天才ダラダラしていたら家を追い出されたけど、結局、王都の学園で無双する
35
フェリクスはまたも王城に足を運んでいた。
「今回の件、民を救ってくれて感謝するぞ」
「いえ、当然のことをしたまでです」
王様に褒められたのに対して、フェリクスの顔は少し険しかった。
「なんで、フェリクス君はそんな暗い顔をしてるの?」
「即死した人は助けられなかった」
「それは・・・」
どうにもできないと言う言葉が頭に過るがそれをアリサは口に出すことが出来なった。
「犯人の方は私たちの方でも必ず、探しだし、相応の罰を与える為、其方は休んでいるが良い」
「王様、一つだけ発言をしてよろしいでしょうか」
「なんだ、フェリクスよ」
「犯人に心当たりがあるんじゃないですか?」
「・・・」
沈黙、それは心当たりがあると言うことを雄弁に語っていた。
「何故、そう思う?」
「理由はいくつか、あります。1つ目は警備の点はアリサ王女でいいとして、普通は誰かに褒美を取らせる場合、必ずもう一人ここに出席するはずの人物がここにいないこと、2つ目は、この前のテロも合わせると班員は実行できる財力と技術を持っている。3つ目、闘技場の結界に怪しまれず細工できる人物。4つ目、アリサ王女を殺害する動機のあるもの、これらの条件に当てはまる人物が現状1人だけ、いるからです」
「お主は今回の犯人、誰を今回を思っておる?」
「この国のナンバー2宰相のガバラス・ユニオン」
「・・・」
またも王様に沈黙が訪れた。
「そうですか、わかりました」
「待て、どこに行くつもりだ?」
「それを王様に答える理由はないですね、一つだけ言うなら地獄を見せてくるだけです」
フェリクスはそれだけ言うと王城を後にした。
「待ってください、フェリクス君」
その後をアリサは必死に追った。追いついたのは王城を出てすぐの所だった。
「まさか、これからガバラスの家に行くつもりですか」
「そのまさかですよ、アリサ王女」
「そんなに証拠もなく、相手の所に行って何になるんですか」
「証拠なんて後で探せばいい」
「そんなのは屁理屈です、それでもし犯人が違っていたらどうするんですか」
「それでは貴方が犠牲になりますか」
「何を言ってるんですか」
「ガバラスは貴方を狙って来ている、つまり、貴方が死ねばあんなテロは起こらない」
「そんなことできるはず・・・」
熱くなっているのか、フェリクスはさらに声を荒げた。
「そう、出来ません、確かに突発的なテロを防ぐことは難しいかもしれません、しかし、王様なら犯人が誰か、わかっているならある程度のことが出来たはずです。犯人の予想がついたなら、事前に闘技場の爆発も止めることもできたはずだ。それをしなかったのは、恐らく、王様はガバラスが犯人の証拠を手に入れるつもりだったんだろう、俺はそれによって犠牲になった人たちが居たことに対しても怒っているんだ」
「それは・・・」
本当ならそんなことはありませんと言いたい所だがアリサはそれを否定できるだけのものを持っていなかった。
「そして、今回もガバラスは失敗した、俺が居たことによって、つまり、また同じような事件が起きる。王様が今回の事件で確実な証拠を掴んだなら、もうガバラスを捕まえて牢屋にいれているはずだ。つまり、確実な証拠はない。詰まる所、俺の結論は1つ、あいつに地獄を見せてくるだけだ」
「そんなこと私がさせません」
何の正義感か、アリサはフェリクスの前に立ちはだかった。
「それならそれでもいいだろう、神力有りの勝負なら、貴方に分があるからな。でも、止めるならこれだけは覚えておけ、これからガバラスによって失われるかもしれない命があることに」
フェリクスの言葉を聞くと、アリサはその場から動けなくなってしまった。
その横をフェリクスは通り過ぎて行った。
「今回の件、民を救ってくれて感謝するぞ」
「いえ、当然のことをしたまでです」
王様に褒められたのに対して、フェリクスの顔は少し険しかった。
「なんで、フェリクス君はそんな暗い顔をしてるの?」
「即死した人は助けられなかった」
「それは・・・」
どうにもできないと言う言葉が頭に過るがそれをアリサは口に出すことが出来なった。
「犯人の方は私たちの方でも必ず、探しだし、相応の罰を与える為、其方は休んでいるが良い」
「王様、一つだけ発言をしてよろしいでしょうか」
「なんだ、フェリクスよ」
「犯人に心当たりがあるんじゃないですか?」
「・・・」
沈黙、それは心当たりがあると言うことを雄弁に語っていた。
「何故、そう思う?」
「理由はいくつか、あります。1つ目は警備の点はアリサ王女でいいとして、普通は誰かに褒美を取らせる場合、必ずもう一人ここに出席するはずの人物がここにいないこと、2つ目は、この前のテロも合わせると班員は実行できる財力と技術を持っている。3つ目、闘技場の結界に怪しまれず細工できる人物。4つ目、アリサ王女を殺害する動機のあるもの、これらの条件に当てはまる人物が現状1人だけ、いるからです」
「お主は今回の犯人、誰を今回を思っておる?」
「この国のナンバー2宰相のガバラス・ユニオン」
「・・・」
またも王様に沈黙が訪れた。
「そうですか、わかりました」
「待て、どこに行くつもりだ?」
「それを王様に答える理由はないですね、一つだけ言うなら地獄を見せてくるだけです」
フェリクスはそれだけ言うと王城を後にした。
「待ってください、フェリクス君」
その後をアリサは必死に追った。追いついたのは王城を出てすぐの所だった。
「まさか、これからガバラスの家に行くつもりですか」
「そのまさかですよ、アリサ王女」
「そんなに証拠もなく、相手の所に行って何になるんですか」
「証拠なんて後で探せばいい」
「そんなのは屁理屈です、それでもし犯人が違っていたらどうするんですか」
「それでは貴方が犠牲になりますか」
「何を言ってるんですか」
「ガバラスは貴方を狙って来ている、つまり、貴方が死ねばあんなテロは起こらない」
「そんなことできるはず・・・」
熱くなっているのか、フェリクスはさらに声を荒げた。
「そう、出来ません、確かに突発的なテロを防ぐことは難しいかもしれません、しかし、王様なら犯人が誰か、わかっているならある程度のことが出来たはずです。犯人の予想がついたなら、事前に闘技場の爆発も止めることもできたはずだ。それをしなかったのは、恐らく、王様はガバラスが犯人の証拠を手に入れるつもりだったんだろう、俺はそれによって犠牲になった人たちが居たことに対しても怒っているんだ」
「それは・・・」
本当ならそんなことはありませんと言いたい所だがアリサはそれを否定できるだけのものを持っていなかった。
「そして、今回もガバラスは失敗した、俺が居たことによって、つまり、また同じような事件が起きる。王様が今回の事件で確実な証拠を掴んだなら、もうガバラスを捕まえて牢屋にいれているはずだ。つまり、確実な証拠はない。詰まる所、俺の結論は1つ、あいつに地獄を見せてくるだけだ」
「そんなこと私がさせません」
何の正義感か、アリサはフェリクスの前に立ちはだかった。
「それならそれでもいいだろう、神力有りの勝負なら、貴方に分があるからな。でも、止めるならこれだけは覚えておけ、これからガバラスによって失われるかもしれない命があることに」
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