クラスメイトは魔法少女。俺、黒幕。

わーたん

魔人、入学する。

俺が言いたいのは、テレビに写ってるかもとかそういう事ではなく、魔王である俺の注目度はどないやねん!





って話だ。





世界や地球レベルはおろか、日本に5人しかいない魔法少女よりも稀少な俺の魔王的地位は、銀河を見渡してもたった1つだけだ。





黒い指輪をはめた銀河唯一の男である魔王ダークセンチュリオンなんてダッセー呼び名のやつ。





本来ならば俺は、人種を越えて宇宙を越えて憎まれる存在であるはず。





それなのに、正義のヒロイン達が通う学園の入学式にのほほんと参加しているその理由。





それは、ページの都合上プッツンした3日前に、俺の部屋で語ったアネットさんの大切な話。





それが関係しているという訳だ。


「入学生入場」





体育館に響くアナウンスを合図にして、樺羅杜学園の入学式が始まった。





樺羅杜学園の開校初年度という事で、体育館に在校生はいない。





保護者、職員に見守られながら、俺を含めた10数人のA組メンバーが、体育館に入っていく。





ガサガサと、床に敷かれたシートを歩く足音だけが、体育館内にこだましている。





係の先生に案内される形で、それぞれパイプ椅子に座る。





保護者達と向かい合う形だ。





非常に気になったのは、30人程いる職員の列先頭に、愛しきアネット嬢の姿があった事だ。



彼女は教員免許を持っているのか?





非常に気になった。



俺達A組に続いて、B組C組と順番に入場していく。





今年度この樺羅杜学園に入学する生徒は、200人くらいだ。かなり女の子が多めだった。





その中のほとんどが一般の生徒達。





間違っても、魔法のほうきを股に挟んで、空を飛んだりする事はないのだろう。





最後尾となっていたF組の生徒達が所定の場所に着き、体育館内全ての人間がその場に立ち、頭を下げる。





「学園長挨拶」





例によって、まずは校長の挨拶か。





どんなハゲ頭が出てくるのかと思っていると……。





体育館中央にあるステージ。そのさらに真ん中にあるマイクの前に、1人の職員によって踏み台が置かれた。





何や、何事や!





そんな雰囲気が漂う中、マイクの元に現れたのは、歳が二桁に僅かながら達していないと思われる小さな女の子だった。

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