クラスメイトは魔法少女。俺、黒幕。
決着はお手柔らかに
4人は近くに寄り、リフレクトの包囲網を張る。確かにそれならば、グレンさんの魔法を直接受ける可能性は低くなるけど、リフレクトの魔法は、常時魔力を使い続ける。
黄名さんが少なからずダメージを受けているようだし、いつまで持つか分からない。
悪をはびこる本物の悪役なら喜ばしき展開だけど、魔法少女達を成長させなければならない。
「これは思っていた以上に苦労しそうですね。まさか、わざとやられるわけにもいきませんし」
アネットさんは俺の側で魔法少女を心配するような声を出す。
そうだよね。ある程度彼女達に手応えを感じさせないと意味がない。
グレンさんのダークボール。
あ、いいこと思い付いた。
ピキーンと閃いた俺は、無線でグレンさんに指示を出した。
「グレンさん。野球ボールを投げるように、ダークボールを放つんだ」
「ボールを投げるようにやて? ピッチャーみたいにか?」
「そう! 打ち返せるもんなら、打ち返してみい! みたいな感じで」
「おっしゃ、分かったでえ!」
「くらえ、わいの豪速球! ダークボール1号! グオオオッ!」
グレンさん、ノリノリやん。
ともかく、大きく振りかぶる感じで放ったダークボール1号。ソフトボール経験者である彼女は、果たしてどう思うだろうか。
「さっきよりも速さもスピードも増してるわ! 気をつけて!」
「このままではリフレクトがもたない。なんとか反撃しないと……」
「でも。わたくし達の今の魔力ではどうにもなりませんわ!」
「あたいに任せるのだ……」
「あんた何をするつもりよ!リフレクトの外に出るなんて!」
モニター越しには、淡く白いリフレクトから外に出ようとする黄名鈴香の姿。そして、彼女の腕を青山さんが掴んでいた。
「あたい達の魔法が使えないなら、あいつの魔力を利用すればいいのだ」
「どうする気よ!」
「あたいの槍で、打ち返してやるのだ」
「バカ! あんた、何を言って………」
「あたいは、魔法少女にならなければ、プロのソフトボール選手になるつもりだったのだ。あのくらいの火の玉なんて、何も怖くなんかないのだ……」
「あんた………足が震えて……」
青山さんがそう言い掛けた時、黄名さんは青山さんの手を振り切った。
「悪い魔族め! あたいと勝負しろなのだ!」
リフレクトの外で、魔力を込めた槍を構える黄名さん。その表情には、恐怖と勇気が入り混じっている。
しかし、どうやら俺の思い通りに動いてくれたようだ。
「グレンさん。今日最後の仕事だ。ど真ん中にストレートを頼む」
「オーケー、ボス! 任しといてくれや!」
グオオオンと生み出したダークボールを右手に、投球モーションに入ったグレンさん。
大きく足を踏み出し、八百長試合を締めくくる最後の1球を投げた。
周りの空気を歪ませながら、真っ直ぐ飛んでいくダークボール。
「名古屋選抜の4番の力、思い知れなのだー!!」
「ウグアアアアッ!!」
強烈なピッチャー返しだった。グレンさんが放ったダークボールは、黄名さんが槍で打ち返した瞬間、当社比1,7倍に肥大化し、グレンさんの体を包み込んだ。
「そろそろ頃合いですね。グレンさん、そのまま後ろに飛行し、彼女達から姿を消して下さい。ヤンさん。グレンさんのよろしくお願いします」
「ハーイ、上手く拾ってカエルヨ!」
「くれぐれも帰り道は気を付けて下さいね。お疲れ様でした」
          
黄名さんが少なからずダメージを受けているようだし、いつまで持つか分からない。
悪をはびこる本物の悪役なら喜ばしき展開だけど、魔法少女達を成長させなければならない。
「これは思っていた以上に苦労しそうですね。まさか、わざとやられるわけにもいきませんし」
アネットさんは俺の側で魔法少女を心配するような声を出す。
そうだよね。ある程度彼女達に手応えを感じさせないと意味がない。
グレンさんのダークボール。
あ、いいこと思い付いた。
ピキーンと閃いた俺は、無線でグレンさんに指示を出した。
「グレンさん。野球ボールを投げるように、ダークボールを放つんだ」
「ボールを投げるようにやて? ピッチャーみたいにか?」
「そう! 打ち返せるもんなら、打ち返してみい! みたいな感じで」
「おっしゃ、分かったでえ!」
「くらえ、わいの豪速球! ダークボール1号! グオオオッ!」
グレンさん、ノリノリやん。
ともかく、大きく振りかぶる感じで放ったダークボール1号。ソフトボール経験者である彼女は、果たしてどう思うだろうか。
「さっきよりも速さもスピードも増してるわ! 気をつけて!」
「このままではリフレクトがもたない。なんとか反撃しないと……」
「でも。わたくし達の今の魔力ではどうにもなりませんわ!」
「あたいに任せるのだ……」
「あんた何をするつもりよ!リフレクトの外に出るなんて!」
モニター越しには、淡く白いリフレクトから外に出ようとする黄名鈴香の姿。そして、彼女の腕を青山さんが掴んでいた。
「あたい達の魔法が使えないなら、あいつの魔力を利用すればいいのだ」
「どうする気よ!」
「あたいの槍で、打ち返してやるのだ」
「バカ! あんた、何を言って………」
「あたいは、魔法少女にならなければ、プロのソフトボール選手になるつもりだったのだ。あのくらいの火の玉なんて、何も怖くなんかないのだ……」
「あんた………足が震えて……」
青山さんがそう言い掛けた時、黄名さんは青山さんの手を振り切った。
「悪い魔族め! あたいと勝負しろなのだ!」
リフレクトの外で、魔力を込めた槍を構える黄名さん。その表情には、恐怖と勇気が入り混じっている。
しかし、どうやら俺の思い通りに動いてくれたようだ。
「グレンさん。今日最後の仕事だ。ど真ん中にストレートを頼む」
「オーケー、ボス! 任しといてくれや!」
グオオオンと生み出したダークボールを右手に、投球モーションに入ったグレンさん。
大きく足を踏み出し、八百長試合を締めくくる最後の1球を投げた。
周りの空気を歪ませながら、真っ直ぐ飛んでいくダークボール。
「名古屋選抜の4番の力、思い知れなのだー!!」
「ウグアアアアッ!!」
強烈なピッチャー返しだった。グレンさんが放ったダークボールは、黄名さんが槍で打ち返した瞬間、当社比1,7倍に肥大化し、グレンさんの体を包み込んだ。
「そろそろ頃合いですね。グレンさん、そのまま後ろに飛行し、彼女達から姿を消して下さい。ヤンさん。グレンさんのよろしくお願いします」
「ハーイ、上手く拾ってカエルヨ!」
「くれぐれも帰り道は気を付けて下さいね。お疲れ様でした」
          
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