何だアレは! 宇宙編

前三之助

アミーラ

【前回までのクルーたち】
・チーフ (リーダー)
・シークレットヘアーのアンディ(通信担当)
・海パンのリッキー (おばちゃんにメロメロ担当)
・もみ上げのザック (おばちゃんにメロメロ担当)
・タンクトップのケビン (おばちゃん捕獲担当)
・上げすぎズボンのフランク (おばちゃん捕獲担当)
・前髪のジョニー (船外で異常行動担当)
・スパッツのトニー (船外で異常行動担当)
・カリスマドクターのマーカス (船外で異常行動担当)

・初老のおっさんの孫娘 アミーラ(道案内担当)


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「もういい!・・・やめろ!あたしを見ろ!」

「何してる!アミーラ!電子ゴーグルを外すんじゃない!」

「もうやめろ!あの男たちに構うな!ばあば!あたしを見ろ!」

「ばあば?何を言ってるアミーラ、今すぐ電子ゴーグルを着けろ!」

「ばあば!あたしを見ろ!アミーラだ!!」
「アミーラ?・・・あんたアミーラかい?私の孫娘?」
「そうだ、ばあば!この左腕のアザを見ろ!昔ばあばと一緒に遊んでた時、あたしを落として付けたアザだ!」
「この三角形のアザは!・・・アミーラ!こんなに大きくなって・・・」

「チーフ、どういう事ですかこれ?」
「どうやら、あの女の孫娘がアミーラってことだ、タンクトップのケビン」
「じゃ、あの爺さんは自分の嫁を塔に閉じ込めてたんですか?」
「わからん、とにかく目的は女の確保だ!・・・聞こえているか!?シークレットヘアーのアンディ!」
「こちらコントロールルーム!聞こえていますチーフ!」
「今すぐ船をこちらに移動させろ!シークレットヘアーのアンディ!」
「了解チーフ!直ちに移動させます!」

「アミーラ!もう女の目を見ても大丈夫なのか?」
「今は大丈夫だ、そうだろ?ばあば」
「ああ・・・大丈夫だよ」

「おい女!悪いが一緒に来てもらうぞ!」

「アミーラ、こいつらは一体なんだい?」
「ばあば の力を借りたいというので連れて来た」
「だったら普通に会いにくればいいじゃないか」
「こいつらが勝手に塔を壊したんだ」
「そうかい、こいつらが・・・」
「ばあば!あの男、あの2人を開放してほしい!特にあっちの男は」
「ほう、そういう事かい・・・ふん!!よいぞ、もう解けた」

「海パンのリッキー!もみ上げのザック!大丈夫か!」
「は、はいチーフ・・・」
「だ、大丈夫ですチーフ・・・」

「アミーラ!なぜ最初に教えてくれなかったんだ!」
「バカたれ!余計な事を教える訳がない!家族以外は信用しない!元々は貴様らが塔を壊したのが原因だ!」
「ああ、その通りだ!だが時間が無いんだ アミーラ!今すぐ向こうに戻らなければならない!」

「ばあば、力を貸してくれるか?」
「いいだろう、だが条件がある!あの男に合わせろ!私を閉じ込めたあの男に!」
「じいじ に?ばあば!じいじに会ってどうする?」
「張り飛ばしてくれるわ!往復ビンタで、張り飛ばしてくれるわ!」

「後にできないのか?」
「なら力は貸さん」

「くそ!仕方がない!急いで宮殿に戻るぞ!」

「チーフ!船が来ました!」
「みんな何かにつかまれ!風圧が来る!」

「ほう、よくこんなおんぼろ船が飛ぶもんだ」
「余計な事はいい!早く乗れ!全員急げ!すぐに出発だ!」
「了解チーフ!」

「はぁ~中はもっと おんぼろじゃないか」
「そうだ、ばあば、信じられないが、これが飛ぶんだ!」
「すごいもんだねえ、これが飛ぶのかい」

「よくやったシークレットヘアーのアンディ!」
「ご無事ですかチーフ!」
「大丈夫だ!よし!全員持ち場につけ!」
「了解チーフ!」

「もみ上げのザック!離陸だ!神殿に戻る!」
「了解チーフ!」

「アミーラたちはそこのレトロなロッキングチェアを使ってくれ!」
「なんじゃこの変なイスは?」
「ばあば!これ座ってみろ!」
「ほう、動くイスか・・・心地よいのう」

「チーフ!」
「どうした、シークレットヘアーのアンディ!」
「大まかですが、ここの・・・地球のデータが出ました、チーフ!」
「そうか、シークレットヘアーのアンディ!データではどうなってる!」
「大気成分、地質、水質などのデータでは、過去です」
「過去?」
「はい、チーフ、ここは過去の地球です」
「どういう事だ、シークレットヘアーのアンディ」
「よく分かりませんが、異空間ホールが影響していると思われます」
「時代はいつ頃だ?」
「それはまだよく調べてみないとわかりませんチーフ」
「そうか、よくやった、シークレットヘアーのアンディ!引き続き調査を頼む!」
「了解しましたチーフ!」

「チーフ!神殿に到着しました!どこに降ります?」
「さっきの場所だ!もみ上げのザック!」
「了解チーフ!着陸します!」

「タッチ・・・ダウン!」

「よーし!よくやった、もみ上げのザック!見事な着地だ!」
「こんなのは朝飯前ですチーフ!」

(「お主らは・・・また神殿の中庭に着陸しおって・・・」)

「あ、現れましたチーフ!初老のおっさんが現れました!」
「ちょうど良かった!今すぐあの女に往復ビンタされるんだ おっさん!」
(「何!?」)

「あんた!よくも私をあんな所に閉じ込めたね!許さないわよ!」
(「ゲ!」)
「ゲ?・・・あんた今、ゲって言ったわね!」
(「ゆ、許してくれ!」)

「おっさんが逃げるぞ!みんな!素晴らしきサスマタで おっさんを捕まえろ!」
「了解チーフ!」
「そっちだ!右から行け!」
「よし!反対からも挟め!」
「もっとだ!もっと挟み込め!」
「やった!おっさんを捕まえた!捕まえましたチーフ!」
「よし!よくやった!」

「あんたたち、なかなかやるじゃないか、しっかり押さえてるんだよ」
(「ひぃ、やめてくれ!」)
「よし!さあ、いいぞ!早くこの おっさんを張り飛ばすんだ!」

「よくもあたしを!あんな所に、20年間も閉じ込めたね!覚悟おし!」
(「はっはっはっ!」)
「な、なにが可笑しい!」
(「今こそ見せてやる!我が最強の武器を!・・・おりゃあ!」)

「うわ!チーフ!何か凄いサスマタが出てきました!三つ又になってます!」
「ああ、カッコイイな、タンクトップのケビン」

(「お主らからもらった素晴らしきサスマタの改良版だ!」)

「チ、チーフ!素晴らしきサスマタの先端が!おっさんを押させているU字の部分が溶けています!」
「なんだ!どうなってる!」
(「そんなものはもう効かん!我が最強の武器の前に、そんなものはもう効かんのだ!!」)
「チーフ!素晴らしきサスマタの先端が溶けて、ただの棒に!」
「くそ!まずいぞ!」

「どきな!あんた達!これからは私が相手だ!」
(「良かろう!再び封じ込めてくれるわ!くそババア!我が最強の武器の力で!おりゃあ!」)

「やめろ!!じいじ!ばあば!もうやめろ!」

「・・・・・」

「いい加減にしろ!いい年して何やってる!」

「・・・・・」

「あたしはもう、じいじ と ばあばの喧嘩は見たくない!いい加減にしろ!」
「・・・アミーラ・・・我が孫娘よ・・・」
「すまんかったのう、アミーラ・・・泣くのはおよし・・・」

「チーフ、どういう事ですかこれ?」
「どうやらアミーラが仲裁に入って丸く収まりつつあるようだ、海パンのリッキー」

「よし!もみ上げのザック!出発だ!船を出せ!異空間に突入して向こうに戻る!」
「了解チーフ!離陸します!」

「よし!いいぞ!このまま進め!あれだ!あの異空間の裂け目に突っ込め、もみ上げのザック!」
「了解チーフ!全速、突入します!」

(「待てぇ!」)

「何だ!」
(「待てぇ!お主ら!異空間ホールの波が逆流しておる!引き返すのじゃ!」)
「何!避けろ!避けるんだ!もみ上げのザック!」
「了解チーフ!急速旋回!」

「逆流って何だ!どういう事だ、おっさん!」
(「このままでは異空間ホールには入れない!」)
「なぜだ!」
(「門じゃ!向こう側の門が閉じておる!」)
「門!?」

「チーフ!船が入れないので爆破した門じゃないですか?」
「あ、あれか!あの門ならトルネードミサイルで木っ端みじんに吹っ飛ばした!」
(「吹っ飛ばした!?お主ら!何てことを!」)
「だが、向こうからは来れたぞ!」
(「向こうからは来れても門が無ければ、こちらからは戻れない!」)
「何か方法は無いのか!おっさん!今すぐ向こうに戻らなくてはならない!」
(「すぐに戻るには大量のオリハルコンが必要じゃ!この我が最強の武器にも使っておる!」)

「オリハルコン!?・・・チ、チーフ!!」

「何だ!どうした、シークレットヘアーのアンディ!」
「チーフ!こ、ここは!!」
「ここは?」
「アトランティスです!」








大量のオリハルコンが無ければ、3人の仲間の所に戻ることはできない!
だがそれには更なる試練が待ち受けていた!
さあどうするクルーたち!
次回「決断」お楽しみに!


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