【完結】幼馴染の専業ニセ嫁始めましたが、どうやらニセ夫の溺愛は本物のようです
最終・旦那様(本物)に愛された嫁(本物)のお話は、大団円を迎えます。・その6
「伊織。どうか、私と結婚して欲しい。必ず幸せにする。一生、伊織だけを大切にすると、この場で宣言する!」
えっ。何、それ。
よく通る低い声で、こんな・・・・何百人もが一斉注目している場所で・・・・!
頭が真っ白になったが、これ・・・・もしかしてこの演出・・・・――二人で式場探して決める時、結婚雑誌のひとつに、教会式での決まりや進行の他にサプライズ演出たるものがある、と書かれていて、一生心に残る挙式にするには、みたいな項目が色々とあったのを思い出した。
その中のひとつに、入場時に新郎が新婦に再度プロポーズし、ゲストに祝福してもらうというものがあった。
こんなの素敵だね、きっと一生忘れられないサプライズだよ、って私が言ったことを、一矢は覚えていたんだ――
「伊織は、絶望しか無かった幼い私の心の支えだった。お前がいたからこそ、私は今日までやって来れたのだ。それは今までも、そしてこれからも変わらない。伊織。ずっと私の傍で笑っていてくれ。私の幸せの傍には、お前がいなくては始まらない。そして、私を伊織の本当の家族にして欲しい。一平や美佐江を父や母と呼び、美緒や琥太郎や倫太郎や雄太郎や明奈と、本当の兄妹になりたいと思っている」
「はいっ! 私も一生、一矢だけを大切にします。本当の家族になりましょう! ふつつか者ですが、よろしくお願いします!!」
即答した。何も迷う事なんかない。
一矢は、私の全てだ。彼を愛し支え、家族である事をずっと願ってきた。
今までも、そしてこれからも変わらない。
「さあ、愛しき人よ。これより神の前で、一生の愛を誓い合おう」
手を差し伸べられた。まだバージンロードを歩いてもいないのに、もう、一矢が目の前にいてくれて、家族になるとみんなの前で誓ってくれて・・・・。
こんな素敵な演出してくれる旦那様に愛されて、私は本当に幸せ者だ。
「一緒に歩きましょう。家族全員で」
一矢とお父さんにエスコートしてもらい、私はみんなに祝福されて、バージンロードを歩いた。
家族に背を向けられ、幼い頃は絶望を知り、手を伸ばしても家族の幸せを手に入れる事ができなかった旦那様。
そんな彼を一生、私は大切に、大切に愛していくだろう。
時には喧嘩もするだろうけれど、でも、今日この人生の門出の日を思い出して
これからは二人で手を取り合い、家族と共に、幸せな未来へ歩いていくから――
-完-
最後までのご愛読・ご声援、誠にありがとうございました。
また次回作でお会いしましょう!!
「恋愛」の人気作品
書籍化作品
-
-
0
-
-
3
-
-
127
-
-
440
-
-
22803
-
-
516
-
-
3395
-
-
52
-
-
1978
コメント