(旧)こっそり守る苦労人
転校生の相談
「新種の魔獣だ?」
「そう!」
現在は休憩に入ってるところだ。
模擬戦中やたらこいつが煩かったので休憩も兼ねて聞いてみたら、転校生がいきなり新種の魔獣について話し出したのだ。
  
と言うかおまえなぁ〜   
「バカもん
何でそんな大事な事を先に言わんのだ」 
「言う前に、訓練とか言って模擬戦始めたからよ!?」
ぬっ?・・・そうだったけ? 
・・・・忘った
こんな俺たちのやり取りを見ていた、柊さんは苦笑しながら、転校生に尋ねる。 
「で、その魔獣の対処をしたのが、白石さんの先輩?なんだよね?」 
「はい、今日その先輩に会いに行ったのは、これまでの報告もありましたが、主にそっちの話がメインでした。」 
「先輩の話では、その新種の魔獣が出現したのは3日前、先輩のチームが巡回してる時に瘴気を感知して現場に急行して、その魔獣の対処をしたのですが、」 
転校生の話をまとめるとこんな感じだ。
新種の魔獣のランクは最低でもBランク以上、普通は魔獣が発する瘴気でランクを測るのだが、その魔獣は外に放出してる瘴気が大きい時と少ない時があるらしく正確なランクが測れないそうだ。
衛星を使い、魔獣自体を調べてランクを測る方法もあるが、その日は雨で衛星が使用出来なかったそうだ。
魔獣の特徴は分かりやすく言うと、デカいトカゲだ。
薄緑色の鱗でふたつの眼に四つの脚と尻尾、体長4メートルに体高3メートル位だそうだ。
で、その先輩さんは、6人チームで新種魔獣と戦闘を開始、戦闘能力自体はCランク位だそうだが、危機感を感じた先輩さん方々は全力で戦い短期戦で決着を着けたのだが、
「逃したと?」 
「うん、倒したと思ったところで、逃げられたらしいの。」
「うむ・・・分裂ねぇ?」
 
【分裂】   
新種魔獣の能力だそうだ、魔獣は死ぬと徐々にその肉体も消えていくのだが、消える前に体の一部が切り離れて、それがトカゲの姿になって復活したらしい。
ヤモリの逆パターンか?  いや逆でもないか 
で、そのまま逃走、スピードが予想以上に速く、追跡を行おうとしたが、衛星も使えず感知も困難で、どんどん離されてしまい逃げられたのだ。
「分裂・・・初めて聞くなぁ。」
今まで色んなタイプやランク魔獣を相手にしてきたが、倒してから復活する能力は初めてだ。
「柊さんは?」 
「そうだね〜私も記憶にないな。」
「それが新種って事ですか?」 
まだ確認されてない能力があるから? 
 
「それ以外にも感知が難しかった事もあるよ。」
感知が難しい・・・・
前回出てきた溶岩魔獣 (転校生命名)の場合は、街全体に瘴気を撒く事で、俺たちの感知能力を封じた。 
・・・だが今回の魔獣は   
「放出を止めてる?」  
「・・・・瘴気の放出とは、魔獣の自然動作、人が呼吸をする様なもの、なんだがね。   
・・・コントロールしたって事かな?」  
「そう言った部分も含めて、新種って事ですか」 
だとしたら、かなり厄介だな。 
「分裂も厄介だが、瘴気をコントロールしてるって所がさらに厄介だね、その結果その魔獣にどんな影響を及ぼすか・・・」
既に影響は出てる。
異能者は、魔獣が放出している瘴気の感知を行う。
だがその放出されてる瘴気の感知が困難になってる・・・
つまり、その魔獣は放出している瘴気を
呼吸を止めてる可能性がある・・・  
「もしその新種が瘴気を操り止める事で、その結果、自身の存在を隠蔽出来るのなら」 
「こちら側の感知能力が効かなくなるね。」
もっとマズイのは、一般の異能者の感知能力だけでなく
俺の感知能力も効かなかったら・・・ 
俺の感知技法は、普通のとは違うが、精度には自信がある・・・・前回の事がなかったらの話だが  
「しかしそんな事が可能なのでしょうか?」
「可能性はあると思うよ?
なんせこちらは、相手の事を、まだ全然知らないんだから」
知らない・・・そのとおりだ。
柊さんの言う通りまだ人類は、魔獣について、わからない事が沢山ある。
・・・・調べきれてない事が沢山ある。
・・・・・解き明かされてない事が沢山ある。
 
「ちゃんとした戦闘データがあれば、いいのだけど、全力での一斉攻撃による短期戦だったから・・・あまり情報はないのよ。」
俺と柊さんの会話に何とか遅れながらついてきた転校生だったが、俺たちが現在情報不足で悩んでると知り、これ以上の情報が無いと落ち込んでしまっている。
代わりに悪い情報はあるようだ。 
「しかも、さっき話した先輩の管轄してる街なんだけど、私達の街から結構近いのよ。」
話がドンドン大事になってきた。 
「正確な場所は、ちょっと教えられないけど、その魔獣がコッチの街に来てもおかしくないのよ!」
動揺が隠せない、そんな感じで転校生は話した。
「・・・なるほど、確かにヤバイな」
もしそんなのが来たら・・・ 見つけれるか? 俺は
というか勝てるのか? 
「けど、今のところは、大丈夫じゃないかな?」
「え?何でですか?」
柊さんがニコリと冷汗を流し考え込んでしまっている転校生に微笑んで、理由を話す。
「実はね?この街の周囲には特殊なセンサーが張ってあってね。
外部からの魔獣の侵入を私達に報せる事出来るんだよ。」
対魔獣監視防犯機器 【鴉】 
小型の機器で出来たそれは、電信棒の天辺や何処かのビルの屋上などに取り付ける事で、魔獣がその機器の下、半径20メートル圏内に入った瞬間、俺たちに報せる事が出来るのだ。(柊さんのかつての仲間の1人がメカニックでこういった物昔から作ってるらしい)
     
 
「そのセンサーは放出してる瘴気だけでなく、魔獣の内部瘴気も感知出来るようになってるんだ。だから、仮に放出が止まっていても、意味がないんだよ。」  
「そ、そんなのがあるのんですか!?」
「うん、昔の仲間の伝手でね。
そして現在、そのセンサーは反応していない。」
「魔獣が逃走してから既に3日経ってるんだよね?
だったらもう既に他所に逃げてるんじゃないかな?」
「たしかに」
柊さんに言葉も確かだ。
・・・・だが 
「まぁでも一応警戒も必要だけどね。」
「はい、勿論です。」
「うん!・・・零?」
「・・・・そうですね。」
警戒はする・・・ 
「そういえば、君達の学校、もうすぐ球技大会だろ?
大変だね〜昔は私も参加してたよ〜」
「え、そうなんですか?
柊さんってあの学校の・・」
「うん、卒業生だよ。
零の父親もね〜」
「そうなの?泉君」
「・・・・・」
「泉君?」
「・・・うん?なんだ?」
「どうかしたのかい?ボーとして」
転校生と柊さんが不思議そうな顔で俺を見てくる。
「いえ、・・・・何でもないです。」 
俺は柊さんに返答しながら、意識を深くして考える。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・ 
本当に・・・それだけで大丈夫なのか?
何か取り返しのつかない何かが・・・起こるような
そんな予感を俺は・・・・俺の中のソレは確かに感じた。  
 
球技大会の準備 前編へ続く。   
おまけ
訓練について
零「ん?訓練はなるべく毎日やる予定だぞ?」
佳奈「え!?」
零「当たり前だ。厄介な魔獣の存在もあるが、お前の謎の異能の解明にお前自身のスキルアップ、心力のコントロール、やる事が山の如しだ。のんびりしてる暇なんてないぞ。」
佳奈「うっうう(半泣き)」 
零「・・・ははは冗談だ。さすがに毎日はない。」
佳奈「ほ、ほんと!?
零「あぁ!(優しい目)」 
佳奈「ホッ・・」
 
零「週5ぐらいだ(笑)」 
佳奈「ぎゃぁぁあああ!!(号泣)」  
*零と佳奈の訓練は佳奈の強い要望で初めに零が考えた週5〜7を週3〜4に変えてもらいました。(珍しく傍観していた柊も苦笑しながら佳奈と一緒に零の説得を行った結果、渋々了承した零でした。)
零「しかし、これは悪夢の始まりだった
これから先、転校生に待ち受けている訓練とは・・・いったい!?」  
佳奈「伏線混じりな終わり方しないでぇぇぇええええ!!!!」    
「そう!」
現在は休憩に入ってるところだ。
模擬戦中やたらこいつが煩かったので休憩も兼ねて聞いてみたら、転校生がいきなり新種の魔獣について話し出したのだ。
  
と言うかおまえなぁ〜   
「バカもん
何でそんな大事な事を先に言わんのだ」 
「言う前に、訓練とか言って模擬戦始めたからよ!?」
ぬっ?・・・そうだったけ? 
・・・・忘った
こんな俺たちのやり取りを見ていた、柊さんは苦笑しながら、転校生に尋ねる。 
「で、その魔獣の対処をしたのが、白石さんの先輩?なんだよね?」 
「はい、今日その先輩に会いに行ったのは、これまでの報告もありましたが、主にそっちの話がメインでした。」 
「先輩の話では、その新種の魔獣が出現したのは3日前、先輩のチームが巡回してる時に瘴気を感知して現場に急行して、その魔獣の対処をしたのですが、」 
転校生の話をまとめるとこんな感じだ。
新種の魔獣のランクは最低でもBランク以上、普通は魔獣が発する瘴気でランクを測るのだが、その魔獣は外に放出してる瘴気が大きい時と少ない時があるらしく正確なランクが測れないそうだ。
衛星を使い、魔獣自体を調べてランクを測る方法もあるが、その日は雨で衛星が使用出来なかったそうだ。
魔獣の特徴は分かりやすく言うと、デカいトカゲだ。
薄緑色の鱗でふたつの眼に四つの脚と尻尾、体長4メートルに体高3メートル位だそうだ。
で、その先輩さんは、6人チームで新種魔獣と戦闘を開始、戦闘能力自体はCランク位だそうだが、危機感を感じた先輩さん方々は全力で戦い短期戦で決着を着けたのだが、
「逃したと?」 
「うん、倒したと思ったところで、逃げられたらしいの。」
「うむ・・・分裂ねぇ?」
 
【分裂】   
新種魔獣の能力だそうだ、魔獣は死ぬと徐々にその肉体も消えていくのだが、消える前に体の一部が切り離れて、それがトカゲの姿になって復活したらしい。
ヤモリの逆パターンか?  いや逆でもないか 
で、そのまま逃走、スピードが予想以上に速く、追跡を行おうとしたが、衛星も使えず感知も困難で、どんどん離されてしまい逃げられたのだ。
「分裂・・・初めて聞くなぁ。」
今まで色んなタイプやランク魔獣を相手にしてきたが、倒してから復活する能力は初めてだ。
「柊さんは?」 
「そうだね〜私も記憶にないな。」
「それが新種って事ですか?」 
まだ確認されてない能力があるから? 
 
「それ以外にも感知が難しかった事もあるよ。」
感知が難しい・・・・
前回出てきた溶岩魔獣 (転校生命名)の場合は、街全体に瘴気を撒く事で、俺たちの感知能力を封じた。 
・・・だが今回の魔獣は   
「放出を止めてる?」  
「・・・・瘴気の放出とは、魔獣の自然動作、人が呼吸をする様なもの、なんだがね。   
・・・コントロールしたって事かな?」  
「そう言った部分も含めて、新種って事ですか」 
だとしたら、かなり厄介だな。 
「分裂も厄介だが、瘴気をコントロールしてるって所がさらに厄介だね、その結果その魔獣にどんな影響を及ぼすか・・・」
既に影響は出てる。
異能者は、魔獣が放出している瘴気の感知を行う。
だがその放出されてる瘴気の感知が困難になってる・・・
つまり、その魔獣は放出している瘴気を
呼吸を止めてる可能性がある・・・  
「もしその新種が瘴気を操り止める事で、その結果、自身の存在を隠蔽出来るのなら」 
「こちら側の感知能力が効かなくなるね。」
もっとマズイのは、一般の異能者の感知能力だけでなく
俺の感知能力も効かなかったら・・・ 
俺の感知技法は、普通のとは違うが、精度には自信がある・・・・前回の事がなかったらの話だが  
「しかしそんな事が可能なのでしょうか?」
「可能性はあると思うよ?
なんせこちらは、相手の事を、まだ全然知らないんだから」
知らない・・・そのとおりだ。
柊さんの言う通りまだ人類は、魔獣について、わからない事が沢山ある。
・・・・調べきれてない事が沢山ある。
・・・・・解き明かされてない事が沢山ある。
 
「ちゃんとした戦闘データがあれば、いいのだけど、全力での一斉攻撃による短期戦だったから・・・あまり情報はないのよ。」
俺と柊さんの会話に何とか遅れながらついてきた転校生だったが、俺たちが現在情報不足で悩んでると知り、これ以上の情報が無いと落ち込んでしまっている。
代わりに悪い情報はあるようだ。 
「しかも、さっき話した先輩の管轄してる街なんだけど、私達の街から結構近いのよ。」
話がドンドン大事になってきた。 
「正確な場所は、ちょっと教えられないけど、その魔獣がコッチの街に来てもおかしくないのよ!」
動揺が隠せない、そんな感じで転校生は話した。
「・・・なるほど、確かにヤバイな」
もしそんなのが来たら・・・ 見つけれるか? 俺は
というか勝てるのか? 
「けど、今のところは、大丈夫じゃないかな?」
「え?何でですか?」
柊さんがニコリと冷汗を流し考え込んでしまっている転校生に微笑んで、理由を話す。
「実はね?この街の周囲には特殊なセンサーが張ってあってね。
外部からの魔獣の侵入を私達に報せる事出来るんだよ。」
対魔獣監視防犯機器 【鴉】 
小型の機器で出来たそれは、電信棒の天辺や何処かのビルの屋上などに取り付ける事で、魔獣がその機器の下、半径20メートル圏内に入った瞬間、俺たちに報せる事が出来るのだ。(柊さんのかつての仲間の1人がメカニックでこういった物昔から作ってるらしい)
     
 
「そのセンサーは放出してる瘴気だけでなく、魔獣の内部瘴気も感知出来るようになってるんだ。だから、仮に放出が止まっていても、意味がないんだよ。」  
「そ、そんなのがあるのんですか!?」
「うん、昔の仲間の伝手でね。
そして現在、そのセンサーは反応していない。」
「魔獣が逃走してから既に3日経ってるんだよね?
だったらもう既に他所に逃げてるんじゃないかな?」
「たしかに」
柊さんに言葉も確かだ。
・・・・だが 
「まぁでも一応警戒も必要だけどね。」
「はい、勿論です。」
「うん!・・・零?」
「・・・・そうですね。」
警戒はする・・・ 
「そういえば、君達の学校、もうすぐ球技大会だろ?
大変だね〜昔は私も参加してたよ〜」
「え、そうなんですか?
柊さんってあの学校の・・」
「うん、卒業生だよ。
零の父親もね〜」
「そうなの?泉君」
「・・・・・」
「泉君?」
「・・・うん?なんだ?」
「どうかしたのかい?ボーとして」
転校生と柊さんが不思議そうな顔で俺を見てくる。
「いえ、・・・・何でもないです。」 
俺は柊さんに返答しながら、意識を深くして考える。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・ 
本当に・・・それだけで大丈夫なのか?
何か取り返しのつかない何かが・・・起こるような
そんな予感を俺は・・・・俺の中のソレは確かに感じた。  
 
球技大会の準備 前編へ続く。   
おまけ
訓練について
零「ん?訓練はなるべく毎日やる予定だぞ?」
佳奈「え!?」
零「当たり前だ。厄介な魔獣の存在もあるが、お前の謎の異能の解明にお前自身のスキルアップ、心力のコントロール、やる事が山の如しだ。のんびりしてる暇なんてないぞ。」
佳奈「うっうう(半泣き)」 
零「・・・ははは冗談だ。さすがに毎日はない。」
佳奈「ほ、ほんと!?
零「あぁ!(優しい目)」 
佳奈「ホッ・・」
 
零「週5ぐらいだ(笑)」 
佳奈「ぎゃぁぁあああ!!(号泣)」  
*零と佳奈の訓練は佳奈の強い要望で初めに零が考えた週5〜7を週3〜4に変えてもらいました。(珍しく傍観していた柊も苦笑しながら佳奈と一緒に零の説得を行った結果、渋々了承した零でした。)
零「しかし、これは悪夢の始まりだった
これから先、転校生に待ち受けている訓練とは・・・いったい!?」  
佳奈「伏線混じりな終わり方しないでぇぇぇええええ!!!!」    
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