完璧会長と無関心な毒舌読書家

スリーユウ

25

翌日の昼


「おい、なんで会長がここにいる」
「別に私がどこで弁当を食べようが自由じゃない」
「まぁまぁ、神崎、落ち着きなよ」


神崎たちがいつもの昼食場所に使っている給水塔の裏になぜか、今日は利用人数が1人増えていた。


「まったく、昨日も今日はお前のせいでいい迷惑だ」
「何のことを言ってるのかしら」
「授業中のことだ。自習だったからと言って俺に話しかけて来る必要はないだろう。男子どもから殺気を込められた視線が遅れてきただろうが」
「別にいいじゃない。視線だけですんだなら」
「そこではな。後で男子どもから襲撃があったって散々だ」
「あら、お気の毒」
「お前、なぁ」
拳を握らせて、怒こった様子の神崎を櫻井が後ろから羽交い締めにして必死に止めた。


「神崎、流石にそれはまずいって、落ち着いてね、ね」
「知るか、昨日からコイツのせいで酷い目に会ってるんだ」
「今度、おいしいコーヒーのあるカフェに連れってあげるから」
「ちっ、わかった」
櫻井が落ち着いたところで櫻井は羽交い締めを解いた。


「昨日、キスしたのに全く動揺しないなんて、はぁ」
2人に聞こえないように桐野はそう呟いた。


そうこうしている内に昼休みを終えるチャイムが鳴り響いた。

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