クラスメイトは魔法少女。俺、黒幕。

わーたん

魔人、魔王になる

馬鹿長い階段を上り切り、エレベーターに乗って、学園校舎の裏へ。





そしてそこからテクテク5分程歩き、寮の前に戻ってきた。





改めて、寮の建物を見上げると、全部で五十程ある部屋のうち、半分程の割合で明かりが点いていた。





「魔王様の部屋をご案内しましょう」





寮正面の出入り口から中に入る。





入ってすぐの所に、自販機やソファーがあり、新聞や雑誌も数部置かれている。





アネットさんのお尻をまたしても眺めながら、廊下を歩いていくと、1階の端の部屋に行き着いた。





「ここが魔王様のお部屋です。カギもお渡ししておきますね」





アネットさんからカギを受け取り、早速部屋に入り電気を点ける。





「ここ、もしかして新築?」





「はい。学園と同じく、半年前に建てられたばかりですよ」





「そうなんだ。すげー!」



壁も天井も真っ白で、まさに新築の匂い。





玄関や廊下には、砂粒一つ、埃一つ落ちていない。





部屋を入って左手に、トイレと洗面所、そしてシャワー室。





8畳程の1人部屋。シンプルなキッチン、そしてクローゼット。





部屋の備品として、シングルベッド、冷蔵庫、液晶テレビ。さらにはエアコンも完備されていた。







東京に来て、こんないい部屋に住めるとは。





ワクワク感が押し寄せる。





お約束のベッドダイブをかました俺に、アネットさんは口に指を添えながら微笑んでいた。





「嬉しそうですね、魔王様。私の部屋は隣ですから、何かありましたらすぐに申し付けて下さいませ」





なにぃ!?





アネットさんが隣の部屋に住むだと!



興奮や妄想以外何も生まれない。





隣に美人でボインな女の人が住んでるんだよ?





しかもその人は……





「何かありましたらすぐにお申しつけ下さい」





そう言っている。





そうなったら、あれしかないでしょ。





「……コホン。君、今晩私の部屋に来なさい。ちゃんと、ニーソを履いてくるんだよ」





「かしこまりました、魔王」





こうなるわけよ。





やべー。おさまらねー。





「魔王様。よろしいですか?」





「え、何が?」





「ですから、魔法少女達についてですが」





きょとんとした表情のアネット嬢。





どうやら俺は、何かの話を聞きそびれていたらしい。





「ここからが大切な話です。しっかり聞いて下さいね。あなたがこれから行う事は、魔王としての力を用いてこれからクラスメイトになる5人の魔法少女達を育成する事です。魔王様。3年後の決戦で、あなたを倒させるために」













なんだと。

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