完璧会長と無関心な毒舌読書家

スリーユウ

16

グラウンドのチェックポイントをクリアした2人は、次にどのポイントに行くかを話し合っていた。
「次はどこにいく?」
「ここから一番近いのは、美術室ね」
「なら、美術室に行くか」
「そうね」
2人は会話を中断すると美術室に向けて歩き出した。


美術室に着くと数十人の生徒が向かい合って、絵を書いていた。


「あら、神崎君じゃない」
声をかけて来たのは、美人で有名な美術の白石先生だ。
「こんにちは、白石先生」
「いつも美紀って、呼んでって言ってるのに。つれないな~」
「それは無理があります。課題はパートナーの人物画ですか」
「そうよ。今回に課題はパートナーの人物画よ」
「時間は決まってるんですか?」
「決まってないわ」
「そこらへんに置いてある紙を使用していいですか」
「構わないわよ~」
美術室は教壇がなく、代わりに長机が黒板の前に置いてあり、紙や筆など道具が長机上に並べてあった。


神崎は、桐野に構うことなく長机の道具を選んでいた。
「今日はどれにするかな?」
結局、神崎がとったのは鉛筆一本だった。


「神崎君は鉛筆だけでやるつもり?」
「そのつもりだが、何か問題が」
「他のものを使わなくて大丈夫なの?」
「問題ない。時間が惜しい。さっさと描くぞ」
「ええ、そうね」
桐野は普通の筆と絵具を取って絵を描き出した。


30分後


そこには2人と瓜2つのモノクロの人物画と水彩の人物画があった。





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