完璧会長と無関心な毒舌読書家

スリーユウ

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祭りの会場には神崎目当ての女性がぞくぞくと集まっていた。その数は神崎の想像を軽く越えていた。


(流石に集まりすぎだな)


自分のイケメン度合いを理解しているつもりだがそれにしてもこの集まり具合が神崎には理解できなかった。
神崎は自分の出ている雑誌を見ていないので知らないのだが雑誌に出るたび、表紙を飾っているので知名度はどんどん上がっていたのだ。それなのに他の場所では一切姿を現さないので、一部では都市伝説なのではと話が上がるぐらいなのだ。それも神崎がめんんどくさいで理沙の話を聞かないし、理沙も一応話はするのだが読者モデルヘルプ以外では積極的に神崎を頼まないからである。


「えっと、ユウさんに自己紹介の続きをどうぞ」
周りの声に圧倒されながらも司会者は自分の務めを果たした。


「はい、自分は知っての通り、読者モデルをやってます」
その一言だけでも女性たちから黄色い歓声が響き渡る。浴衣を見事に着こなし、ユウの周りには風が吹いてるような雰囲気があった。
「アピールポイントですか、大体、何でもできるのでこれと言って特技と言えるようなものはないですね」
「はぁ、それはどういったことなんでしょうか?」
神崎の答えの意味が分からず、司会者は再度質問を投げかけた。
「何かやってみるのがいいんですが、そうですね、ここでできることで言うと歌ですかね」
「歌ですか」
そこで素早く司会者は裏へ視線を飛ばした。裏へのスタッフも何か伝わったように頷いてる。
「何か、歌っていただける歌はありませんか?ユウさん」
勿論、特技と言った以上は、披露する流れになった。
「槇原敬之のどんなときも。って大丈夫ですか?」
またも司会者は裏へ視線を飛ばした。それに対しスタッフは頷いた。
「では、ユウさんお願いします」


会場ではお決まりの前奏が流れ、女性陣は期待し、男性陣は早く終わらないかと思っていた所、神崎が歌った瞬間、その全てがひっくり帰った。


歌い終わった後には会場全体の皆が放心状態でに口を開けていた。
「では、自分は自己紹介はこの辺で終わらせていただきます」
「あ、はい、ありがとうございました」
観客と同じく放心状態になっていた司会者だが神崎の言葉にはっとして、我に返って返事をした。


神崎は自己紹介とアピールが終わり、後ろの桐野達の列に加わった。
「なんで貴方が出てくるの?」
「今は関係ない振りをしてくれ」
周りに聞こえない音量で素早く、神崎は桐野に意志を伝えると観客の方へ振り迎えって手を振った。


「さて、肝心の投票方法は、去年までは紙のでの投票だったのですが、開票するまで時間がかかるということで今年からネット投票になっています。今から言うアドレスに自分の携帯でアクセスして投票を行ってください。アドレスは・・・」


そうゆうとファンたちは一斉に黙々と携帯を取り出して、投票を始めた。


「ちなみにさっき言った通り、去年は時間が遅いとご指摘だったので投票時間は10分とさせていただきます」
観客は何それ聞いてないという風な反応だが10分と言うことで四の五の言わずに携帯を操作している。


10分後


「さて、投票の集計が取れたと言うことで、結果を発表します」



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