クラスメイトは魔法少女。俺、黒幕。
魔王、怒る。
やっぱり庶民の味が1番でしょ。魔王だからとかそんなの関係ない。
安くて美味いものを沢山食べるに限るね。
フィルチーネだとかステーキだとかを食べている時なんて、ずっと遠くで何人ものメイドが俺の事を見ているんだもん。肩凝ってしゃあないわ。
料理を出すタイミングとかあるんだろうけど、視線が気になってよく味が分からなかった。気持ちは嬉しいけどさ。
それに引き換え、オークのおっさんの賄いは美味かった。
さてさて。お腹もいっぱいなった事だし、部屋に戻ろうかと思った時、帰り際厨房の裏で、ベッドがいっぱい並んだ部屋を見つけた。
どうやら、仮眠室のようで、既にいくつかの寝息が聞こえる。
俺は眠気に従うままに、ベッドでごろりんとなって掛け布団を被った。
するとあら不思議。すぐさま夢の世界に旅立てそうだ。
やっぱり普通の布団が1番だよね。
おやすみなさい。
「おい、新入り! 起きろ! 仕事だ!!」
「ん?」
朝早く。まだ日が昇りきっていない早い時間に、またしてもオークのおっさんに叩き起こされた。
「1人風邪を拗らせちまった奴がいてよ。厨房に入れるわけにはいかねえ。すぐに着替えてこい!!」
俺は言われるがまま、まだ眠たい目のまま作業着に着替え厨房に入った。
「流しにある食器と、そのバケツにある生ゴミを捨ててきてくれ」
「はーい」
流しに置かれた大量の皿や調理器具。それをスポンジで洗い流し、清潔な布巾で磨く。やっている事は、ヤンさんの中華料理屋にいる時と、なんら変わらない。
皿洗いなんか鼻歌交じりにこなしちゃうもんね。
生ゴミ捨ても慣れたもんさ。
ふむ。しかし何故俺はこんな事をしているのだろうか。その疑問だけは、鼻歌などでかき消されたりはしないけどね。
「新入りマッシュルーム持ってこい!  トマトの缶詰めもだ」
「イエッサ」
「す、すまねえ! 魔王様! 俺、知らなかったんだ! てっきり地方から出てきた出稼ぎの新人だと思って………」
びっくりした。言われた通り、カゴに入ったマッシュルームと、トマトの缶詰めを持ち、厨房に戻ると、オークのおっさんが土下座の格好を取っていた。
そして、そのオークのおっさんの姿をきつい視線で見つめるアネットさんがいた。
「魔王様。心配しましたよ。部屋にいらっしゃらないのですから」
「ごめん、ごめん。ちょっとお腹がすいちゃってさ」
あはは。ごめんちゃい。俺はそのくらいの気持ちだったけど、アネットさんの狂気にも満ちた雰囲気はただ事ではなかった。
「料理長を拘束し、地下牢に連れていきなさい!!」
「はっ!!」
アネットさんの指示に、鎧を身に付けた屈強な警備兵がオークのおっさんを取り押さえた。
「アネットさん? 何してんの?」
「話を聞いたところ、この男は魔王様に自らの業務、雑用を手伝わせたと。さらに、魔王様に度重なる暴力は、魔王反逆罪に当たります。まあ、裁判を開かなければ詳しい罪は……」
「ちょっと待ってアネットさん。どうするつもりで……」
「魔王様に対する横暴は重罪ですよ」
「でも、オークのおじさんは、俺が魔王だって事知らなかったわけだし」
「関係ありませんよ。魔王秘書命令です。この男を地下牢へ……」
「じゃあ、魔王命令だ。料理長の拘束は許さない」
「魔王様………」
安くて美味いものを沢山食べるに限るね。
フィルチーネだとかステーキだとかを食べている時なんて、ずっと遠くで何人ものメイドが俺の事を見ているんだもん。肩凝ってしゃあないわ。
料理を出すタイミングとかあるんだろうけど、視線が気になってよく味が分からなかった。気持ちは嬉しいけどさ。
それに引き換え、オークのおっさんの賄いは美味かった。
さてさて。お腹もいっぱいなった事だし、部屋に戻ろうかと思った時、帰り際厨房の裏で、ベッドがいっぱい並んだ部屋を見つけた。
どうやら、仮眠室のようで、既にいくつかの寝息が聞こえる。
俺は眠気に従うままに、ベッドでごろりんとなって掛け布団を被った。
するとあら不思議。すぐさま夢の世界に旅立てそうだ。
やっぱり普通の布団が1番だよね。
おやすみなさい。
「おい、新入り! 起きろ! 仕事だ!!」
「ん?」
朝早く。まだ日が昇りきっていない早い時間に、またしてもオークのおっさんに叩き起こされた。
「1人風邪を拗らせちまった奴がいてよ。厨房に入れるわけにはいかねえ。すぐに着替えてこい!!」
俺は言われるがまま、まだ眠たい目のまま作業着に着替え厨房に入った。
「流しにある食器と、そのバケツにある生ゴミを捨ててきてくれ」
「はーい」
流しに置かれた大量の皿や調理器具。それをスポンジで洗い流し、清潔な布巾で磨く。やっている事は、ヤンさんの中華料理屋にいる時と、なんら変わらない。
皿洗いなんか鼻歌交じりにこなしちゃうもんね。
生ゴミ捨ても慣れたもんさ。
ふむ。しかし何故俺はこんな事をしているのだろうか。その疑問だけは、鼻歌などでかき消されたりはしないけどね。
「新入りマッシュルーム持ってこい!  トマトの缶詰めもだ」
「イエッサ」
「す、すまねえ! 魔王様! 俺、知らなかったんだ! てっきり地方から出てきた出稼ぎの新人だと思って………」
びっくりした。言われた通り、カゴに入ったマッシュルームと、トマトの缶詰めを持ち、厨房に戻ると、オークのおっさんが土下座の格好を取っていた。
そして、そのオークのおっさんの姿をきつい視線で見つめるアネットさんがいた。
「魔王様。心配しましたよ。部屋にいらっしゃらないのですから」
「ごめん、ごめん。ちょっとお腹がすいちゃってさ」
あはは。ごめんちゃい。俺はそのくらいの気持ちだったけど、アネットさんの狂気にも満ちた雰囲気はただ事ではなかった。
「料理長を拘束し、地下牢に連れていきなさい!!」
「はっ!!」
アネットさんの指示に、鎧を身に付けた屈強な警備兵がオークのおっさんを取り押さえた。
「アネットさん? 何してんの?」
「話を聞いたところ、この男は魔王様に自らの業務、雑用を手伝わせたと。さらに、魔王様に度重なる暴力は、魔王反逆罪に当たります。まあ、裁判を開かなければ詳しい罪は……」
「ちょっと待ってアネットさん。どうするつもりで……」
「魔王様に対する横暴は重罪ですよ」
「でも、オークのおじさんは、俺が魔王だって事知らなかったわけだし」
「関係ありませんよ。魔王秘書命令です。この男を地下牢へ……」
「じゃあ、魔王命令だ。料理長の拘束は許さない」
「魔王様………」
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