帰り道の途中で、『大剣』を拾ったのですが……
未知との遭遇
「驚かせてしまったようですみません。今、テレパシーの力を使って、あなたの脳内に直接語りかけています。」
『こいつ……直接脳内に……!?』ってやつか、本当に自分が喰らうとは思ってもみなかった。
「良かった、上手く受信出来ているようです。まずはマスターのお名前をお聞きしてもよろしいですか?」
「マスター……?」
「あなたが私を拾ってくださったのですよね? 私たちは、自分のことを拾ったものを『マスター』、所有者であると認め、そのマスターの忠実なる剣として、共に戦うのです。」
「つまり、俺がお前を拾ったから、今から俺はお前の『マスター』にならなくちゃ行けないってことか?」
「ええ、システム上はそうなります。」
どうしよう、まさかこんなことになるとは思わなかった。
たしかに、俺も漫画やライトノベルなどを読みながら、『俺にもこんな類のことが起きないかな』と妄想した経験がいくつかある。
しかし、それはあくまでも妄想、本当に起きる事などありえないと理解した上での空想である。
実際に起きられると困る。戦いたい相手などもいないし、因縁の相手と呼べるような存在もいない。それなのに、こんな危ないもの、どうやって、家に置いておけようか、
「さすがにちょっと困るな……君のマスターになるのは……」
「なぜですか? 私は忠実なる剣です。いついかなる危険からも守ってみせますよ?」
「いやあのな、君は剣だから、人間の理屈は分かんないかもしんないけど、俺が剣を持つのは……その……やばいんだよ、『人の目』的な理由とか、『銃刀法違反』的な理由とか……」
ていうか、よく俺まともに剣と話ができてるな……もっと混乱するべきだろう、こういうことが起きたら。
「では、こういうのはどうでしょうか……」
「ピキーーンッ!!」
「うわぁっ!!? 」
突如剣が光りだし、目の前を閃光が包んだ。目が眩み、たまらずまぶたを閉じる。
すると……目の前から剣は消え、代わりに裸の女の子が出現した。
「マスターと同じ人間の姿を模倣して見ました。この姿でなら、人間の社会にも溶け込めます。」
「え……ああ、うん……」
普通なら、『人間になれる剣』ということを不思議がるべきなのだろうが、女性の裸体を見せられたことに動揺し、萎縮して何も言葉が出てこなくなってしまった。
「使う時だけ、剣の姿に戻ります。これなら、私を所有していただけますね?」
「う、うん、わ、わかった。」
俺は、なるべくその『箇所』を見ないようにして言った。
「では、条件をクリアしたということで、改めて、これからよろしくお願い致しますね、マスター?」
「え、えと、よろしくお願い致します」
マスターか、大丈夫だろうか、この子のマスターになって、面倒なことに巻き込まれなければいいけど、
「では、マスターと剣との関係になったからには、まずお互いのことを知る必要があります。」
「その前にまず……服じゃないかな?」
触れない方がいいのかなって思ったけど、触れるべきだよな、
「服? マスターが身にまとっていらっしゃるようなもののことでしょうか?」
「うん、ごめんね、その、今のままだと、目のやり場に困るというか……」
「生憎、そのようなものは持ち合わせていないので……」
「いいよ、貸してあげる。 ちょっとサイズ大きいかも知んないけど」
俺は洋服ダンスを漁り、なるべく不格好にならないものを彼女に手渡した。
昔着ていた黒いTシャツが1枚と、少し小さくなっていた、ジャージのズボン、
少々サイズは大きいが、『女子の部屋着』と考えたらおかしくない気はする。
本物の『女子の部屋着』を見た事ないから分かんないけど……
「あっ、そうか下着……」
姉貴のパンティーでも盗んでくるか……? やめよ、バレたら死よりも恐ろしい制裁を喰らうことだろう……
「これで、邪魔なものは目に入らなくなりましたか?」
いや邪魔って訳じゃないんだけれど……
「では、あなたの名前を教えていただけませんか?」
「俺は……草薙健……」
「草薙健様ですね、」
「そんな、様付けされるような存在でもないから……『健』でいいよ、」
「そうですね、では、人前で会話する時は『健くん』とお呼びさせていただきます。」
いいな……今まで女子に名前で呼ばれたこと無かったから、なんか少し高揚感を覚える。
「君の名前は?」
「ああ、いえ、私はあくまで剣なので、名前と言えるような名前は無いのです。」
「そ、そうなんだ……」
そうだよな、何となくそうなる気がしていた。
「一応、『思う剣』との分類を受けています。」
「『思う剣』?」
「神は私たちを創った際、それぞれの剣に才を分け与えたのです。私に与えられたのは、思考力を持つ『人間』と同じように、知性を持って思考し、知識を手に入れる能力、故に私は『思う剣』なのです。」
「へ、へぇ~……」
なんか、分からないけど、凄そうなのはわかった……
「神が創ったんだ、君のこと、」
「ええ、そこでお願いがあるのです。」
「お願い?」
「私の同胞である、他の剣を集めて欲しいのです。」
『こいつ……直接脳内に……!?』ってやつか、本当に自分が喰らうとは思ってもみなかった。
「良かった、上手く受信出来ているようです。まずはマスターのお名前をお聞きしてもよろしいですか?」
「マスター……?」
「あなたが私を拾ってくださったのですよね? 私たちは、自分のことを拾ったものを『マスター』、所有者であると認め、そのマスターの忠実なる剣として、共に戦うのです。」
「つまり、俺がお前を拾ったから、今から俺はお前の『マスター』にならなくちゃ行けないってことか?」
「ええ、システム上はそうなります。」
どうしよう、まさかこんなことになるとは思わなかった。
たしかに、俺も漫画やライトノベルなどを読みながら、『俺にもこんな類のことが起きないかな』と妄想した経験がいくつかある。
しかし、それはあくまでも妄想、本当に起きる事などありえないと理解した上での空想である。
実際に起きられると困る。戦いたい相手などもいないし、因縁の相手と呼べるような存在もいない。それなのに、こんな危ないもの、どうやって、家に置いておけようか、
「さすがにちょっと困るな……君のマスターになるのは……」
「なぜですか? 私は忠実なる剣です。いついかなる危険からも守ってみせますよ?」
「いやあのな、君は剣だから、人間の理屈は分かんないかもしんないけど、俺が剣を持つのは……その……やばいんだよ、『人の目』的な理由とか、『銃刀法違反』的な理由とか……」
ていうか、よく俺まともに剣と話ができてるな……もっと混乱するべきだろう、こういうことが起きたら。
「では、こういうのはどうでしょうか……」
「ピキーーンッ!!」
「うわぁっ!!? 」
突如剣が光りだし、目の前を閃光が包んだ。目が眩み、たまらずまぶたを閉じる。
すると……目の前から剣は消え、代わりに裸の女の子が出現した。
「マスターと同じ人間の姿を模倣して見ました。この姿でなら、人間の社会にも溶け込めます。」
「え……ああ、うん……」
普通なら、『人間になれる剣』ということを不思議がるべきなのだろうが、女性の裸体を見せられたことに動揺し、萎縮して何も言葉が出てこなくなってしまった。
「使う時だけ、剣の姿に戻ります。これなら、私を所有していただけますね?」
「う、うん、わ、わかった。」
俺は、なるべくその『箇所』を見ないようにして言った。
「では、条件をクリアしたということで、改めて、これからよろしくお願い致しますね、マスター?」
「え、えと、よろしくお願い致します」
マスターか、大丈夫だろうか、この子のマスターになって、面倒なことに巻き込まれなければいいけど、
「では、マスターと剣との関係になったからには、まずお互いのことを知る必要があります。」
「その前にまず……服じゃないかな?」
触れない方がいいのかなって思ったけど、触れるべきだよな、
「服? マスターが身にまとっていらっしゃるようなもののことでしょうか?」
「うん、ごめんね、その、今のままだと、目のやり場に困るというか……」
「生憎、そのようなものは持ち合わせていないので……」
「いいよ、貸してあげる。 ちょっとサイズ大きいかも知んないけど」
俺は洋服ダンスを漁り、なるべく不格好にならないものを彼女に手渡した。
昔着ていた黒いTシャツが1枚と、少し小さくなっていた、ジャージのズボン、
少々サイズは大きいが、『女子の部屋着』と考えたらおかしくない気はする。
本物の『女子の部屋着』を見た事ないから分かんないけど……
「あっ、そうか下着……」
姉貴のパンティーでも盗んでくるか……? やめよ、バレたら死よりも恐ろしい制裁を喰らうことだろう……
「これで、邪魔なものは目に入らなくなりましたか?」
いや邪魔って訳じゃないんだけれど……
「では、あなたの名前を教えていただけませんか?」
「俺は……草薙健……」
「草薙健様ですね、」
「そんな、様付けされるような存在でもないから……『健』でいいよ、」
「そうですね、では、人前で会話する時は『健くん』とお呼びさせていただきます。」
いいな……今まで女子に名前で呼ばれたこと無かったから、なんか少し高揚感を覚える。
「君の名前は?」
「ああ、いえ、私はあくまで剣なので、名前と言えるような名前は無いのです。」
「そ、そうなんだ……」
そうだよな、何となくそうなる気がしていた。
「一応、『思う剣』との分類を受けています。」
「『思う剣』?」
「神は私たちを創った際、それぞれの剣に才を分け与えたのです。私に与えられたのは、思考力を持つ『人間』と同じように、知性を持って思考し、知識を手に入れる能力、故に私は『思う剣』なのです。」
「へ、へぇ~……」
なんか、分からないけど、凄そうなのはわかった……
「神が創ったんだ、君のこと、」
「ええ、そこでお願いがあるのです。」
「お願い?」
「私の同胞である、他の剣を集めて欲しいのです。」
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