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2度目の人生をガチャで貰ったスキルで世界最高のサッカー選手を目指す話

梅雨前線

小学生編 6 土下座と二次試験の結果

浦和レッドドラゴンズ セレクション会場


ニ次試験はこれで全て終了した。合否を決めるため一時間程待機を命じられた。


周りのセレクション生はボロ雑巾の様に疲労困憊みたいだ。


特に俺と8v8で対決したチームの選手は地面に座り込んでいる。


あそこまで心身共に擦り減らす試合は初だったのだろう。涙を流している者さえいる。


なんか悪い事をした様な、後ろめたい気持ちになる。しかし、覚悟した事だ。上に行くということはその分他の者達を蹴落とすしかない。


サッカーに関しては自己中にならなくては。


俺も例に漏れずかなり疲れている。久しぶりに使用した事とまだ体が慣れていないのもあり【ゾーン】発動後は徹夜明けの様にクタクタになる。


涙を流しながら謝ってくるセレクション生の対応もしている為、休む暇がない。


謝るのはいいけど後にしてくれとも当然言えず、泣く泣く謝罪を受けている。


ふう....朝の鬱憤も大分晴れていく。


逆にもう気にしてないから謝らないで良いと自分から言うほど中々頭を上げないざまあ君。もとい三浦君。


俺が許したことが分かったのか、堰を切ったように涙を流している。


自分に怒っているのか、それとも試合で負けた事が悔しいのか分からないが、もうざまあ君と呼ぶのは止めようと思う。


三浦君が泣き止んだと同時にコーチ陣と高級スーツを着たおじさん達が次々とセレクション会場に隣接されているビルから出て来る。


朝から言動が滑りまくりのコーチが前に出て来た。


「待たせてすまないな。まずはご苦労さま。セレクション生全員素晴らしいパフォーマンスを見せてくれてありがとう。しかし、浦和にも受け入れられる人数に限りがある。二次試験の合格者は計7名だ。2番...67番二宮ケイ、68番三浦ジュン.......。以上。この7人から漏れてしまった者はどうか俺ら浦和を見返してくれ。その時は頭を下げて、自分達の見る目が無かったと認めよう。」




よっし!合格だ。まぁ、俺合格じゃなかったら誰が合格するねんっと思ったりしてみる。


三浦君も受かったみたいだ。


同世代の奴とはあんまり連まないからこれから仲良くなって欲しいな。


許すと決めたら、過去の事はグタグタ言わない主義だからな!


俺から見ても三浦君のプレーの質は高い。安定性を感じたし、彼は多分俯瞰してフィールドを見れている。


【空間把握】で半径2メールは常に把握している。最初は1メートルしか効果が無かったが、使っている内にどんどん範囲が広がっていった。


彼は【スキル】並の精度は流石にないと思うが、かなり広範囲が視えている。視野が広いのだ。


このまま続ければいいDFに将来なるだろう。




周りのセレクション生に目を向けると、合否関わらず涙を流している。


その姿に少し動揺してしまった。


もしも、【スキル】が無かったら俺はこの場に立てただろうか、合格出来ていただろうか。


頭を振り不毛な自問自答を辞める。


よくない癖だ。コントロールできない事で悩んでいても無駄な時間を使うだけだ。


泣き崩れている多くのセレクション生を背にして三次試験の会場に向かう。


俺は他の合格者とは違う場所に向かうようだ。別の係員に案内された。




先程コーチ陣が出て来た高級感溢れるビルに入る。


良く磨かれていてピカピカの大理石を見て幾らくらいするのだろうと場違いな事を考えながら係員のあとを付いて行く。


「二宮ケイ様をここから案内させて頂きます」


温厚そうな受付の人に代わり案内され、面接室に向かう。朝もこの人が受付だったら大ごとにならなかっただろうな。


「こちらの部屋です、どうぞお入り下さい。」


入れと言われ、入室時のマナーを思い出す。


プロトコールマナーだっけ?本来は4回以上が正しいマナーだ。


初めて訪れる場所や礼儀が必要な場面4回ノックするのが国際礼儀らしい。


しかし日本では入室する時のマナーはノック3回と広く認識されているだろう。3回でいいか。


コン、コン、コンと3回叩く。


「二宮ケイです。失礼します。」


ドアを開け一礼しようとすると、




「「二宮君!すみませんでしたー!!」」


禿をサイドの髪で隠すタイプのおっさんと今日居たコーチ陣が土下座していた。


「.............失礼しました」


一瞬唖然として、まるっきり放心状態になる。少し遅れてドアを閉めてしまった。


なんだアレは...おじさんの土下座なんて何処に需要があるんだ。


受付さんも変な所に連れて来ないの〜と横にいる彼女の顔を見ると、盛大に苦笑いしている。


まっまじかー....。


天下の浦和レッドドラゴンズだぞ。


ま、待ってくれっとか部屋の中から聞こえてくる。


はぁ、入るか。


「初めまして、二宮ケイです。取り敢えず立ってください。謝罪は受けますから」


「「ほ、ほんとうか!ありがとう!」」


息ピッタリですね。


その後、ことの発端、受付が勘違いした事説明された。聞けば聞くほど呆れるほかない理由だった。


「原因は分かりました。.......それで彼はどうなるんですか?」


正直このことに関してはかなり頭に来ている。


子供であるセレクション生は自分の非を認め、頭を下げて謝って来た。子供である彼らの方が大人より分別がついている。


しかし元凶は直接謝罪もせず、上司?に頭を下げさせてる。


「彼は懲戒免職になったよ。もちろん彼直属の上司である上野君も停職処分にした。」


「へっ?」


「本当にすまなかった。子供にして良い事ではない。また彼がこの場に居ないのは目を離した隙に逃げてしまったんだ」




斜め上の処分に困惑する。厳重注意くらいか停職処分にしてやろうと思っていたが。


「パーフォーマンスではないと証明する為に、また二度と同じ事が起きないよう、ピアエヴァリュエーションを導入しようと思う」


それは前世で聞いたことがある。なんでも上司が部下を昇進させる時や、一年間の仕事の出来栄えを判断する時に使うものだ。


管理職というのは部下をマネジメントするだけではなく、商談、品質、動機、組織等あらゆるものを管理しなくてはならない。


その時に人格や素行に問題がある職員は上司が居るときは猫を被ったりして、中々罰する事ができない。


また客はサービスに不満を持っていても9割クレームをしないという研究結果も出ている。


そのためリアルな職員の仕事の質が中々管理者の者に伝わらないこともある。


噂で出世を取り消すなんて事はできないしな。


しかし狡賢い奴は何処でもいる。そのためこの評価方法は同僚に匿名で同僚の評価をするものだ。


そして上司も部下を評価し、漏れを防ぐのだ。


2つの評価方法を持ち、最終的な判断材料にする。


なるほどな。今回の件で浦和も本気を出すみたいだな。直属の上司は減給と2週間の停職処分らしい。正直異常な厳しさだと思う。


「はぁ、こちらとしてはそれで良いので、もう頭を下げるのは止めてください。」


「ありがとう。本当にすまんな。そしてどうか浦和に加入してくれ!条件は全て呑む!」


合否を伝える立場の人が頭を下げて加入してくと悲願してくる。


元々入る事を決めていたから言われなくても入るがな。まあ条件はある。


コーチ陣もこの場に居るが、そっちのけて二人で条件を詰めた。


1. 俺の練習方法は自分で決める。


2. 俺独自で考案した練習メニューは10年
間広めてはならない。


3. ジュニアを自由退団。柵は直接又は間接的にも作らない事。


4. 全ての事に対して拒否権を持てる。


5. U15&U18への加入権。


6. 浦和レッドドラゴンズ2軍選手を週3回派遣する事。


7. 6の選手達は二宮ケイに関わる全ての情報に守秘義務が課せられる。


8. 7を破った場合無期限停職処分が課される


9. 特待生としてサッカーに関わる費用を支援。実施無料。


10. 半年毎に契約更新。


11. 職員が上記を違反した場合浦和レッドドラゴンズが責任を負う。


12. 浦和レッドドラゴンズに正式加入し、J1で5年間プレイすれば幹部候補待遇を受ける。


13. その時点で浦和レッドドラゴンズの株を3%譲渡する。


これが基本的なルールだ。最後の12と13はあまりの熱意に頷いてしまった。相変わらず押しに弱いな。




契約書を貰い喜色満面でスキップしながら建物から出る。俺はまだ未成年だから親のサインを貰えば契約成立だ!こういう時は子供って不便だな。


しかも社用車もらちゃったよ〜運転手付きで〜なんか契約書には載せれないけど自由に使ってくださいだって。


どの車が良いか選んでってカタログ渡されちゃったよ〜


小学四年生に車を渡すのは浦和史上初めての事らしい。弟のワタルに自慢できるぞ!!一緒に選ぶか!


今日は自転車で帰るけどね〜ふふふふふふ最高だああ!!!


これぞサッカーでの成り上がりというやつだな。


自転車をスタンドから出し、自宅に向かう。最近家の雰囲気は少し暗い為、良いニュースで少しは元気を出して欲しいものだ。


漕ぐこと10分、家まで1キロくらいの所で男の怒鳴り声が住宅街に響く。



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