オリジナルマスター

ルド@

暴君と魔法使い その3

「この蒼炎の会得には────半年も掛けた」

掌にある蒼炎を眺めながらジークは呟く。

修業時代。師匠の仲間の知り合いであった十二星の《最上神獣級》の《竜王》。その《竜王》が扱う炎に当時ジークは興味を抱いた。竜が吐く炎は特殊変換された魔力の奔流。ジークはそれをオリジナル魔法として独自に創り上げることにした。

だが、その道のりは思った以上に険しかった。興味本位で創り上げるには難易度が高過ぎた。

大抵の魔法は見ればすぐに扱えれるようになったジークでも、竜王の炎については簡単ではなかった。半年間、竜王の炎のみに時間を費やしても、未完でしか身に付けることが出来なかった。

半年間、《竜王》に習いながら、ジークはオリジナル魔法として創り上げることに成功した。

そして、そのチカラは、彼が所持する火系統の中でも最強の炎・・・・

「さあ、丸焼き……行ってみようか?」

不敵な笑みを浮かべてジークは口にすると。 
火系統のオリジナル魔法。『竜蒼の息吹』が彼の掌から花のように大きく満開して発現された。

『オッ?  ──オッ!?』

突然巨大化した蒼炎に驚くクマ。見たこともない炎に恐れて回避しようとしたが───────

「少し遅かったなぁ」

回避行動を取ろうとしたクマに対して、同情の色が含まれる声音で呟く。

『ヌオオオオ────オ!?!?』

悲鳴をあげる中、強烈な爆裂と熱風がクマを軽く飲み込んだと思ったら……。


───────膨張して吹き飛ばした。


◇◇◇


「……」

無言でジークは視線を煙立つ中心へと向ける。
蒼炎の魔法によってあたりの木類が燃え尽き炭となり、岩が溶け地盤が大きく削り切っていた。

(久々だけど、抑えてもこれだけの威力が出るのか)

クマがいたであろう場所を中心に大きく広い穴が空いてるようにジークには見えた。

(消し炭になってもおかしくない。普通なら)

これだけの惨状を見れば絶対倒せたと誰もが思う筈だ。
だが、ジークは違った。

「……」

彼は予感していた。

『…………ケホっ』

─────その絶対が覆るかもしれない可能性を。

「……マジか」

一応『透視眼』を発動させていたので、生存確認にはそれほど苦労しなかった。


─────煙が晴れそこにあったのは。


『ぬあ〜〜! あつかった』


少しである体を焼け焦がしただけのクマの姿があった。
本人は暑そうに手で顔を仰いで穿った中心から出ると、引き攣った笑みをするジークと視線が合った。

『この人間めぇ。危うく丸焦げになるかと思ったゾ』
「……半焼きぐらいかなぁ。本当タフすぎるよ」

恨めしそうに見るクマに苦笑気味に口を開く。通じない気がしていたのでそれほど驚かなかったが、やはりこれはこれで結構ショックのようだ。

(竜王の炎が通じないとか……まさか同レベルとかじゃないだろうな?)

彼が誇る火系統最強。確実に敵を消し炭にしてしまうほどの火力を出す炎を以ってしても半焼き程度。

この結果にショックを受けずにはいられないが、同時に確信してしまった。

(想像以上の魔力耐性ってことか。オリジナル魔法をもろに受けて倒れないとは)

このクマ相手に魔法で攻め切るのは不可能に近いと。

(シャリアなら俺よりずっと熟練度が高いから、なんとかしてみせるとは思うけど……)

魔法関連で万能に近いジークにも二つ欠点がある。
一つは、よく口にする魔力のコントロールの不出来である。
二つ目は、身に付けた魔法の熟練度────鍛錬があまりにも不足しているのだ。持っている魔法の数に比べて圧倒的に。

(いや、シャリアと比較するのはおかしいか。年季とか本人には絶対言えないけど……)

要は魔法自体は出来るが、精密性、制御性など鍛錬を積まねば得られない。
彼が思う以上に不足気味なのである。

(まあ気になる魔法を片っ端から身に付けていったからなぁ……。そこらへんは師匠からもよく注意を受けてたなぁ)

『ククククっ、覚悟できたか?』
「あ〜、一応聞くけどなんの?」

ジークは若干絶望な気分のまま、笑みを浮かべているクマに聞いてみた。なんとなく予想は付いているが。

『フフっ、ボコボコになる覚悟だ』
「ですよねー」

予想通りの展開にうんざりする。
最初に攻撃を始めたのが、自分であったことをもう忘れている。

「はぁー」
『随分な溜息だな。諦めたか?』
「……いや」

気落ちした様子の愚か者ジークを見下ろしながら聞くクマ。
その表情が最初の時に比べて幾分か落ち着き、楽しげに見えるのは気のせいではないだろう。

(もうやる気満々か。しょうがないな)

心の中でジークは、その心情を理解していた。
なにせこのような相手と戦ったのは、初めてではないからだ。

「ハァー、タフっぷりなところもバルトさんといい勝負かもな」
『……は?』

疲れ切った表情で何を言い出すんだと、訝しげな表情をするクマ。
微妙な雰囲気の変化を察知したか、ため息を吐いているジークを警戒していたが。

「いくぞ。─────『温和の炎霊よ』『炎を統べる火炎神よ』」

起死回生の魔法を発動させるため─────ジークが詠唱を唱えだした。

『ヌ? なにを』
「『戦に立ち向かう者に』『拳を握り挑む者に』」

彼が苦手とする魔法の一つである。魔力コントロールが重要な魔法な為、ジークは滅多に使おうとはしなかった。

「『豊かなる英炎の加護を』『力ある炎拳の加護を』」

だが、効果は絶大であった。修業時代、師匠の仲間の一人が使っていたのを真似た。格闘戦の際、何度かこの魔法で助けられた。

「『詠みを唱い』『そして願え』っ!」

魔法が通じない。魔法耐性が途轍もないこのクマに対してジークは─────

「『炎霊エンレイ合唱ガッショウ』ッ!!」

拳と拳とのぶつかり合いを。接近戦での格闘を選択した。

『なんダ? その姿は』
「ハ─────! ハ──────!」

漏れるクマの呟きにジークは反応しない。大きく息を吐き、体から吹き出る大きな力を馴染ませてる。

本人は気づいてないが、『炎霊の合唱』の発動の反動で纏っていたジョドの姿───『偽装変装』が解けてしまった。

『どうなっている。さっきまでの姿は魔法だったのか?』

クマの視界に改めて現れたのは、先程とは違う黒い髪と全く違う顔立ちの男。服装も変わっており、ローブから白のシャツへとなっていたが。

クマが気にしていたのはそこではない。

(ナンダ? この魔力・・……)

クマが注目していたのは、纏っていた身体強化の赤い魔力、『身体強化・火の型ブースト・ファイヤ』のオーラを塗り潰すほどの赤く濃いオーラである。

『っ……』

オーラの大きさはさっきまでの比ではない。視認できるほどの魔力とその大きさに無意識に足を後退させてしまうクマ。

だが、もう一つ気になることがあった。

『なぜ魔力が感じないんだ? 視認できるほど溢れ出ているというのに』
「……」

そう。ここまで莫大な魔力のオーラが立ち上っているのに対して、ジークから一切の魔力を感知出来ないでいた。

『人間……オマエはいった「あ、『偽装変装ハロウィンハロー』が解けてるわ。いけないけない」…………』

動揺したクマの声に重ねるように口を開いた。ようやく変装魔法が解けてることに気がついたようだ。

『……』
「アハハハっ、やっちったよ」

まさかこのタイミングで言葉を遮られると思わなかったクマ。呆然としてから笑いするジークを見る。

……そして少しずつまた怒りの感情が戻ってきた。

「まぁこのままでいいか、あはははっ、ん? ……どうした?」
 『ぶっつぶす』
「なんで!?」

急に怒気を放ち始めたクマに驚くジーク。なにがいけなかったか、分かってない顔だ。

そして、ジークとクマの最終対決が開始された。

『見てくれが変わろうが、人間ッ! キサマの力量は既に把握した!』

力勝負ならまだ負けていない。少なくともこの時のクマはそう確信していた。

「それは、どうか……なッ!」

しかし、相性が悪くても精霊の加護を纏った今のジーク相手では、一種の魔物であるクマでは、もうどうにか出来るレベルを超えてしまった。

『ギャフッ!?』
「ラァッ!」
『ギャンッ!?』

近接での戦闘が開始されてすぐ、今度はジークがクマを圧倒していた。
再び恐るべき動物虐待が開始されたが。

『ぐっ、グガアアアッ!!』

急にジークが放つ打撃の威力が跳ね上がったことに狼狽しながらも、どうにか体勢を立て直してクマは、迎え撃つようにして衝撃波を放つが。

「───無駄だ」

ジークの体から溢れ出る火炎によって、いとも容易く遮られてしまった。
直撃した衝撃波は、纏っている火炎を少し波打つだけであり、ジークの体は微動だにしなかった。

『ぐッ!? なんだと……!』
「悪い。この状態の俺には、物理攻撃は効かないんだ」

火系統Sランク魔法『炎霊の合唱』は、身体能力の強化と火属性の付与させる精霊魔法。
それは先程までの『身体強化・火の型』とは比べものにならないレベル。最高位の火の身体強化に匹敵する火の精霊の力をその身に纏っていた。

(最高位のだと加減が本当に無理だから、消耗が半端ないがこっちの方がマシだ)

この瞬間だけ自身の体を精霊王クラスにまで格上げした。
この状態の彼に攻撃を与えたいのなら、ほぼ不可能であるが魔法での攻撃を加えるか、あるいは精霊の力で戦うしかない。

(このモードの特権がここに来て役立つとはな)

が、物理攻撃一筋このクマに、ジークの魔力異質を超えるほどのチカラなど、果たして持ち合わせているかどうか。

「シッ!」
『ゲホッ! 〜〜〜ち、力が上がってるだと!?』
「そういう魔法……さッ!」
『ガッ、ホ──────!?!?』

この効果で跳ね上がった火力でクマを追い詰める。クマの方は完全に力負けをしていた。

「『火打・連撃』」
『アバババババババババッ!?』

──────顔は腹などを火炎の拳で殴りまくる。

「『火炎脚・乱舞』」
『ぶ、ボ、ブ、ベ、ボ、ベッ!?』

──────火炎の脚蹴り乱れ打ちでサッカーボールのようにクマを蹴っ飛ばす。連続で容赦なく。

『がっ……。ちょっ、ちょとまって』
「『火炎の突槍フィアンマ・ランサー』ァァァ───!!」
『ギャアアアアアアアア!?』

トドメに彼自身の魔力だけでなく、『炎霊の合唱』の効果でさらにパワーアップした中級魔法の槍でクマの腹に刺して爆破させた。

『ヌァァァァァッッ!?』

(これでも消滅しないのか!? なんて体してんだよ!?)

その反動で周囲の残り技や草などが一斉に散るが、森の一部がもうどう見ても荒野であった。

『ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ!』
「……いくら何でもタフ過ぎないか?」

なんだか殴る拳や脚が痛くなってきた気がした。自身の体が痛むほどボコボコにしているのに、全然倒れる気配がないクマ。

(もう魔物と対峙している気分じゃなくて、チンピラの相手してる気分だ。……執念しつこ過ぎる!)

さすがに呆れてきた。ジトーとした目で身体中から煙を上げるクマを見る。ついでに汗で服がへばりついて気持ち悪い。

(温度調整も難しいからこのモードは嫌いなんだ。ていうか精霊関係の魔法は全般嫌いだけどな!)

『ヌアアアアアアア!! キサマッ!?』

その無遠慮な視線にムカッときたか、クマが息切らしながら激昂をあげた。

『鬼かキサマは!? ほ、本当に人間か!? 魔族にも匹敵する外道ぶりだぞ!?』

魔物から外道扱いされた。あと滅多に遭遇しない他種族の魔族と比べられても困る。

『この鬼畜ッ! 外道ッ! 悪魔ッ! 魔王メェッ!』
「(…………カチン)」

理不尽なクマから罵倒終了後。ジークは無言まま『炎霊の合唱』の加護が備わった火炎を拳に集中させた。

(黙らせる)

その場で跳び空中でクマの頭上を見下ろし、最近親しくなった? 教師がよく自分にしてくる拳骨の要領で拳をクマに頭部に向けて振り下ろした。

「くらえ。グレートダイナミックローリングスペシャリティッ!!」
『な、何を……ァ───!? や、ヤメロォォォォォォォ────!?』

およそ五分間、一切手を抜かず、クマに攻撃が続けたのだった。


◇◇◇


『ハァ……ハァ……。も、もういい』
「───ん?」

続いて回し蹴りを─────というところで突然クマが何か呟いた。

『っ、我の負けだ……』
「へ? え!?」

なぜか急に大人しくなったクマが項垂れるようにして口にした一言に、ジークは驚きを隠せなかった 。

『もう我の負けでいい。ここまで戦ってみてオマエの底の無さにもう戦える気が失せてしまった』
「え、え〜と……」

どうやらジークのほぼ無敵状態にすっかり戦意を喪失してしまったが、当のジークは言葉を濁してしまう。

(何、この不満感は……?)

どうも納得がいかなかった。
『炎霊の合唱』を発動したおかげで、最初の時とは打って変わってクマを圧倒する結果とはなったが、残念ながら致命的な攻撃を与えられてない。

(ここまでやってこれで終わりとか、アリなのか?)

先程までの五分間、ひたすら攻撃を与え続けた。
しかし、クマの体には目立った傷などはほとんどない。

(火傷はあるが、ほぼ軽傷だ。槍も刺さったように見えたが、火傷があるだけで貫通できてない)

一体どれほどの魔力耐性が備わった体なのか、ジークはいよいよ、切り札とも呼べるオリジナルを使おうか迷っていた時にこのクマのセリフであった。

「俺は引き分けでも……」
『どうあって倒せる気がしないんだ!』
「はぁ」

もうこれでいいのか、とジークは疑問を浮かべるが、本人もこれ以上戦闘してもしょうがないだろうと諦めている。
何処どなく不満感あるが、ジークも身体に纏った『炎霊の合唱』をそのままにして構えを解いた。

『まったく。─────こんな敗北感なぞ、《魔女》のヤツと戦ったとき以来だ』
「へぇ……………………─────」

不満を吐き捨てて言ったクマに、ジークは目を何度も瞬きした。

「な、なあクマさん」
『ん?』

若干狼狽した表情のジークは、震える口で恐る恐る尋ねてみた。

「その今言った《魔女》って、もしかして、もしかしなくてもシャリアさんのこと? ていうか知り合い?」
『あ、そうだが?』
「────」

クマの返答に今度は、別の意味で汗を掻く。
しかも、今回のさっきよりも桁外れに。

(おい)

なんの迷いもなく頷くクマを見て、ジークも本当なのだと予想した。

(へぇー)

しかし、だとしたら色々と不可解な話があるので、引き続き慎重に質問を試みることにした。

「ちなみにシャリアさんは、あなたが『森の道ここ』に住み着いてることは?」
『知っておるぞ。というか、ここで住んでいいと奴が言ったから、安心して住んでいるんだ』
「それっていつ頃から?」
『十年以上前だ』
「ここのところ人とかに会ったりした? もしくは戦ったりとか」
『ん? ──ああ、何度かな。我の巨体を見て逃げる奴とか、攻撃してくる奴とかがいたな』

まあ攻撃してきても威嚇して追い払ったがな。と続けて口にするクマを他所に、ジークは最近よく起こる頭痛に襲われていた。おもにシャリアが関連している時に起こるヤツである。

(なるほど、つまりこれはアレだ。いつものやつか)

『それで最近地上が喧しくて寝むれないから、ここ数日は土の中で眠っていた。……だがそこで』
「俺が見つけてしまったと」
『……』

無言で見詰めてくるクマにジークは冷や汗を掻く。どう考えも自分が悪いじゃないかと。
なので恨めしそうに見詰めてくるクマに謝罪しようと一歩前に出たのだが、その前にクマから話が飛んできた。

『まあそれはいい、済んだことだ。……それより一つ貴様に聞きたい。────なぜ本気を出さなかった?』
「はぁ?」

言ってる意味が分からず、突然の質問姿勢のクマに困惑するジーク。

『オマエがその気になれば、我を消し去る程度の魔法、簡単に出せたのではないか?』
「あーまあ……」

探るように言ってくるクマを見て、なにを訊かれているのか気がついたジークは、苦い顔して曖昧に答えてしまう。

(見抜かれたか、やっぱりただの魔物じゃないな)

────クマの言う通り、選択の余地は確かにあったのだ。だがジークは、それを答えようとはしない。

『答えられないことか?』

言葉を紡ぐジークにクマは鋭い目付きをして問い掛けるが。

「そう……だな」

やはりジークは答えず、あくまでいつもように、のほほんとした笑みを浮かべる。────そう、いつものように。

「気が向いたら教えるよ」

そして、次にジークが口にした言葉にクマはしらけきった目をして溜息を吐く。

『嘘くさい顔だな。人間とは、もっと表情を隠すのに長けたずる賢い種族だと思ったが』
「あはははは」
『嗤えとらんぞ』

結局その後ギルド会館に戻ったジークが、シャリアにクマことクーについて問い質したところ、シャリアがあさり認めたので、ここ最近の《暴君》の事件についても問い質してみた。

「な───なんだとぉぉぉぉ!?」

するとシャリアは目を見開き同時に“や、やってしまった!!”みたいな顔へと変わった。その表情を見てジークはやっぱりなにかしたなと思ったが、特に指摘しなかった。

「す、すまん。じ、実はアイツの保護責任は私に一任されているんだ」

といって、なんと一年に一度出さないといけない、クマの討伐禁止申請の更新を忘れていたとのたまったのだ。

この申請は十年前から街の騎士団の団長と協同して行われており、シャリアが毎年更新をして街の者や外から来る者に向けて、特定のエリアに近付かないように厳重注意をしてきたが。

「そ、その何というか……わ、忘れたというわけでは」

今年の申請についてはすっかり忘れてしまっていたようで、討伐禁止の指示が解除されてしまった。

「……」
「うっ、そ、そんな目で見んでくれぇぇぇ友よぉ〜」

これにはさすがのジークも無表情となり、無言で焦るシャリアを睨んでしまった。その視線に滝のように汗を流すシャリアだが、ジークは遠慮しない。

「ほぅ? その話、もっと詳しくお聞かせ頂けますか? マスターァ?」

ちなみにその事実を隣で聞いていたキリアの眉間に、微かにしわが出来ていたのをジークは横目で確かに見えた。
アレは頭痛の兆しだなぁと心の中で哀れに思うが、これについても特に口にはしなかった。


こうして《暴君》ことクマのクーとの戦いは幕を閉じたのであった。


後日、反省としてジークは大量の魚を持参して、彼が住みやすい環境を自身の魔法を駆使して用意した。のちに自分の修業場兼隠れ家となるのだが。

シャリアは被害にあった者たちに自腹で多額の慰謝料を支払い、財布のガマ口が緩くなって涙目なるのだが、これらについてはまた先の話。……というかどうでもいい話である。

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