。

 出来れば、簡単にかつ、早急に資金の調達をしたいのだが…………。


 ほんと、どうするかね…………。


「あら、どうかしたの…………?」

 ほとほと、困り果てていると、背後から声を掛けられた。


 振り返ってみると、さっきすれ違った怖そうな女と一緒に、如何にも【神職者】であろう神官服に身を包んだ少女が、にこやかに微笑んでいた。

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