【完結】幼馴染の専業ニセ嫁始めましたが、どうやらニセ夫の溺愛は本物のようです
14.旦那様(本物に昇格!)の溺愛はどう見ても本物で、全く止まる気配がございません!・その6
カウンターからよく見える、一番テーブルに彼らは座った。他のテーブルに座っている女性客がチラチラ彼らを見ている。スーツでバシっと決まっているし、カッコイイもんねえええ。ああ、絵面がうちの定食屋に似つかわしくないわああー。
お父さんに揚場を譲ってもらって、ランチ用の小さいハンバーグもグリルにかけて焼き、同時に出せるようにした。
ハンバーグはサービスだけれど、中松にだけ持っていったら絶対に今日の夜、旦那様(本物)にお仕置きされちゃうから、二個作ってそれぞれに持っていくように美緒に頼んだ。
平日なので洋食屋の定食で夕飯を食べる人は少ない。一矢と中松のオーダーを作った後、最後にからあげ定食とエビ天定食が入ったので、それも私が作って仕上げた。今日のオーダーはこれで終わりね。
美緒はカウンターの前に立って、一番テーブルをうっとり見つめている。中松が背を向けていて、一矢がこちらを向いているという向かい合わせの絵面。はああー。ため息出るね。
「中松さんて、何であんなにカッコイイのおー」
美緒が両頬に手を当て、ひたすらため息を吐いている。うん、そうだね。カッコイイね、と同調しておいた。私は断然、一矢(旦那様)派ですけどね!
姉妹で好きになった男を取り合うような事にならなくてよかったわ。
「えー、美緒はミチ君の事が好きなんだぁー」
女子トークへお母さんが嬉しそうに割って入ってきた。ていうか、道弘だからミチくん・・・・。その呼び名、中松に結びつかなくて全然ピンと来なくて笑える。
「カッコイイよねえー。イチ君もミチ君も」
「俺の事忘れないでくれよ、美佐江(ハニー)」
お父さんが耳ざとくお母さんの声を聞きつけ、割り込んで来た。
「ん、もう。私が一番好きなのは、パパ(ダーリン)だけよ」
うげー。始まった。この二人、何時までもラブラブなんだから。
「もう、まだお客さんいるんだから、奥でやってよ。片付けしておくから」
裏口から二階へ行くように促し、二人を店内から追い出した。
「二人は相変わらずだな。何とも羨ましい光景だ」
定食を食べ終わったので、一矢がカウンターの方へやって来た。さっきの光景を微笑ましく思ったのか、優しく笑っている。
「恥ずかし過ぎるわよ。所かまわずよ?」
「私もそうでありたいが、いけないか?」
「いや、嬉しいけど、ここでは止めて・・・・。まだお客様がいらっしゃるし、恰好もこんなだし・・・・」
グリーンバンブーのロゴが入った、緑色のエプロンに三角巾と相当所帯じみた恰好なのに、ブリオーニのスーツが決まった旦那様(本物)が傍で迫ってくるとか、このレベル差に私が悲しくなるから止めて欲しい。
お父さんに揚場を譲ってもらって、ランチ用の小さいハンバーグもグリルにかけて焼き、同時に出せるようにした。
ハンバーグはサービスだけれど、中松にだけ持っていったら絶対に今日の夜、旦那様(本物)にお仕置きされちゃうから、二個作ってそれぞれに持っていくように美緒に頼んだ。
平日なので洋食屋の定食で夕飯を食べる人は少ない。一矢と中松のオーダーを作った後、最後にからあげ定食とエビ天定食が入ったので、それも私が作って仕上げた。今日のオーダーはこれで終わりね。
美緒はカウンターの前に立って、一番テーブルをうっとり見つめている。中松が背を向けていて、一矢がこちらを向いているという向かい合わせの絵面。はああー。ため息出るね。
「中松さんて、何であんなにカッコイイのおー」
美緒が両頬に手を当て、ひたすらため息を吐いている。うん、そうだね。カッコイイね、と同調しておいた。私は断然、一矢(旦那様)派ですけどね!
姉妹で好きになった男を取り合うような事にならなくてよかったわ。
「えー、美緒はミチ君の事が好きなんだぁー」
女子トークへお母さんが嬉しそうに割って入ってきた。ていうか、道弘だからミチくん・・・・。その呼び名、中松に結びつかなくて全然ピンと来なくて笑える。
「カッコイイよねえー。イチ君もミチ君も」
「俺の事忘れないでくれよ、美佐江(ハニー)」
お父さんが耳ざとくお母さんの声を聞きつけ、割り込んで来た。
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うげー。始まった。この二人、何時までもラブラブなんだから。
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