シロツメクサ~裏切りの猛者~

ノベルバユーザー468731

シロツメクサ


「あれ?夏未、もしかして彼氏出来た?」
「やだ、当たり。雪ちゃんなんで分かったの。」
「ふふっ、アンタの事なんて顔みてればわかるわよ。ゆるゆるよ、表情筋。で?どんな人なの?その人。」

親友の雪ちゃんは、大学の入学式で知り合った友人だ。美人で面倒みが良くて勘が鋭く、オマケにモテる。彼氏は途切れた事がないそうだが、現在は募集中らしい。長年、年齢=彼氏いない歴だった私とは比べ物にならない位の、沢山の魅力を彼女は持っているのに、何故なのだろう。そんな彼女にズバリと言い当てられたのだから、言い逃れは出来まい、と私は馴れ初めと、彼がどういう人物か話し始めた。

「彼ね、バイト先の人なの。明るくて素直で…皆の人気者。」
「うんうん、それで?」
「私なんか相手にされないだろうなって思ってたんだけど…まず、バイト先の学生皆で遊びに行く事になって。そこから仲良くなって、実は私と同じ人見知りで、でも努力家で、好きな事には猪突猛進な人で…2人で遊びに行くようになって。」
「ふぅん…」
「それで何回か遊んでる内に私が好きになって…告白しようとしたら『待って、俺から言うよ。』って告白されて…それが─」
「昨日だったと。」
「?!っ、何で…」
「さっきも言ったけど、顔が緩んでる。こういう時のアンタは、大体前の日にいい事があった日か、当日に何か予定がある日かどっちかなのよ。それで?彼のSNSは?」
「あ、これ…」
「見せて見せて!」

雪ちゃん、彼に興味あるのかな…ちょっと嫌だな…と思うものの、彼女に嫌われたくなくて、何も言えずにその日は解散となった。

あの時、拒否していれば──────。


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