天才ダラダラしていたら家を追い出されたけど、結局、王都の学園で無双する
33
そして、フェリクスとアリサ姫の決勝が訪れた。
「私、フェリクス君には全力で行きますね」
「まるで、今までかなりの手加減をしていた見たいな、言い方だね」
「まるでではなく、そうでした、さっきのアベルさんの戦いを見て、貴方になら本気を出しても、私を受け止められるかもしれないと思いました」
何を言っているんだとこのお姫さんはとフェリクスは思ったが、アリサ姫からあふれ出る魔力を見て、気を引き締めた。
感じられる魔力はこれまでも数十倍にまで膨れ上がっていた。どうやら、アリサ姫もこれまでの戦いではかなり手加減をしていたようだ。魔力量だけで言ったら、もしかしたら、フェリクスは負けているかもしれない。
「1年の部、決勝、フェリクス・クレソン対アリサ・レイヴァースの試合を始めます」
ヴェルデ先生の選手紹介が始まるが、2人とも動こうとしない。
「それでは始め」
ヴェルデ先生の開始の合図が聞こえた瞬間、最初に動いたのはフェリクスだ。一瞬で、アリサの目の前まで迫ると俊足の抜刀をした。しかし、そこはもうアリサ姫の姿はなく、代わりに切ったのは水で出来た分身だった。その水は生きているかのようにそのままフェリクスに絡みついてきた。
しかし、瞬時にフェリクスも指を動かす。一瞬で出来た魔法陣からはフェリクスから全方向への風が吹き荒れた。それにより、フェリクスに絡みつこうとしていた、水は吹き飛んだ。
「こっちですよ、フェリクス君」
振り向くと、前にフェリクスが切ったウンディーネの水と同じぐらいの水球を発生させていたアリサがいた。
「やば」
視界すべてが水に埋め着くされる中、すぐさま、また別の魔法陣をフェリクスは左手のそれぞれの指から描いた。既に水はアリサの元から離れ、フェリクスに向かってきていたが、寸前の所で、フェリクスも魔法陣を描き終わる。
1個目の魔法陣で風を発生させ、水球を縦に割る。しかし、それだけではまだ、水はフェリクスに振ってくる。2個目の魔法陣で水を左右に吹き飛ばした。3個目の魔法陣で自分に身体強化を掛け、残りの魔法陣でアリサに向けて、電撃の魔法を飛ばす。
電撃魔法と同時にフェリクスは右側面からアリサを攻撃するがアリサ姫はこれを軽く防いで見せた。水の防壁で電撃魔法を防ぎ、フェリクスの斬撃はレイピアで受け止められた。
「まさか、ここまで強いとは思わなかったですよ」
「それは、ありがとう、フェリクス君、そして、死なないでね」
軽くアリサが力を入れてレイピアを力ずくで振りぬくと、それだけでつば競り合いをしていたはずなのにフェリクスは、吹き飛ばされてしまった。
フェリクスは吹き飛ばされながらも、後ろに回りながら、綺麗に着地を決めた。
しかし、フェリクスが吹き飛ばされている間にアリサは次の魔法陣を組み上げていた。
死なないでくださいねと言われ、フェリクスは悪い予感がしたが、それはすぐに現実のものとなる、アリサの組み上げた魔法陣からは、今日一番の魔力が感じられた。
さっきほどの水は集まっていないが、魔法陣の中心には水が凝縮されているのがわかる。それが分かった時にはもうフェリクスの左指は動いていた。3個は防御壁の魔法陣を描き、残り2つは身体強化の魔法陣を描いた。
アリサの魔法陣の中心から水が凝縮され一筋の線になって、フェリクスに向かって飛んできた。フェリクスは勘でこれは当たっていけないと悟った。その予感は的中する。凝縮された水はフェリクスの防御壁を軽く貫通し、さらに闘技場全体に掛けらえている防御壁すらも貫通し、闘技場の壁を傷つけた。
ぎりぎり水が見えた、フェリクスの頬には薄く傷が出来ていた。
「次はよけれますか、フェリクス君」
またも、アリサが魔法陣を組み立てようと手を動かすが、その前にフェリクスは動き出した。
「同じことはさせないよ」
魔法陣が組み上がる前にフェリクスはアリサに切りかかった。またも、フェリクスの刀はアリサに止められるがアリサの魔法陣の完成を邪魔すことには成功した。
またも、アリサは力ずくで吹き飛ばそうとするが、レイピアは動かなかった。さっき自分に掛けた身体強化のおかげで力負けをしなくなったフェリクスはそのまま、アリサが作ろうとしていた魔法陣に干渉した。
「え、うそ」
フェリクスはそのまま別の魔法陣を組み上げる。出来上がった魔法陣からは水が生まれ、アリサ王女を包み込んだ。水牢、この魔法は相手を水の中に捕らえるものだ。水の中心に捕らわれている為、力で抜けようにも抜けられない。物理的手段で抜けれないならば、残りの答えは一つだ。
アリサもそのことに気が付いたのか、もがくのをやめ、魔力を放出し始めた。莫大な魔力で魔法の支配権を奪うつもりだ。しかし、フェリクスもそれは分かっているので魔力を放出しつつ、別の魔法をさらに作った。このまま魔力勝負にもつれ込んでは負ける可能性があるのは分かっているので、フェリクスは別の方法で決着をつけることにした。
「これで終わりです」
フェリクスが作った魔法は電撃魔法、アリサもそのことに気づくが何もできない。そのまま、魔法を放つ所で
「そこまで、勝者、フェリクス・クレソン」
ヴェルデ先生の制止の声が入った。
それにより1年の部、武芸大会の優勝者が決まり、観客から溢れんばかりの歓声が響き渡った。
「私、フェリクス君には全力で行きますね」
「まるで、今までかなりの手加減をしていた見たいな、言い方だね」
「まるでではなく、そうでした、さっきのアベルさんの戦いを見て、貴方になら本気を出しても、私を受け止められるかもしれないと思いました」
何を言っているんだとこのお姫さんはとフェリクスは思ったが、アリサ姫からあふれ出る魔力を見て、気を引き締めた。
感じられる魔力はこれまでも数十倍にまで膨れ上がっていた。どうやら、アリサ姫もこれまでの戦いではかなり手加減をしていたようだ。魔力量だけで言ったら、もしかしたら、フェリクスは負けているかもしれない。
「1年の部、決勝、フェリクス・クレソン対アリサ・レイヴァースの試合を始めます」
ヴェルデ先生の選手紹介が始まるが、2人とも動こうとしない。
「それでは始め」
ヴェルデ先生の開始の合図が聞こえた瞬間、最初に動いたのはフェリクスだ。一瞬で、アリサの目の前まで迫ると俊足の抜刀をした。しかし、そこはもうアリサ姫の姿はなく、代わりに切ったのは水で出来た分身だった。その水は生きているかのようにそのままフェリクスに絡みついてきた。
しかし、瞬時にフェリクスも指を動かす。一瞬で出来た魔法陣からはフェリクスから全方向への風が吹き荒れた。それにより、フェリクスに絡みつこうとしていた、水は吹き飛んだ。
「こっちですよ、フェリクス君」
振り向くと、前にフェリクスが切ったウンディーネの水と同じぐらいの水球を発生させていたアリサがいた。
「やば」
視界すべてが水に埋め着くされる中、すぐさま、また別の魔法陣をフェリクスは左手のそれぞれの指から描いた。既に水はアリサの元から離れ、フェリクスに向かってきていたが、寸前の所で、フェリクスも魔法陣を描き終わる。
1個目の魔法陣で風を発生させ、水球を縦に割る。しかし、それだけではまだ、水はフェリクスに振ってくる。2個目の魔法陣で水を左右に吹き飛ばした。3個目の魔法陣で自分に身体強化を掛け、残りの魔法陣でアリサに向けて、電撃の魔法を飛ばす。
電撃魔法と同時にフェリクスは右側面からアリサを攻撃するがアリサ姫はこれを軽く防いで見せた。水の防壁で電撃魔法を防ぎ、フェリクスの斬撃はレイピアで受け止められた。
「まさか、ここまで強いとは思わなかったですよ」
「それは、ありがとう、フェリクス君、そして、死なないでね」
軽くアリサが力を入れてレイピアを力ずくで振りぬくと、それだけでつば競り合いをしていたはずなのにフェリクスは、吹き飛ばされてしまった。
フェリクスは吹き飛ばされながらも、後ろに回りながら、綺麗に着地を決めた。
しかし、フェリクスが吹き飛ばされている間にアリサは次の魔法陣を組み上げていた。
死なないでくださいねと言われ、フェリクスは悪い予感がしたが、それはすぐに現実のものとなる、アリサの組み上げた魔法陣からは、今日一番の魔力が感じられた。
さっきほどの水は集まっていないが、魔法陣の中心には水が凝縮されているのがわかる。それが分かった時にはもうフェリクスの左指は動いていた。3個は防御壁の魔法陣を描き、残り2つは身体強化の魔法陣を描いた。
アリサの魔法陣の中心から水が凝縮され一筋の線になって、フェリクスに向かって飛んできた。フェリクスは勘でこれは当たっていけないと悟った。その予感は的中する。凝縮された水はフェリクスの防御壁を軽く貫通し、さらに闘技場全体に掛けらえている防御壁すらも貫通し、闘技場の壁を傷つけた。
ぎりぎり水が見えた、フェリクスの頬には薄く傷が出来ていた。
「次はよけれますか、フェリクス君」
またも、アリサが魔法陣を組み立てようと手を動かすが、その前にフェリクスは動き出した。
「同じことはさせないよ」
魔法陣が組み上がる前にフェリクスはアリサに切りかかった。またも、フェリクスの刀はアリサに止められるがアリサの魔法陣の完成を邪魔すことには成功した。
またも、アリサは力ずくで吹き飛ばそうとするが、レイピアは動かなかった。さっき自分に掛けた身体強化のおかげで力負けをしなくなったフェリクスはそのまま、アリサが作ろうとしていた魔法陣に干渉した。
「え、うそ」
フェリクスはそのまま別の魔法陣を組み上げる。出来上がった魔法陣からは水が生まれ、アリサ王女を包み込んだ。水牢、この魔法は相手を水の中に捕らえるものだ。水の中心に捕らわれている為、力で抜けようにも抜けられない。物理的手段で抜けれないならば、残りの答えは一つだ。
アリサもそのことに気が付いたのか、もがくのをやめ、魔力を放出し始めた。莫大な魔力で魔法の支配権を奪うつもりだ。しかし、フェリクスもそれは分かっているので魔力を放出しつつ、別の魔法をさらに作った。このまま魔力勝負にもつれ込んでは負ける可能性があるのは分かっているので、フェリクスは別の方法で決着をつけることにした。
「これで終わりです」
フェリクスが作った魔法は電撃魔法、アリサもそのことに気づくが何もできない。そのまま、魔法を放つ所で
「そこまで、勝者、フェリクス・クレソン」
ヴェルデ先生の制止の声が入った。
それにより1年の部、武芸大会の優勝者が決まり、観客から溢れんばかりの歓声が響き渡った。
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