クラスメイトは魔法少女。俺、黒幕。

わーたん

魔法少女

体育館通路をテクテク。1階廊下をテクテク。





そうしている間に、また楓が俺の手をつねってきた。





「あんたはさっき、何をふざけていましたの!?  あれじゃ、いい笑い者ですわよ」





「ふふ……だってさ、あの小さい女の子が……」





思い出させんな。何かツボだったんだよ、あの可愛らしい光景が。





「あんたごときが笑える立場の人ではありませんのよ。ミラマ大賢者様をご存知なのではなくて?」





「ミラ……?  ごめん、知らない」





俺がそう答えた瞬間、周りのクラスメイトがざわっとしやがった。


「あんた……。それ、本気で言っているんですの……?  さすがの私も飽きれましたわ……」





「魔人さん。さすがにそのくらいは知っておかないと……」





楓のみならず、イロハまで俺に対して蔑むような視線を送っている。





そんなに知っておかなければジョウシキな感じになるのだろうか。





賢者と聞いて思い浮かべるのは、やっぱり青髪に樫の杖を持ち、白いローブを身に纏ったあの感じだよね。





そんで、触手系モンスターにネバネバされるというあれ。





あれはずるいよ。





「大賢者様を知らずに、何故ヘラヘラしているのかは、聞きませんけど……。あなたもこの学園の一員ならば、それ相応の知識は、身につけるべきですわ……よっ!!」



楓とイロハは俺が魔王である事を知っている。





本当ならば、このくのいち姉妹は俺の手下であるはずなんだけどな。





どうして、無知男と蹴っ飛ばされなければならないのだろうか。





「ここがA組である皆さんの教室になります。席順を確認して、自分の席に着いて下さい」





ケツの痛みが引く前なのに、A組の教室に到着。





1階の1番端の教室だ。ドアに貼られた用紙の中で自分の名前を探す。





「新井……新井……あった。やった。1番後ろの席だ」





やったぜと、思わずガッツポーズしかけたが……。





横の名前を見て愕然とした。





「私は窓際の1番後ろの席ですわ。イロハ、あなたは私の前ですわよ」





「はい。お姉様」





何たる理不尽。よりによって楓が隣とは……。





イロハの方がよかった。

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