【書籍化】勤め先は社内恋愛がご法度ですが、再会した彼(上司)とまったり古民家ぐらしを始めます。
むさぼるけものと夏の夜 7 ※R-15
「…ん」
自分の頬に熱が生まれるのを感じる。恥じらいと困惑、いとおしさの混ざった感情が胸に満ちた時、彼の手があずみの腰の横からお尻にかけての線をたどった。
「んぅ…」
キスを繰り返した体は早くも敏感になっていて、くぐもった頼りない声が漏れてしまう。
創太郎はあずみの腰に手を回してさらに口づけを深めた。二人きりの空間がキスの音とお互いの息づかいで満たされて、あずみはぼうっとしてしまう。
ようやく創太郎が離れた。
「…なんて顔してるの」
低い声で言われて、「そうさせたのはあなたでしょ!」という気持ちになる。
口に出す代わりに軽くにらむと、創太郎の目に熱がこもったのがわかった。
「そんな顔されたら本当に、我慢できない」
服の裾から彼の手が入ってこようとするのを、あずみは阻止しした。
「…だめ。用事があるんでしょう。遅れないようにしないと」
創太郎が目をつむり、天を仰いだ。そうして2、3回深呼吸を繰り返した後、また正面を向く。
「…はい。行ってきます」
どうやら何かを必死に堪えることに成功したらしかった。
.
あらためて身支度を整えた創太郎は、今度はキスを一回にとどめ(かなり不服そうだった)、慌ただしく出かけて行った。
なんでも9時から始まる町内会の会合があって、最年少の創太郎はいろいろと雑務があるので早めにいかないといけないのだとか。
後片付けを買って出たあずみは食器を洗った後、自室に放ってあった荷物の整理に取りかかった。
まずは会社に着ていくためのブラウスやスカート、パンツ類を整理してハンガーラックに吊るす。古い鉄製のハンガーラックは、ホームセンターや手ごろなインテリアショップには置いていないようなシンプルかつ重厚なデザインで、すごくお洒落だった。
前に来た時は見かけなかったので、創太郎が用意してくれたのかもしれない。
これだけは持っていこうと考えて箱に詰めた、お気に入りの本や漫画を書斎の棚の空いているスペースに置かせてもらう。あれから創太郎に本のことを確認したところ、おじいさんが亡くなった時に、貴重な本はあらかた寄贈したり形見分けで譲ったりしているので、今棚にあるものは自由に読んでもらってかまわないということだった。
大学を卒業してからは忙しい会社に就職して本を読む量が減ってしまったので、これからは時間を見つけていろいろと読んでいきたい。
箱から出した物の場所を決めたり、部屋全体のレイアウトを考えたりしているとあっという間に時間が経って、もう12時近くになっている。
昼食は昨日買ってきたふのりが練りこまれたおそばにしようと、ネギやミョウガを刻んでいると、創太郎が帰ってきた。
何かやたら大きな段ボールを抱えている。
「おかえりなさい」
「ただいま。これ、うちにって。農家さんがくれた」
そう言って見せてくれたのは、ものすごい量の野菜だった。
みずみずしいスナップエンドウや小松菜、ピーマン、大きなブロッコリー、黒と緑のコントラストが鮮やかなサニーレタス、メークインのじゃがいも、にんじんや大根などなど、どれも立派なものばかりだった。
少なく見積もっても4人家族が数日かけて食べるくらいの量がある。
昨日、野菜はそんなに買わなくても良いと彼が言っていた理由はこれだったらしい。
「けっこうな頻度でこういうもらいものがあるんだよ」
「す、すごいね。がんばって美味しいうちに食べきらなきゃ」
下ごしらえして冷凍しておけば、しばらくは食事の支度が楽になりそうだ。実家を出てから新鮮な野菜のおすそわけというものを経験していなかったので、あずみは感動した。
そんなあずみを見て、創太郎が微笑む。
自分の頬に熱が生まれるのを感じる。恥じらいと困惑、いとおしさの混ざった感情が胸に満ちた時、彼の手があずみの腰の横からお尻にかけての線をたどった。
「んぅ…」
キスを繰り返した体は早くも敏感になっていて、くぐもった頼りない声が漏れてしまう。
創太郎はあずみの腰に手を回してさらに口づけを深めた。二人きりの空間がキスの音とお互いの息づかいで満たされて、あずみはぼうっとしてしまう。
ようやく創太郎が離れた。
「…なんて顔してるの」
低い声で言われて、「そうさせたのはあなたでしょ!」という気持ちになる。
口に出す代わりに軽くにらむと、創太郎の目に熱がこもったのがわかった。
「そんな顔されたら本当に、我慢できない」
服の裾から彼の手が入ってこようとするのを、あずみは阻止しした。
「…だめ。用事があるんでしょう。遅れないようにしないと」
創太郎が目をつむり、天を仰いだ。そうして2、3回深呼吸を繰り返した後、また正面を向く。
「…はい。行ってきます」
どうやら何かを必死に堪えることに成功したらしかった。
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あらためて身支度を整えた創太郎は、今度はキスを一回にとどめ(かなり不服そうだった)、慌ただしく出かけて行った。
なんでも9時から始まる町内会の会合があって、最年少の創太郎はいろいろと雑務があるので早めにいかないといけないのだとか。
後片付けを買って出たあずみは食器を洗った後、自室に放ってあった荷物の整理に取りかかった。
まずは会社に着ていくためのブラウスやスカート、パンツ類を整理してハンガーラックに吊るす。古い鉄製のハンガーラックは、ホームセンターや手ごろなインテリアショップには置いていないようなシンプルかつ重厚なデザインで、すごくお洒落だった。
前に来た時は見かけなかったので、創太郎が用意してくれたのかもしれない。
これだけは持っていこうと考えて箱に詰めた、お気に入りの本や漫画を書斎の棚の空いているスペースに置かせてもらう。あれから創太郎に本のことを確認したところ、おじいさんが亡くなった時に、貴重な本はあらかた寄贈したり形見分けで譲ったりしているので、今棚にあるものは自由に読んでもらってかまわないということだった。
大学を卒業してからは忙しい会社に就職して本を読む量が減ってしまったので、これからは時間を見つけていろいろと読んでいきたい。
箱から出した物の場所を決めたり、部屋全体のレイアウトを考えたりしているとあっという間に時間が経って、もう12時近くになっている。
昼食は昨日買ってきたふのりが練りこまれたおそばにしようと、ネギやミョウガを刻んでいると、創太郎が帰ってきた。
何かやたら大きな段ボールを抱えている。
「おかえりなさい」
「ただいま。これ、うちにって。農家さんがくれた」
そう言って見せてくれたのは、ものすごい量の野菜だった。
みずみずしいスナップエンドウや小松菜、ピーマン、大きなブロッコリー、黒と緑のコントラストが鮮やかなサニーレタス、メークインのじゃがいも、にんじんや大根などなど、どれも立派なものばかりだった。
少なく見積もっても4人家族が数日かけて食べるくらいの量がある。
昨日、野菜はそんなに買わなくても良いと彼が言っていた理由はこれだったらしい。
「けっこうな頻度でこういうもらいものがあるんだよ」
「す、すごいね。がんばって美味しいうちに食べきらなきゃ」
下ごしらえして冷凍しておけば、しばらくは食事の支度が楽になりそうだ。実家を出てから新鮮な野菜のおすそわけというものを経験していなかったので、あずみは感動した。
そんなあずみを見て、創太郎が微笑む。
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