クラスメイトは魔法少女。俺、黒幕。

わーたん

強肩魔法少女

青山さんは2投目でさらに記録を伸ばし、146メートルだった。





普通の野球場なら場外ホームラン級だ。





次は、緑川さんか。とりあえず、120メートルくらいのところに立ってよっと。





「行きます!! はっ!!」





緑川さんがボールを投げた。角度はよかったけど、全然手前だ。





ボトッと落ちた場所にラインからメジャーを引く。





「84メートル!!!」





「次行きます!! はっ!!」





ボトッ……





「82メートル!!」





「はあ……。基準点に及ばず残念ですわ……」





緑川さんの記録は84メートルか。





きっと、84なら胸囲の方が上回って……」





「どりゃー!! なのだ!!!」





食いしん坊め。投げんの、はえーよ。





超飛んでるし……。




芯を食った打球はなかなか落ちてこない。





どこかの野球漫画でそんな事を言っていた。





「もっと飛べ! なのだ!!」





今俺が追い掛けているボールがそうなのかもしれない。





黄名さんから放たれたボールは、俺の頭上を軽々越えても、勢いは衰えない。





130メートル。140メートル。150メートル……160メートル。





一生懸命ボールを追う俺。





追い掛けて追い掛けて、肉眼で確認出来るギリギリの位置にボールはようやく落ちた。





200メートルラインにちょうどボールが落ちた後があった。





200メートルってマジか。





「200………あ」





振り返ると、とても声が届くと思えない距離。トランシーバーとか、用意しておいてよ。





俺はまたヒィヒィ言いながら、声の届く位置まで戻った。





200メートルって馬鹿でしょ。



「200メートル!!……はあっ……はあっ……」





「やったーなのだ!」





「黄名さん、すごーい」





「さすがソフトボール経験者ね」





「2投目、いくのだ!」





だからはえーよ。





「どりゃー!! なのだ!!」





わあぁー。また走らなきゃ……。





「黄名さん、新井君をちょっとは待ってあげなきゃ」





「あ………」





ギュルルルルル!!





とかいって飛んだボールを追って、また俺は走る。





お腹痛くなってきたよ。









「187メートル!!」





「いっぱい走らせて、ごめんなのだー!」





「気にすんなー!」





まあ、いい運動になりましたよ。





「これで全員終わりね。次の計測に移りますので、ボールを……」





「あのまだ私……」





「片付け、片付けなのだ!」


          

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