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(旧)こっそり守る苦労人

ルド@

恐ろしい女難

ふぅーーーー・・・
不思議です全然疲れが取れた気がしません 
色々あったわ・・・・


ドッジボール戦・・・あの久保と水野率いるC組連中(久保と並べれてるとか知ったら、絶対キレるだろうな水野のやつ)


昼休みの篠崎妹との交戦(全然休みじゃなかった) 


先ほどの昼食(おかしい・・・本当におかしい!あれは休憩じゃない!) 


・・・・・。  
まあ一番の理由はこれだな


「全く零くんは!ニヤニヤして」
「・・・・・・。」


ぷんすか状態の由香さん・・・・勘弁してよ 


「だからニヤニヤしてませんって」
「ウソっだー!2人に抱き付かれて口元ニヤけてたもん!」


疑いの眼差しで俺をジトと見てくる由香さん 
ついさっきの出来事、教室で隣同士の美希とリンに左右から抱き付かれて・・・・・・。 


「・・・・・・・・・・・・気のせいです」
「間が長いよ!?もう!」


い、いやそんなことないですよ!?


柔らかさとか思い出してないですからね!? 


「ーーー柔らかさ?」   
「ハァっーーーー!?」 


失言!?口に出てた!? 


「ううんいつもの通りだよ」
「・・・・・・。」


・・・・アレですか?
また人との思考を読んだんですか?
こんな時に限って読まないでください!


「何が柔らかったのかな?」
「・・・・・・。」 


考えませんーーー絶対考えませんとも!! 
考えた瞬間終わる!そんな確信がある!    


「ふ〜〜〜〜〜〜〜ん?」 


何か人の考えを読み解こうとしてるのが分かる・・・・そんなジッと見ないでください!キツイです! 




「ぷーーーーーーー」 


・・・・膨れないで・・・頼みますから
可愛らしく膨れないで!   




なんか・・・いつもより厳しくありません? 


「あの由香さんその件はもう「買い物」」


拗ねた感じに言ってくる由香さん 


「約束守ってよ?そしたら許します」


さらに上目遣いで見つめてくる・・・・はぁ 


「お任せ下さいーーーお嬢さま・・・・


俺の返事に嬉しそうにスキップしながら俺の前を歩いて行くと振り返って子供ような笑みで 


「お願いね♪」 


そう言うと舌を出してニコっとする由香さんを見て俺は思った。


「(はめられたーーーーこの策士)」 


恨めしそうな目でその後ろ姿を見つめることしかできなかった・・・




********
生徒会室に着いた俺だが・・・・はぁ・・・やはり 


「あっーーゼロ君!」 
「うっさい」
「いきなりヒドイ!?」 


誰のせいだ急に呼び出しやがって 
どうやらまだ沙耶さんと由香さんしか居ないらしい


全くっ! さっき由香さんが教室に来たのは、沙耶さんが急遽俺と話があると言って由香さんを遣いに出したんだーーーーーって 


「何様だーーーー!!」  


パシッーーー! 


「イッタ〜〜〜〜〜っ!?」  


対沙耶用・・・・のハリセンでこのアホな頭を叩く!(最近白石用のハリセンも製作中であるが・・・まあこの話はいいか)


そんな光景を由香さんは苦笑顏で見ている。 


「なにするの〜〜〜〜!?」    
「必要な処置だ」
「前から思ってたけどゼロ君って、わたしを年上としてみてないでしょっ!?」 


ん?なにを言い出すかと思えば  


「当たり前のことを言わないでくだーーーグハァっ!」 
「ゼ〜〜〜〜ロ〜〜〜〜〜く〜〜〜ん!」


話してる最中に体当たりしてきた沙耶さん 


「うっ」


対応仕切れず倒れてしまったってオイ!?


「フフフフっ♪逃がさないよ」


俺の腹に馬乗りになる沙耶さん  




「何しやがんだ?」
「言葉遣いが悪いよ」
「俺がキレる前に退け」


温厚な俺でもさすがにキレるぞ? 


普段と違い、イラついてる俺がいる 
どうやらこれまでの面倒ごとの対応の所為で、ストレスが溜まってたようだ・・・・感情が荒れてる


昔だったらここまで荒れることもなかったが 
・・・・・・・


「ふふふっ」


少し考えていると腹の上で沙耶さんが小さく笑っていた 


「何がおかしい?」


声だけで分かる・・・キレかけてるな・・・俺が 






人ごとのように思っていると沙耶さんから思いがけない一言が


  

「声は怒ってるけど顔はにやけてるよ・・・・・・?」
「ーーっ!・・・・今気づいた」 


沙耶さんに言われるまで気づかなかった・・・・喜んでる?この状況で? 
・・・・いや感情的に言えば怒りに近いはず・・・でも・・これは   






 俺は自分の心境状態を確認して驚いた。
確かに沙耶さんの暴挙に怒りを覚えているが、その反面、昔と違いここまで人らしい・・・・感情を剥き出しにしている自分に・・・




「何が嬉しいのかな?零くん」
「ーーーはっ」


由香さんが仰向けで倒れ込んでる俺に笑顔で聞いてくる・・・・目が笑ってない 


「そんなに沙耶ちゃんに乗られて嬉しいの・・・・・・・・?」


乗られて・・・・その一言に俺はお腹に乗っている沙耶さん・・・・の短パン越しに感じるお尻の感触に・・・・
心がドギマギーーーッちょっと待ってーーー!?


「由香さん!?」 


何その言い方!?待ってください!   


「誤解ですっーー俺は」バァッ!


座っている沙耶さんを無視して、起き上がろうとする俺 
その拍子に乗っている沙耶さんが揺れてしまう 


「きゃっ!ゼロ君動かないで!って、キャーーーーーー!?」  
「だったらささっと、どッ!?」


そのまま後ろへ倒れてしまう沙耶さんに掴まれ一緒に前のめりに倒れてしまう     




「くぅ〜〜〜っ!いきなり掴むなよ」   


沙耶さんを覆い被さるように倒れてしまった俺
顔に何か柔らかくて妙な硬さを感じるが今はそれどころではない 


「〜〜〜たく!」


起き上がって退こうした俺・・・・ん?何か手が引っ掛かーーッ!?    


「う〜〜〜!強引だよゼロ君〜!」    


俺の視界には、倒れた拍子に頭でも打ったのか、手で押さえている沙耶さんがいる
・・・ただ 
「〜〜〜〜〜!?」  


俺の視線の先に映っているのは”沙耶さんの顔”ではなく 
その下ーーー恐ろしい二つの凶器・・・・・である・・・ピンクの下着に覆われた   


「!?!?!?!?」 


混乱しながも、思考が回るのは、魔獣と異能経験のおかげか?  
どうやら、さっきの感触はコレか
倒れた時に俺の手が彼女の体操着を引っ掛けたようだ。


今俺の視界に片方は完全に露わになってピンクの下着に覆われた凶器物体
片方は下半分まで露わになっているだけだが・・・その・・・半分だけでもヤバイなコレ


鎮座する二つの凶器      
・・・・・・・・ごく。   


「・・・・」
「ーーーーー!?!?」   


悲鳴ならない悲鳴を上げてしまう


それだけ怖かった・・・ 


たった今、背後から俺の首を両腕を回して、抱き付いてきた由香さん
背中には、ここ最近一番の柔らかく弾力のある・・モノが!   


ど、毒すぎるぅーーー! 




「ゆ、由香さん?」
「・・・・・。」 


なるべく冷静な対応をしなくてはっ!   
精神状態が異常を示している・・・危険な状態ですーーー男的に!   


「う〜〜〜〜〜〜」  
「・・・・・・。」


前門はピンクの凶器が2つーーー後門は接触爆弾が2つーーーー誰か来たら百パー誤解される!


唸ったままの倒れてる沙耶さんは無視して、先に由香さんをどうにかしなくてはっ!
けど・・・一体どうすれば?無言のままの由香さん・・・どうしよ  




「零くん・・」


抱き締められたまま後ろから声が掛かる 
・・・・どこか寂しそうな声色 


「は、はい」
「もう直ぐ夏休みだよね?」
「?・・・はい・・そうですね」


確かに球技大会が終わって、テストが終わったらすぐ夏休みだ。


「プール日和だよね」 
「はい」 


ここまで言われて、彼女が何が言いたいのか理解する俺


「水着・・・選ぶの手伝って」
「・・・はい」   


こんな風に言わなくなって断りませんよ・・・・というより拒否権なんてありましたか? 


さらにぎゅっと抱き付く由香さん・・・・つぶれてますよ?爆弾が 


「あと・・・もう少しーーー優しくして」 
「はい」 


理性がないわけでは無いのだ・・・つらい 


由香さんお嬢さまのご要望を次々と答えていく俺・・・これが後々、大変なことになるが、まだ俺は知らない(特に水着選びとプールで) 


まあ・・それでもこれぐらいはしないとな・・・・優しく・・・やれるだけやろう 


前向きなのか後ろ向きなのか分からない考え方をしていると 


「証明」
「?」
「証明が欲しい」


後ろから自分の顎を俺の肩に乗せてこちらを見つめてくる由香さん・・・・その瞳は潤んでいた 


「・・・・。」


証明・・・・・証明ですか・・・
生憎俺はそこまで鈍感ではない・・・
この状況で彼女が求めている証明とはなにか・・・・分からないわけではない 




俺はゆっくり後ろを振り返り、彼女と向き合う 


「「・・・・・。」」


無言の俺と由香さん
由香さんは目を瞑って顔を上げてくる 
そんな彼女を見て・・・俺は 
・・・・・・・・・・。 




私を無視しな・・・・・・いでくれないかな・・・・・・・・2人して・・・・」   


酷く冷たい声が生徒会室を凍り付かせた 


「「ーーーーーーッ!!」」   


びっくりして声のした方を向く俺と由香さん  


「沙耶ちゃんっ!?」 
「沙耶さん!?」


上体だけ起き上がった沙耶さん・・・乱れた長い髪俯き加減で視線を向けてくる・・・・若干怖いんだが(体操着が直ってる)  




「完全に忘れてたよね?由香ちゃんとゼロ君」 
「ま、待ってっ!沙耶ちゃんこれはそのぉ・・・」


言葉が見つからないのか、後半の声の音量が低くなる由香さん 


「もういいよ。どうせ由香ちゃんとゼロ君にとって私なんて」


その場で体育座りになる沙耶さん 
ワオ・・・完全に卑屈になってる


「そ、そこまで自虐にならなくても」


ちょっとイレギュラーが起こり過ぎただけであって、決して忘れてた訳では  
フォローしようとする俺にどんよりした状態で沙耶さんが呟く  


「わたしの胸なんて大好きな・・・・由香ちゃんの胸の前じゃ、ただの肉の塊なんだね・・」
「沙耶さんちょっと落ち着きましょう!」 


何言ってんのアンタ!?そのな事はない!大変素晴らしい山・・・ 


「零くん〜〜〜?」 


お願いだから拗ねないで!俺も男の子なんですよ!?   


「イイヨイイヨーーどうせわたしなんて・・・わたしなんてっ」


放置されてると思ったのか、ウルウル目を潤ませてる・・・  
アカンーーーこれマジ泣き寸前だ 


「うぅ・・うぅっうっ・・・うわぁぁあっぁぁぁぁあぁぁーーー!」


あー・・・子供みたいに泣き出しちゃった・・・・見た目大人ぽい美少女なのに・・・・ん? 


不意に由香さんが俺の服を少し引っ張ってくる・・・何かな? 


「零くんお願い、沙耶ちゃんを慰めてあげて(ぼそ)」


とんでもないお願いでした 


「えーーー!?本気ですか!?(ぼそ)」


確かに俺が悪いけど・・・でもそれは 


「しょうがないよ・・・・私も忘れてたし(ぼそ)」  


不承不承といったところか
自分にも責任があると考えたのだろう・・・すっごい不承不承なのが分かる 




「はあ〜」 


仕方ないので慰めることにした 




5分後


「レイ君?・・・なんでグッタリしてるの?、サヤまで」  
「零っち?」


あとから到着した比奈さんと莉緒である。
彼女たちが不思議そうに聞いてくるので


「疲れる事があっただけです」


椅子に座ったままそう答えるしかなかった  


疲れた・・・・はあ 


「う〜〜〜由香ちゃ〜ん・・頭が痛い・・ポンポン叩かれたぁ・・」   
「ははは・・・えーと・・ヨシヨシ」 


側で頭を押さえながら、痛みに堪えてる沙耶さんと彼女の頭を優しく撫でている由香さんがいた   


「「何があったの(っすか)?」」   


「ゼロ君に押し倒されて胸見られた〜」
「「!?」」
「事故ですからーーーいつもの沙耶さんの事故です!」


勘弁してくれ・・・疲れてんだよ。 
 

チーム生徒会へ続く。


おまけ
慰め方について


1:ナデナデしながら耳元で愛を囁く


2:抱き締めて、耳元で愛を囁く。


3:・・・・・既成事実


沙耶「さぁ!どれにする!?」


零「・・・・・。」


沙耶「わたし的には断然3番が!・・・・ゼロ君?」


零「・・・・・。」


沙耶「な、なんでハリセンを持って、え、ちょっとまーーーー」 
 

その後生徒会室から奇妙な悲鳴が上がるが、誰も聞いていない・・・  




由香「・・・・3番・・(ぼそ)」 

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