最果ての国から無謀な開拓を進める英雄譚~発展停止?よし!世界開拓しよう~

柳月翔夜

第42話師弟と次なる対戦

早朝~広場~

「早く来すぎた。おばあさんがくるまで魔素を集めるか。」
フーッ
最初の魔素の取り込みから約4ヶ月、毎日の積み重ねによって一般の10倍は取り込めるようになったと常闇が言っていた

だが、最近は剣ばかりを使っていた。この格闘術が終わったら魔法も練習するか

「おーい、お前。これをほどけ」
「…ん?」
「ほどいて、もう依頼はいいから」
この双子…まだ捕らえられていたのか?あのスピードならこの縄くらい…

ビリッ!!
「ッ、!?電気!」
「そうだ。あのばあさん、縄に薄い結界を張り、そこに電気を流し込みやがった」

「おぉ、早いんじゃな。もう来ていたか。感心感心」
「おい、ばあさん!悪いことはしない。ここから出てくからほどいてくれよぉ」
「やなこった。…だが、1つほどく方法を教えてやろう」

「なんだ!」「なに?」
「私の下につかないか?弟子ではない。下だ」
「あ?やなこった」「無理」

だろうな。依頼はこなすとしても完全に主従関係を築きたくはないだろう

「じゃ飢え死にするんだね。ルーク少し早いが始めるよ」

「ちょ、おい!」

『あの双子をこうも簡単に拘束するなんてな』
あの人はスピードではなく"なにか"の力であの二人と対等に戦えるんだ。そしてあとは格闘術。




「ルーク、格闘術において一番大切なものはなんだと思う?」
いきなり子供に振りかける問題じゃないな。
常闇、お前はどうだ?
『根気じゃな』
よし、論外。
「技の種類?ですかね」
「惜しいな。それだとほとんどの事象に当てはまっている」
『やはり根気、』
論外。

「私が思うに、技への執念じゃ」
『ほらな!根気じゃ!』
違うわ
「一つ一つの技に魂をかけるような勢いがなければ殺気など生み出されん」
なるほど、…ん?
「剣術と何が違うのですか?」
「剣術は剣への執念、格闘術は己への執念じゃ。」
格闘術は剣術と違い自分の体だから扱いやすいと言われているが、自分の体の方がうまくいかないのだろうか?

「ルークよ、まずは瞑想をしてみぃ」
瞑想?動く前に精神統一ということか?





バシーーーン!
「いっっっっっった!?」
何が起こったんだ?
「雑念が入った。やり直し」






バシーーーン!
「いたい!ちょっと待ってください!
雑念が入らない人なんているんですか!?」
「おまえの場合雑念ではない。魔素の制御が未熟じゃ。魔素の入り口がゆるゆるなんじゃよ」
そんな俺下痢のときのお腹みたいな感じなの?
「さぁもう一度じゃ」






バシーーーン!
「ぎゃああぁ!」







バシーーーン!
「ぐええぇぇぇぇ!」






バシーーーン!
「チーン」







数時間後

「おぉ、さっきよりは上手くコントロール出来ておる」
『たまに剣叩くのどうにかして欲しいのじゃが、いててて』
魔素を大量に、入れる!!
『おぉ!今回は一般の20倍は出ておる』
「よし、次は魔素を殺気に変えて拳で打ち込む練習じゃ。どこかに打ち込むのに最適なものは、、」

「は?」「え?」



「よし、これで完璧じゃ」
「おい!俺らを練習台にするな!」
「先に隣の人をやってください。僕はまだ骨を折りたくないです」
「おい!裏切りやがって!」

「魔素を出す感じで内部から怒りを出すんじゃ」
フーッ
「打つな、おい、やめろ、やめてくれ!」
グォン!ピタッ

「んー、なにか違う。昨日のおばあさんのはもっと空気の流れが…こんな感じ?」

ヒュオン!ピタッ
「そうそう!こんなかん、」
「嘘、じゃろ?こんな短期間で気解流を覚えるなんて…」
「気解流?なんですかそれ」
「気解流は私がこの15年間かけて完璧に作った流派じゃ。その初歩をルークは数時間で習得した。前回の弟子ですら1年かかったというのに」
確かに、あまり空気の抵抗を受けずに繰り出せた気がした。
これが昨日のおばあさんの"なにか"の力ってわけか。




「今日はこの辺にして、帰ったら1時間瞑想じゃ」
「はい!ありがとうございました!!」

「おい?まさか今日もかよ!」
「もういっそのこと下につかない?」
「なにいってんだ!ノロセー一族が下につくことなどあり得ないんだ!」














数日後

"師匠"からの呼び出しはあれから無い。そのため今日は広場へ自主練に来た

「おぉ!ルーク、自主練か?」
「師匠!師匠は何を?」

「…あの双子を調べていたんじゃ。一応逃がしたが、何か引っ掛かる。って思って調べたらこれじゃ」
「北世界との闘争?」
「そう、ノロセー一族は北世界の住居区の王に因縁を持っている。ルークは北世界は昔、5国あったことはしっているか?」

5国!?もともとこの国だけじゃないのか?

「ノロセー一族がお前を襲った理由は依頼という口実の裏に王妃継承式の破壊をもくろんでいると考えている」
『なるほどな。住居区と外の村々が分離されているのはそうゆうことか』

「どうゆうことだ?」
『お主は鈍いのう。外が昔の他の4国ってことじゃ。分離されているのはスパイがいると考えている住居区のやつらの仕業じゃな。にしても妾が来たときも別れていたからずいぶん前の話じゃな。』

「ってことは初代ノロセー当主がやったんだな。4国やれるのは今と等しい実力のものしかいない」
「私は破壊を防止したい、じゃが、私は元王妃の護衛を今告げてきた。だから戦うのはお主しかいない。」

"ボロ負け"した一族、一週間であの化け物に追い付けるのか?

「逃がしてしまって申し訳ない、じゃが、お主にとってもいい機会。この際あやつらに目にもの見してやれ!この一週間全力で修行をする。ついてくるか?」

もう迷うのはやめた。
やる、やらないの二択じゃない。
やらなければならないの一択だ!

「はい!」







活動記録
①早朝の修行
②気解流
③ノロセー一族の目的
④リベンジへの決意
⑤いつになってもルークは鈍感

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皆さんはリベンジをする!等の経験はしたことありますか?僕も部活などで一度負けた相手と当たったとき前回はボロ負けでも次当たったときはギリギリですが勝てたんです

人を駆り立てるのはなんなのでしょうか

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