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2度目の人生をガチャで貰ったスキルで世界最高のサッカー選手を目指す話

梅雨前線

小学生編 2 セレクション開始&ステータス

浦和レッド 上野聡一郎 執務室


私の名前は上野聡一郎。FIFAワールドカップ-フランス1998年では日本代表4番を務めていた。惜しくも敗退してしまったが、それを機に引退を決意。今は浦和レッドでジュニア育成部門の部長をしている。サッカーに人生を捧げていると言っても過言ではない。


本当なら今頃監督やコーチと一緒に今年度のセレクション生を見ているはずなのだが......元凶を見て苦虫を噛み潰したような顔になってしまう。


目の前で暴言をまき散らす若造を見ていると限界だ。頭を抱えたくなる。なんでも手違いで副理事長と宿敵大宮アルディーの連盟推薦状を持ってきた二宮ケイ君を門前払いしようとしたみたいだ。


あまつさえ他のセレクション生の前で罵倒し、帰れコールまで一緒に参加したらしい。やばいこいつクビにしたい。もういいよね?


相手小学4年生だよ?なにこいつ。元々トラブルメーカーと聞いていたがここまでとは。


副理事長が嫌いなのは分かる。自分の好きな選手をもっと出せだの、何でこいつを昇格させないんだっ!とユースジュニアに怒鳴り込んで来たのは有名な話だ。


だが目の前のクズは自分は悪くないと正当化しようとしているみたいだ。しかし明らかにこちらのミスだ。いや、こいつのミスだ。紹介状というは2枚あり、本人預かりのと、受付証明書だ。当日2枚合わさって初めて紹介状として使えるのだ。


だが推薦状は違う。発行される枚数は少ないが、二宮君が提示した1枚で紹介状と同じ効力を持つ。もちろん受付証明書などいらない。紹介状の判子見て何で分からなかったんだよこの阿呆は。


なんでも二宮ケイは副理事長と大宮アルディーが日本史上最高のポテンシャル、日本の至宝と言ってもいいと豪語する子だ。


本当かどうかは定かではないが、大宮アルディーの練習生(プロになったばかりの新人)を平気で股抜きするらしい。これが本当だったら日本サッカー会に革命を起す逸材だ。今まで俺の先輩達や俺たちが果たせていない、長年追い求めているワールドカップベスト4や優勝も目指せるかもしれない。




ちっ、本当にこいつを受付にしたのは間違いだ。元ユース生や元プロなどの受け皿として多くの雇用を提供しているが流石にこいつみたいな奴はアウトだろ。人事部めしっかり仕事しろ。


はあ、それに二宮ケイ君のことは昨日のブリーフィングでしっかり伝えたのだが。こいつは一体何を聞いていた。こいつの処理は後だ。


「お前は自分が何をしたのか分かっているのか?俺が必ずお前には重い処分を下す。覚悟しろよ。さっさと出て行け。」


怒りで怒鳴り散らしたい気分を収め、仏頂面で出来るだけ冷たい声で伝える。部長職になってから学んだ特技だ。こいつに構うリソースすら勿体無い。


クソ、これで二宮君が我らレッドドラゴンズに加入してくれなかったどうするんだ。今から誤解を解くためにセレクション生に言ったとしても、またコネ呼ばわりされてしまう。
もうセレクションは始まっている。打つ手なしだ。本当にどうしたものか。




二宮君の状況や味方の雰囲気は最悪、協力プレーなんて出来ないだろう。その状況の中日本の至宝は、どのようなプレイを魅せてくれるだろうか。そう想像すると先程の鬱積も幾分か発散された気がした。


大人として最低だがこの状況をどう打開するか楽しみな自分もいる。セレクションはコーンテストを含めた基礎技術の確認、その後はチームメイトを入れ替え行うランダムミニゲーム。今から走って行けばゲームには間に合うだろう。


はたして、また副理事長の依怙贔屓か、それとも本物の才能なのか。大宮アルディーの連中も大層に推しているみたいだしな。


くぅううう!わくわくドキドキで胸がいっぱいだよおじさん。


少し火照った気持ちを落ち着かせるためか、それとも部下に対する怒りを収めるためか、聡一郎は深く息を吐く。


ふぅ......


「期待を裏切らないでくれよ」


とボソッと言うとジャケットを着て小走りで隣接してあるセレクション会場へと向かった。


中年おやじが小走りする姿は高級スーツ姿には見合わないダサいものだったが、背中からでも分かるご機嫌なご様子。






 

◆◆◆◆◆◆◆
 





セレクション開始直前。名前の順に5列に分かれる。大体グランドには100人くらい居るだろうか。また会場は関係者以外には見られないようブルーシートで区切られている。
 

二宮の「に」名前はどうやら3列目だ。何だか少し身体が硬いな。やはり試験というのはどんな形であれ緊張するものだな。
 

「...........ステータス」
 

ブゥオン
 

名前: 二宮ケイ
年齢: 9歳と1ヶ月
スキル:
【努力★】(100分の1表記)
-身体操作  250.51時間
【精密操作】
【ゾーン】New
-サッカー   175.20時間
【空間把握】New
-勉学     18.64時間
【理解】New
-水泳      12.48時間
【可動域】New
-テコンドー   6.24時間
-合気道     6.29時間
【最先端サッカー学】
【器用】




これが今のステータスだ。ここまで来るのに9年間かかったな。サッカーの累積時間は1万時間をだいぶ前に超えてしまった。身体操作に関しては2万時間強。やはりサッカーをしているとそれと同時に身体操作もカウントされる。その結果この膨大な累積時間を確保したのだ。


自分の努力の痕跡を見ると不思議と自信が出てくる。硬さが抜けていく気がするな、不思議な気持ちだ。


「しっかり並べー!よしっ。ちゃんとできてて偉いぞ。全員合格だ!と言いたいところだが、今日のセレクションでは多くて5人しか選ばん。悪いな。がっははっはははは!」


今日の試験官だろうか?まさにサッカー選手というような、すらっとしているが無駄を全て削ぎ落し、必要な筋肉だけを鍛え上げた体格。受験生の緊張を解くためだろうか、何ともつまらないジョークをかまして.....左右にいる試験官がジト目を向けてる。


その視線に気付いたのか、ゴホンっと咳払いし


「えー残酷だが知っての通り目ぼしい奴はスカウトが直接加入手続きを行っている。今ここに居るのは視察時点からの数カ月で伸びしろが見えた者達だ。さあ成果を見せてくれ。」


流石にラノベの様にここで、「ここにスカウトじゃなくて親のコネで〜.....」


とか言うやつは居らず、皆キビキビと基礎技能試験を受けるために移動した。途中で俺の靴をわざと踏もうとした奴がいたが、【空間把握】でバレバレなので逆に力を入れきった瞬間に避けて転ばせた。


なにもない所で転ぶなんてどんくさいなぁ〜と試験官にからかわれ、周りの受験生にも笑われ顔を真っ赤にしてる。クスっと笑うと睨んできた。少し涙目だな。なんだか可愛い。


さて今ので完全に硬さが取れたな。こんな感情もコントロールできない奴に負けてられん。




さて、覚悟してね。


今日の俺を止めれる奴は、多分いないから。



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