【完結】幼馴染の専業ニセ嫁始めましたが、どうやらニセ夫の溺愛は本物のようです
8.ニセ嫁、旦那様(ニセ)の為に、腕を振るって愛妻弁当を作ります。・その3
朝から鬼にしごかれ、へとへとになった。朝の修業でこれだ。身体は持つのだろうか。まだ朝が始まったばかりだというのに。そしてこれがあと一か月弱も続くのだと思うと、ため息しか出ない。鬼に見つかるとうるさいから、隠れてこっそり長いため息をついた。
ため息をつきながら、思い出したことがある。
「あっ、そういえばお弁当・・・・」
どうすればいいのかしら。土曜日は一矢のお弁当の日じゃないから良かったんだけど、平日の月曜日から金曜日までは、一矢にお弁当を頼まれている。
本日月曜日。今日はグリーンバンブーの出勤が十時四十五分頃なのよ。お弁当は何時もお店の準備をしながら、朝七時半くらいから作りだして、早めに二人分のお弁当を仕上げておくの。八時半までには一矢が中松の分も含めて二人分を取りに来るから、チンタラする事は出来ない。
「中松」
「はい、いかがされましたでしょうか」
「今日の一矢のお弁当、どうすればいいの? 貴方の分のお弁当も」
「恐れ入りますが、こちらとしては、伊織様にお作り頂きたい所存でございます。伊織様がおっしゃって頂けなかったら、恐らく一矢様からお願いがあったと思います」
お願いきた! ふふっ。中松に土下座させちゃおうかしら!
作って欲しけりゃ、私に頭下げなさいよーって!
「嫌って言ったら?」
さあ、中松どうするぅ?
場合によっては、土下座よ!
ど・げ・ざ!! ど・げ・ざ!!
私の中で早くも土下座コールが鳴り響いた。
「ご冗談を」鼻で笑われた。「一矢様たってのご希望を、伊織様が無下に却下されると、そういう見解でございますが、異存はございませんね? それを一矢様に申し伝えても、良いという事でお間違いないでしょうか?」
危うく、止めてくれ、と泣き土下座して謝らなければならないのは、こちらになるところだった。
悔しいが、そんな事を言ったら一矢の機嫌がたちまち悪くなるだろう。自分の立場が面倒になるというのに、この男にとっては私をやり込める方が大切なのだ。一矢が大好きだから!(←想像だけど!)
御曹司の我儘を聞くくらい、中松にとっては何てことないのだろう。
仕方なく、土下座させるのは諦めて、弁当を作る事をしぶしぶ引き受けた。
く・や・しぃ――!
何時か、何時か何時か、絶対にギャフンと言わせてやるんだから――っ!!
今日の鬼松のお弁当、日の丸弁当にしてやろうかしら。
それ、アリかも!
あと、嫌いなおかずのオンパレードで攻めるものいいわね!
今度、鬼が苦手な食べ物をリサーチしようと思う朝だった。
ため息をつきながら、思い出したことがある。
「あっ、そういえばお弁当・・・・」
どうすればいいのかしら。土曜日は一矢のお弁当の日じゃないから良かったんだけど、平日の月曜日から金曜日までは、一矢にお弁当を頼まれている。
本日月曜日。今日はグリーンバンブーの出勤が十時四十五分頃なのよ。お弁当は何時もお店の準備をしながら、朝七時半くらいから作りだして、早めに二人分のお弁当を仕上げておくの。八時半までには一矢が中松の分も含めて二人分を取りに来るから、チンタラする事は出来ない。
「中松」
「はい、いかがされましたでしょうか」
「今日の一矢のお弁当、どうすればいいの? 貴方の分のお弁当も」
「恐れ入りますが、こちらとしては、伊織様にお作り頂きたい所存でございます。伊織様がおっしゃって頂けなかったら、恐らく一矢様からお願いがあったと思います」
お願いきた! ふふっ。中松に土下座させちゃおうかしら!
作って欲しけりゃ、私に頭下げなさいよーって!
「嫌って言ったら?」
さあ、中松どうするぅ?
場合によっては、土下座よ!
ど・げ・ざ!! ど・げ・ざ!!
私の中で早くも土下座コールが鳴り響いた。
「ご冗談を」鼻で笑われた。「一矢様たってのご希望を、伊織様が無下に却下されると、そういう見解でございますが、異存はございませんね? それを一矢様に申し伝えても、良いという事でお間違いないでしょうか?」
危うく、止めてくれ、と泣き土下座して謝らなければならないのは、こちらになるところだった。
悔しいが、そんな事を言ったら一矢の機嫌がたちまち悪くなるだろう。自分の立場が面倒になるというのに、この男にとっては私をやり込める方が大切なのだ。一矢が大好きだから!(←想像だけど!)
御曹司の我儘を聞くくらい、中松にとっては何てことないのだろう。
仕方なく、土下座させるのは諦めて、弁当を作る事をしぶしぶ引き受けた。
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何時か、何時か何時か、絶対にギャフンと言わせてやるんだから――っ!!
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