For Your Smile~君の心を救う~

河野原ぺこ@垢停止中

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 陽馬と凛華がこの天命高校に来てから1ヶ月が経過した。この高校は2人が通っていた中学校の近くでもあるので2人の友達も結構いるみたい。

「••••••仲良くやってるかな?」
「玲奈がいるから大丈夫だろ?心配なら見に行けばいいだろ?」
「いや、それは恥ずかしい」
「それなら、昼飯誘えば?まぁ、全部湊が作った料理だろうから3人共中身が同じだろうけど」
「そうするよ。それと、全員中身が同じなのは仕方がないの」

 僕はそう言うと教室を出た。今は休憩時間なので、凛華と陽馬の教室へ向かった。

「凛華。いますか?」

 僕は凛華の教室に行き、近くに居た女子に聞く。その子はなんか怒りながら凛華を呼んできてくれた。

 一旦、どうしたんだろう?なんか、僕悪い事したかな?

「なんですか?」
「お昼一緒にどう?陽馬も呼んで」

 少し考えた後、凛華は「行きます」と答えた。

「それじゃあ、お昼休憩の時に中庭で」

 僕は笑顔で凛華に手を振って、次に陽馬のクラスへ向かった。

「兄貴!?」

 僕が陽馬のクラスの前に着いた時、クラスから手を振る陽馬が居た。そして、陽馬は僕の方へ走ってきた。

「なんかようか?」
「クラスではいつもこんな感じなの?」
「そう。最近、慣れてきた」

 陽馬がクラスに慣れて大声を出せるようなった事が嬉しい。

「それで用事は?」
「あ、そうそう。お昼、一緒に食べない?凛華も呼んで」
「分かった。何処に行けばいい?」
「それじゃあ、中庭に」
「了解。玲奈ちゃんも誘っていい?」
「いいよ。玲奈ちゃんも呼ぶなら奏介も呼ぶか。それじゃあ、お昼休憩に」

 僕はそう言い、自分のクラスへ戻る。教室に戻ると奏介の元へ向かった。

「どうだった?」
「2人共誘えたよ。奏介もお昼どう?」
「勿論、行くに決まってるだろ」
「それじゃあ、一緒に行こうか」
「おう」

 退屈な授業を聞いて黒板に書いてある事をノートにまとめていたら、あっという間にお昼休憩になった。

 僕と奏介は中庭へ向かった。中庭には既に凛華と陽馬、玲奈ちゃんが待っていた。

「お待たせ」
「待ったか?」

 俺と奏介は3人のところへ向かって声をかける。

「今、来たところです」
「陽馬君に誘われて来ちゃいました」

 玲奈ちゃんの言葉で陽馬の頬が少し赤らむ。この時、僕は気づいてしまった。

 これ、陽馬。玲奈ちゃんの事、好きじゃない?あぁ、だから玲奈ちゃん誘っていいか聞いたのか。なるほど、理解。

「なんだ?湊食べないのか?」

 陽馬の事を考えてると奏介が聞いてきた。

「ん?あぁ、食べる食べる。いただきます」

 僕は陽馬の事を考えてるのを一旦やめてご飯を食べる。

「ちょっと聞きたいんだけど、凛華、学校どうだ?」
「••••••まぁ。楽しいです。皆仲良くしてくれますし」
「そうか」

 よかった。中学校では仲良くできても高校ではどうなるか分からないからな••••••。仲良くできているぽいしひとまず安心した。

 その後、僕達は昼時のランチを存分に楽しんだ。

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