どうにもならない社長の秘密
第三章 そんな偶然ならいらない 3
「相変わらずかわいいね、光琉ちゃん」
ヒカルちゃんと呼ばれた女性は可愛らしい笑みを浮かべてクスクスと笑う。
「ありがとう、ございまーす。えっと?」
「藤村と言います。はじめまして」
「はじめましてこんにちは。秘書のキモトヒカルと言います。よろしくお願いします」
彼女はそういって名刺を差し出す。
木本光琉こと光琉ちゃんは、輝かしいばかりの笑顔を満面に浮かべて、ゆっくりと頭を下げた。
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」
光琉の後ろをついていく間、紫織はつい観察してしまう。
肩までの明るい色の髪はフワフワと毛先が内側に巻いている。淡いピンクのチークがよく似合っていて、目元はいつも笑っているように可愛らしい。
紫織が想像していた女性秘書というのは、いかにもキャリアウーマンという風に後れ毛ひとつなくひっつめた髪型のキツそうな美人だ。
勝手な想像とはいえ、彼女は随分とイメージと違う。
全身がピンク色の綿菓子で出来たように、ぽにょぽにょと柔らかそうな色白の、巨乳美人である。
――それにしても魅惑的だわ。
そう思いながら、紫織はまじまじと彼女の後姿を見た。
ツンと張った胸とは対照的に、小さくて形のよいお尻が歩く度にタイトスカートの中でプリプリと揺れている。そこから伸びる足のラインは柔らかいカーブを描き、まるでアニメの世界から飛び出したように華奢で細い足首に辿り着く。
彼女が微笑みかければ、どんな男性もイチコロだろう。
羨ましいような、なんとも複雑な気持ちで視線を外すと、ガラス窓が紫織の目に映った。
凹凸の少ない体に、自信を失った情けない表情のアラサー女子が、ジッとこちらを見ている。
――あれは誰?
どう見ても自分には違いないが、深く考えないことにして、スッと目を逸らした。
いずれにしても自分とは随分違う。同じ女としての開きに愕然とする思いで肩を落とし、隣を見上げれば、室井の目はニコニコとうれしそうに光琉ちゃんのお尻を見ていた。
――でしょうとも。……ええ わかります。
コンコン。
光琉ちゃんの可愛い手がドアをノックする。
ヒカルちゃんと呼ばれた女性は可愛らしい笑みを浮かべてクスクスと笑う。
「ありがとう、ございまーす。えっと?」
「藤村と言います。はじめまして」
「はじめましてこんにちは。秘書のキモトヒカルと言います。よろしくお願いします」
彼女はそういって名刺を差し出す。
木本光琉こと光琉ちゃんは、輝かしいばかりの笑顔を満面に浮かべて、ゆっくりと頭を下げた。
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」
光琉の後ろをついていく間、紫織はつい観察してしまう。
肩までの明るい色の髪はフワフワと毛先が内側に巻いている。淡いピンクのチークがよく似合っていて、目元はいつも笑っているように可愛らしい。
紫織が想像していた女性秘書というのは、いかにもキャリアウーマンという風に後れ毛ひとつなくひっつめた髪型のキツそうな美人だ。
勝手な想像とはいえ、彼女は随分とイメージと違う。
全身がピンク色の綿菓子で出来たように、ぽにょぽにょと柔らかそうな色白の、巨乳美人である。
――それにしても魅惑的だわ。
そう思いながら、紫織はまじまじと彼女の後姿を見た。
ツンと張った胸とは対照的に、小さくて形のよいお尻が歩く度にタイトスカートの中でプリプリと揺れている。そこから伸びる足のラインは柔らかいカーブを描き、まるでアニメの世界から飛び出したように華奢で細い足首に辿り着く。
彼女が微笑みかければ、どんな男性もイチコロだろう。
羨ましいような、なんとも複雑な気持ちで視線を外すと、ガラス窓が紫織の目に映った。
凹凸の少ない体に、自信を失った情けない表情のアラサー女子が、ジッとこちらを見ている。
――あれは誰?
どう見ても自分には違いないが、深く考えないことにして、スッと目を逸らした。
いずれにしても自分とは随分違う。同じ女としての開きに愕然とする思いで肩を落とし、隣を見上げれば、室井の目はニコニコとうれしそうに光琉ちゃんのお尻を見ていた。
――でしょうとも。……ええ わかります。
コンコン。
光琉ちゃんの可愛い手がドアをノックする。
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