For Your Smile~君の心を救う~
21
僕は一瞬何が起きたか分からなかった。
凜華が僕が考えている事を悟り、僕のために泣いてくれた。そんな妹が••••••。
ぼ、僕にキス!?
頭が真っ白になっている僕に凜華は続けて言う。
「助けてもらった日から好きです。付き合ってください」
10秒ほど呆気にとられたが僕は正気に戻り、そして迷った。確かに凜華は可愛いと思うし、僕の事をちゃんと見てくれているので僕にとってはとても良いパートナーとなると思う。
でも、今まで妹として見ていたので恋愛感情とかもないし、僕は凜華と陽馬に隠していることがあるのだ。
「別に急いでいるわけではないので応えを急ぐ必要はないです。そ、それでは私は先に家に帰ります!」
僕が悩んでいるとそれに気づいた凜華が気を利かせてこの場から立ち去った。いや、恥ずかしくて、この場から離れたかったのかもしれない。
その選択は僕にとって、考える時間を与えてくれたのでとてもありがたかった。
僕は花火を見ながらどう応えるか考える。
「やっぱり、悩んでいるみたいだな」
告白の事を考えているといつの間にか隣にニヤニヤした奏介が座っていた。
僕は奏介が座ることにも気がつかないほど集中していたのだろう。
「••••••僕は、どうしたらいいと思う?」
「そうだな。俺は別に2人にあの事を言っても大丈夫だと思うぞ」
奏介はそう穏やかな声で言う。
「で、でも」
「嫌われるって思っているのか?」
奏介のその言葉に僕は唾を飲む。
図星である。その事を言って陽馬と凜華に嫌われたくない。そう僕は思っている。
「湊はそれでいいのか?」
「えっ?」
いきなり奏介が真面目な雰囲気を漂わせ僕は驚く。
「湊はさ、本当にそれでいいのか?2人に何も告げず、2人を残してこの世を去っていいのか?また2人を孤独にしていいのか?」
奏介の言葉が僕の心に染みる。
そうだ。このまま何も告げずに消えたら陽馬と凜華はどう思うのか、それを僕は考えていなかった。
「あのな。突然いなくなるのは辛いんだぞ。湊がいなくなったらもう一生、アイツらは湊と会話、生活、体験を共にできないんだ。それがどれだけ辛いか、湊なら分かるよな」
「••••••あぁ」
「それを踏まえた上で考えればいいんじゃね?まぁ、答えは湊次第だけどな。お前の好きなようにすればいいさ。俺的には湊に青春を謳歌してほしいけどな」
そう笑いながら言う奏介に勇気を貰った。そして、僕は決心してベンチから立ち上がる。
「お悩み相談はもういいのか?」
「あぁ、ありがとうな」
「どういたしまして。これからが本番なんだから頑張れよ」
いつの間にか打ち上げ花火が終わっていた静けさのある空の下、奏介の言葉に心を押されながら僕は帰路を辿った。
凜華が僕が考えている事を悟り、僕のために泣いてくれた。そんな妹が••••••。
ぼ、僕にキス!?
頭が真っ白になっている僕に凜華は続けて言う。
「助けてもらった日から好きです。付き合ってください」
10秒ほど呆気にとられたが僕は正気に戻り、そして迷った。確かに凜華は可愛いと思うし、僕の事をちゃんと見てくれているので僕にとってはとても良いパートナーとなると思う。
でも、今まで妹として見ていたので恋愛感情とかもないし、僕は凜華と陽馬に隠していることがあるのだ。
「別に急いでいるわけではないので応えを急ぐ必要はないです。そ、それでは私は先に家に帰ります!」
僕が悩んでいるとそれに気づいた凜華が気を利かせてこの場から立ち去った。いや、恥ずかしくて、この場から離れたかったのかもしれない。
その選択は僕にとって、考える時間を与えてくれたのでとてもありがたかった。
僕は花火を見ながらどう応えるか考える。
「やっぱり、悩んでいるみたいだな」
告白の事を考えているといつの間にか隣にニヤニヤした奏介が座っていた。
僕は奏介が座ることにも気がつかないほど集中していたのだろう。
「••••••僕は、どうしたらいいと思う?」
「そうだな。俺は別に2人にあの事を言っても大丈夫だと思うぞ」
奏介はそう穏やかな声で言う。
「で、でも」
「嫌われるって思っているのか?」
奏介のその言葉に僕は唾を飲む。
図星である。その事を言って陽馬と凜華に嫌われたくない。そう僕は思っている。
「湊はそれでいいのか?」
「えっ?」
いきなり奏介が真面目な雰囲気を漂わせ僕は驚く。
「湊はさ、本当にそれでいいのか?2人に何も告げず、2人を残してこの世を去っていいのか?また2人を孤独にしていいのか?」
奏介の言葉が僕の心に染みる。
そうだ。このまま何も告げずに消えたら陽馬と凜華はどう思うのか、それを僕は考えていなかった。
「あのな。突然いなくなるのは辛いんだぞ。湊がいなくなったらもう一生、アイツらは湊と会話、生活、体験を共にできないんだ。それがどれだけ辛いか、湊なら分かるよな」
「••••••あぁ」
「それを踏まえた上で考えればいいんじゃね?まぁ、答えは湊次第だけどな。お前の好きなようにすればいいさ。俺的には湊に青春を謳歌してほしいけどな」
そう笑いながら言う奏介に勇気を貰った。そして、僕は決心してベンチから立ち上がる。
「お悩み相談はもういいのか?」
「あぁ、ありがとうな」
「どういたしまして。これからが本番なんだから頑張れよ」
いつの間にか打ち上げ花火が終わっていた静けさのある空の下、奏介の言葉に心を押されながら僕は帰路を辿った。
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