完璧会長と無関心な毒舌読書家

スリーユウ

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昼が近づき、午前中の目玉の男子全員が参加する組体操が近づいてきた。組同士の競技の得点には全く絡まないの癖に、一番事前の練習の時間が多いのはなぜだろうと思った人も多いだろうが、ついに練習の成果を出す時が来た。


組体操の待機中、多くの男子生徒が意気込む中、一部の生徒が焦っている人たちが見受けられた。
「俺たちが離れた、響ちゃんはどうするんだ・・・」
「俺たちにはどうすることもできないのか、クソ」
「ひーびーきーちゃ~ん」
琴吹親衛隊の面々は嘆きの悲鳴を上げていた。


「煩い、お前ら」
「しかし、神崎氏、真面目な問題、琴吹ちゃんの安全が心配になりますぞ」
「そこは一応、代案は考えといた」
「ほんとですか、神崎氏!」
「ああ、たぶん、お前らがやる気の出る方法でな」
「神崎氏が言うなら安心です」
「とりあえず、今は目の前の組体操を成功させることだけを考えろ、別のことで頭がいっぱいで大けがしたんじゃ、笑い話にもならん」
「了解です、神崎氏、お前らも聞いたか、同氏諸君よ、無事、組体操成功させるぞ」
親衛隊の隊長の呼びかけにおーと答える隊員、統率力だけで言ったら、この学校の一番だろう。


そんな話も終わりついに組体操が始まった。


順調に男子生徒たちが技を決めていく中、案の定、生徒たちの休憩所に琴吹のファンは侵入を始めていた。


そんな中、曲が切り替わるタイミングで運動場の真ん中にチアリーディング部と思しき集団が現れた。中央から現れたのはチアリーディングの服を着た琴吹だった。それを見た男子からは歓声が上がる。曲に合わせて、琴吹とチアリーディング部のメンツが応援を始めた。


これが神崎が考えた作戦だった。琴吹をそのまま休憩所にいさせても危険だし、しかし、ほかの場所では安全を確保できるか怪しいので、結局、神崎の近くということになり、生徒会の協力を得て、チアリーディング部との応援ということになった。


「みんな~、頑張って~」
「「「おおおーーーー」」」
琴吹の声援に案の定、男子は一番大きな声を出した。


「早く技を決めてくれないかな、結構、きついんだけど」
「今は何を言っても無駄だろう」
身長が高い神崎と櫻井は当然、技の下になるんだが、男子が琴吹を向いていて、一時的に止まってしまったので長い時間、人に乗られることになる。簡単に言うと早く退けだった。


一時的に組体操が止まったりしたが、無事に組体操が終わり、午前中の競技がすべて終わった。


「あ、おーい、神崎君」
「琴吹、さっきはありがとな」
「いいよ~、私こそ、ありがと、それでこれからどうするの?」
「追いかけまわされても面倒だし、それはいつもの場所だな」
「あーなるほど、後で集合にするの?」
「それは心配だから、俺がついて行こう」
「え、本当!」
琴吹は目をキラキラさせながら神崎を見てきた。
「ああ」
予想以上の食い気味に来たので少し引いた神崎だったが、内容は間違っていないので琴吹の言葉に同意した。
「それじゃ、早く行こうよ、神崎の今日の弁当早く見たい」
琴吹は神崎の手を引っ張って、弁当が置いてある教室に向かった。
「別に弁当は逃げないから、大丈夫―うわっ」
「それでも、早く行きたいの、ほら」


周りから、視線はバンバンを感じていたが、もう神崎は直接手を出してこなければどうでもいいと言う境地に達していた。そんな中、執念ともいえる恨みの視線が2人を見ていた。









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