クラスメイトは魔法少女。俺、黒幕。

わーたん

誘拐されて始まる魔王生活。

「着きました。ここはヤンさんの営む中華料理屋さんでございます」

アネットさんが足を止めたのは、繁華街のとある一角。

中華料理[龍園]

扉を開けた先は、既にに満卓に近く、家族連れやサラリーマン達が楽しげに食事をしていた。

「2階に上がりましょう。すぐヤンさんも魔王様の顔をご覧にいらっしゃいますわ」

アネットさんに連れられ、中華料理屋さんの二階へ。

畳みの敷かれたお座敷に腰を下ろすと、すぐに水とおしぼりが届いた。

「どうぞ、魔王さま」

「どうも……って、パンダ!? パンダがいるよ!!」

フサッとした感触がしたなと思ったら、マジもんのパンダさんが俺におしぼりを差し出していた。


「ひいぃっ!  パンダがこっちに来る!くのいちさん、助けて!」

「ちょっと。うっとうしいですわね。引っ付かないで下さいます!?」

お座敷の奥に逃げ込もうした俺を姉くのいちは、簡単に蹴り飛ばした。

畳から転げ落ちた俺を、パンダさんが大口を開けて、襲い掛かる。

「グワァァァー!!」

「食われるー!!」

ほむんっ。

てっきりカブりといかれるかと思いきや、次に感じたのはもふもふした感覚。

俺はパンダさんに抱き抱えられていた。

「いやいや言ったのに、自分から抱きつきにくるなんて、魔王様は面白い方だにゃ」

パンダさんははっきりそう喋り、俺にふさふさ頬擦りをする。

何これ。めっちゃ気持ちいい。それにパンダって喋るんだね。

そして、しばらく抱かれたままもふもふしていると……。

「ハーイ。ワタシ、ヤンアルヨー!  マオウサマハドイツアルネ」

てっきり中華料理を営むヤンだから、細長い二本ヒゲのおっちゃんかと思いきや……。

「キサマが魔王アルカー?  よろしくコノヤローデスネ」

すらっとした脚と濃い色の長い髪の毛が美しい。チャイナ服を着たスレンダー美女だった。

言葉遣いが少々おかしいみたいだけどね。

あらわになる白い太ももにどうしても目がいってしまう。

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