VRゲームはこうしたら最強に成れると聞いたので〜世界を喰らい尽くす粘液〜

毒肉

#2 よし、食おう!

いきなり森の中にほっぽり出された。


さて、スライムで無双するのに必要な要素はなんだと思う?食うんだよ!敵を。


という訳で、レベル上げの為に敵を食べましょうそうしましょう。
《早食い》や《消化》《悪食》とかのスキルも同時にレベルが上がって一石二鳥だ。


丁度茂みの奥からガサガサと音が聞こえて来る。
飛び出してきたのは一角の生えた兎。


まずは鑑定だ!《鑑定》!



名前:NONAME
種族:【一角兎アルミラージ】Lv2
職業:無し
HP(体力):10
MP(魔力):2
STR(筋力):4
DEX(器用):2
AGI(俊敏):6(+2)
VIT(頑丈):3
MND(精神):2
INT(知力):2
LUK(運気):1
・種族スキル
《突進_Lv2》《嗅覚強化_Lv1》《跳躍_1》
《俊敏上昇_Lv2》《聴覚強化_Lv3》



あれ?俺より強くね?筋力と俊敏で負けてるから勝てなくね?


「キュイッ!」


「やばい!気づかれた?!」


兎は勢い良くこちらに向かって突進して来る。
避け切れない!


「ッ!《毒生成》!《酸生成》!」


咄嗟に毒と酸を作る。
凄い速さで来る体当たりに直撃し、HPゲージが1でギリギリ耐えている。
同時に兎に【毒】の状態異常と少しのダメージが入る。


「痛っ!」


『体力が半分を切った為、《火事場》が発動します。体力が少ない程、全ステータスが微上昇します。』


いや、痛くないけど、痛覚制限で痛くないけどなんか出るよね、ゲームでダメージ受けた時って。
そんな事より今がチャンス!


「《悪食》!《早食い》!ついでに《消化》と《酸生成》!保険として《毒生成》!」


兎は悲鳴を上げようとするが、スライムと酸液で声が出せない。新たに【身体溶解】【窒息】の状態異常が発現し、兎の体力はジリジリと減って行く。
次第に兎の体積は小さくなって行き、動かなくなった。


『戦闘に勝利しました!』
『種族レベルが2に上昇しました!』
『スキルポイントを5獲得しました!』
『ステータスポイントを10獲得しました!』
『職業レベルが2に上昇しました!』
『スキルポイントを5獲得しました!』
『ステータスポイントを10獲得しました!』
『《悪食》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《早食い》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《消化》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《毒生成》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《酸生成》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《物理耐性》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《鑑定のスキルレベルが2に上昇しました!》』
『《火事場》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『「一角兎の毛皮」×2を手に入れた!』
『「一角兎の生肉」×1を手に入れた!』


なんとか勝てた。
ゲーム開始早々死ぬのは流石にどうかと思う。
自分よりレベルの高い相手を倒したおかげでレベルが一発で上がったな。
レベルが上がった事によって体力が全快した。
よし!この調子でどんどんレベルを上げていこう!


お、あんな所に丁度良い一角兎が!
次は魔法を試してみよう。
レベル1で使える水魔法は《ウォーター・ボール》か。消化魔力は2…一発が限界か。よし!


「《ウォーター・ボール》!」


「ギュイッ!」


汚い声を上げて兎は横転する。
でも、一発では倒せないみたいだな。


「《酸弾吐き》!」


体から水が湧き出て来る様な感覚になり、酸性の《ウォーター・ボール》の様な物が勢い良く飛んで行く。
立ち上がろうとした兎が再び吹き飛ばされる。
酸弾は消費は無いしクールタイムが短い。コスパの良いスキルのようだ。
まだ生きていたのでもう一発入れて置いた。


『戦闘に勝利しました!』
『《水属性》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《水魔法》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《酸弾吐き》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『「一角兎の毛皮」×3を手に入れた!』
『「一角兎の角」×1を手に入れた!』


そう言えば、スキルポイントとステータスポイントを使ってなかったな。



ステータスポイント:20
スキルポイント:20



溜まってる溜まってる。



ステータスポイント:20→0
HP(体力):3→4
MP(魔力):3→4
STR(筋力):3→4
DEX(器用):3→4
AGI(俊敏):3→4
VIT(頑丈):3→4
MND(精神):3→4
INT(知力):3→4
LUK(運気):23→35(+1)



これでいい。次にスキルポイントだけど、良いのを見つけた。
その名も《解体》と《気配察知》だ。
消費ポイントはどちらも2と安めなので、取って損は無いだろう。



スキルポイント:20→16
・一般スキル
《気配察知_Lv1》
《解体_Lv1》



さて、実はもう次やる事は決めてあるのだ。
《隠密》で忍び歩きしながら食事系スキルと酸液でかぶり付くのだ。
多分これが一番効率が良い。知らんけど。
これならさっき取った《気配察知》も活躍するだろう。
早速近くに反応があるので、《隠密》で近付いてみよう。


居た居た。気づいて居ないみたいだな、素晴らしい。
《液状躰》《擬態》で一角兎を覆うように体をガバァ!《悪食》《消化》《早食い》でガブゥ!《酸生成》ダバァ!ついでに《毒生成》もダバァ!




◆◆◆




『戦闘に勝利しました!』
『種族レベルが3に上昇しました!』
『スキルポイントを5獲得しました!』
『ステータスポイントを10獲得しました!』
『職業レベルが3に上昇しました!』
『スキルポイントを5獲得しました!』
『ステータスポイントを10獲得しました!』
『《悪食》のスキルレベルが4に上昇しました!』
『《早食い》のスキルレベルが4に上昇しました!』
『《消化》のスキルレベルが4に上昇しました!』
『《毒生成》のスキルレベルが4に上昇しました!』
『《酸生成》のスキルレベルが4に上昇しました!』
『《隠密》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『《擬態》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《運気上昇》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《鑑定》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『《水属性》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『《水魔法》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『《魔法適正》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《解体》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『《酸弾吐き》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『《物理耐性》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『《火事場》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『《気配察知》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『条件を満たした為、《忍び足》のスキルを習得しました!』
『条件を満たした為、《捕食》のスキルを習得しました!』
『《捕食》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『「一角兎の毛皮」×24を手に入れた!』
『「一角兎の生肉」×10を手に入れた!』
『「一角兎の角」×6を手に入れた!』
『「一角兎の大毛皮」×2を手に入れた!』
『「一角兎の耳」×2を手に入れた!』
『「一角兎の脚」×3を手に入れた!』
『「一角兎の尿路結石」×1を手に入れた!』
『「一角兎の小腸」×1を手に入れた!』
『称号【ラビットキラー】を獲得しました!!』
『称号ボーナスとしてスキルポイントを3獲得しました!』


あれから10体の一角兎を倒し、無事レベルアップと新しいスキルの入手を果たした。
途中何匹かに気付かれたり食べてる時に暴れられたりしたが、《物理耐性》と《火事場》のスキルを上げれたので良しとしよう。
それと、高い運気と《解体》のお陰かドロップアイテムが大量に手に入った。
レアドロップっぽい物も混じってるし収穫は充分過ぎる位だな。
後はレベルアップや時間経過でや体力だけでなく魔力も回復する事が知れたのは良い収穫だな。
スタミナは逆に時間経過で少しづつ減って行くが、レベルアップや敵を食べる事で回復出来た。
称号の方は一定時間内に多くの兎系の魔物を倒す事が条件らしい。
効果は兎系魔物に対して与ダメージ10%上昇&被ダメージ10%減少らしい。ありがたい。
スキルポイントも貰っちゃったぜ。
これでスキルを取った分にお釣りが付いて帰ってきた。思わず口角が上がってしまう。



ステータスポイント:20→0
HP(体力):4→5
MP(魔力):4→5
STR(筋力):4→5
DEX(器用):4→5
AGI(俊敏):4→5
VIT(頑丈):4→5
MND(精神):4→5
INT(知力):4→5
LUK(運気):35→47(+2)
スキルポイント:16→21



さてと、随分スポーン位置から離れた所まで来てしまった。
森も木々の大きさが大きくなっているし、一角兎のPOP間隔も若干短い感じがしないでも無い。
敵も少し強くなっている様だし、森の深くにまで来てしまったみたいだ。
ゲーム開始から小一時間位だから、リアルではまだ20分位しか経っていないのか。
最近のゲームは凄いよな、仮想空間では現実の三倍の時間を過ごせるなんて。


そんな事を思っていた時だ。
ベニテングタケに良く似た赤い茸が木の根元辺りから生えているのを見つけた。
とりあえず《鑑定》しておこう。



名前:ベニベノダケ
分類:茸
説明:主に暗くてジメジメした樹木の根元に生えている赤い笠と白の斑点が特徴的な毒茸。白い斑点には毒が有り、誤って食べてしまうと【毒】【視界反色】【発熱】【食中毒】【麻痺】の状態異常になってしまうが、非常に美味である。



なるほど、食べるか。
《状態異常耐性》と《毒耐性》、それに食べた物に対して状態異常の威力を減衰させる効果を持つ《悪食》もある。
この三重耐性スキルがあるので、大丈夫だろう。
それに上手く行けば旨いものも食べれて状態異常への耐性をポイント消費無しで習得出来るかもしれない。
更に言えば普通の人が食べない様な物を食べて強くなるのは無双系主人公の御約束だ。
試さない手は無いだろう。
因みに味覚は意識すると味わう事が出来る。一角兎は生で血生臭かったが、鶏肉に似た味がして中々美味しかった。


てな訳で、頂きます!


もぐもぐ、うん美味しい。
そう言えば茸は嫌いな人が多いよな、こんなに美味しいのに。
なんか体が熱いぞ、それに周りの色がおかしい。何だかネガポジ反転画像みたいだ。
体がビリビリして上手く動かないし、ダメージが少しづつ入ってくる。
やっぱり食べるのは不味かったかな?思えば俺って体力4だし。


……あ、収まった。


『《状態異常耐性》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『《毒耐性》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『条件を満たした為、《視界反色耐性》を習得しました!』
『条件を満たした為、《発熱耐性》を習得しました!』
『条件を満たした為、《食中毒耐性》を習得しました!』
『条件を満たした為、《麻痺耐性》を習得しました!』
『条件を満たした為、《毒茸耐性》を習得しました!』
『《悪食》のスキルレベルが5に上昇しました!』
『《消化》のスキルレベルが5に上昇しました!』
『《捕食》のスキルレベルが2に上昇しました!』


一度に大量の状態異常にかかったせいで《状態異常耐性》が一気に二つもレベルが上がったな。
やっぱり特定の行動を起こしたりするとスキルをポイント消費無しで習得出来るみたいだ。
後、何故か《捕食》が上がっている。


思ったんだが、これ薬草とか毒草とか見逃してるだけで採取出来るアイテムは通ってきた道に生えまくってたんじゃないかと思えてくる。
何気にアイテムに《鑑定》を使うのはさっきのが初めてだったしな。
これからは魔物だけでなくオブジェクトにも《鑑定》をしていこう。
あ、あんな所にベニベノダケが二本も生えてる。
美味しいからもう一個食べたいと思ってた所なんだよね。


『《視界反色耐性》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《発熱耐性》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《食中毒耐性》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《麻痺耐性》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《毒茸耐性》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《状態異常耐性》のスキルレベルが4に上昇しました!』
『《毒耐性》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『称号【偏食家】を獲得しました!』
『称号ボーナスとしてスキルポイントを3獲得しました!』


体が動かなくなって視界の色が反転して体が暑苦しくなって少しダメージを受ける事に目を瞑れば素晴らしい食材だ。
いつか調理器具が手に入ったら《料理》や《調理》等のスキルを取ってみるのも良いかも知れない。
兎の生肉も有るし、今度この茸を見つけたらインベントリに残して置く事にしよう。
それと、何だその称号。
美味しいじゃないか!全然偏食じゃ無いだろう。
まあ、変な称号を手に入れてしまうのは無双系主人公の御約束だし、良いけどさ。


お、この茸はなんだ?それに横に生えている紫と黄色の斑点模様の草は如何にも毒草って感じがするな!



名前:シロピリリダケ
分類:茸
説明:主に暗くてジメジメした木の根元に生えている白くて小さなマッシュルームに似た薄黄色の罅の様な模様が特徴的な毒茸。雷属性の魔力を微量ながら纏っており、誤って食べてしまうと【感電】【麻痺】【痙攣】【食中毒】の状態異常になってしまう。狩人や暗殺者が良くターゲットの餌に仕込んでおく。



成程、暗殺や狩猟に使われるのか。
これは耐性スキルが期待出来そうだ。


食べるとベニベノダケとはまた別方向の美味しさがある。
【麻痺】や【痙攣】のせいで体が震えて動かなくなってしまった。
すると、体力が勢い良く減って行くでは無いか!
急いで初めに渡されたポーションを取り出して瓶ごと食べる。
体が動かないので自分の頭上にポーションを出現させてそのまま溶かすのだ。俺って頭良い!


そんなこんなで治まるまでに五本のポーションも消費してしまった。
あっという間に半分使ってしまったの痛い出費だ。
そう言えば【小粘魔】の種族スキルに《雷脆弱》があったような、失敗した……。


『《雷脆弱》のスキルレベルが9に減少しました!』
『《麻痺耐性》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『《食中毒耐性》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『条件を満たした為、《感電耐性》を習得しました!』
『条件を満たした為、《痙攣耐性》を習得しました!』


危ない危ない。
死んだらこのゲームはゲーム内時間で一時間の全ステータス半減とインベントリのアイテムをランダムに一つドロップするらしいので、せっかく取ったベニベノダケ達を無くしてしまう所だった。


さてと、次はこの毒草だ。



名前:ホドレク草
分類:植物
説明:何処でも良く生えている紫と黄色の水玉模様が特徴的な毒草。食べてしまうと【毒】【麻痺】【幻覚】の状態異常になってしまう。



では、頂きます。
うわ、不味!青臭い!雑草食べてるみたいだ!
雑草食べたことないけど。
それと視界に映る物が二重になったり三重になったりしている。気持ち悪い。


『《毒耐性》のスキルレベルが4に上昇しました!』
『《麻痺耐性》のスキルレベルが4に上昇しました!』
『条件を満たした為、《幻覚耐性》を習得しました!』
『《状態異常耐性》のスキルレベルが5に上昇しました!』
『条件を満たした為、《解毒》を習得しました!』


ふう、落ち着いた。
新しいスキル《解毒》は【毒】や【麻痺】等の毒物系状態異常の効果時間を短縮する物だった。
耐性系のスキルは威力を弱めるのだけだったので、このスキルは実に有難い。


スキルを沢山習得したし、今日はこの辺でログアウトしようかな。






▶to be continued

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