クラスメイトは魔法少女。俺、黒幕。

わーたん

誘拐されて始まる魔王生活。4

いろはと呼ばれた、しのび系女の子が口にくわえるは、木で出来た筒のようなもの。

矢が飛んできた方向を見るとそんな様子が伺える。

まあ、なんだかんだで余裕かまして状況を説明出来るくらいだったから、吹き矢攻撃を避ける事は案外たやすかった。

「くっ……。私の矢をかわすなんて……」

吹き矢の主がそう呟く。出来た

はっはっはっ。そんな攻撃で俺を倒そうだなんて、100年早いぜ!

と、言っている余裕まではなかったけど、周りは異様に見えていた。

2発目の吹き矢を仕込むくのいち。

まだ驚いた表情のままのスーツ姿の女性。

くのいちの吹き矢が飛んでくるよりも早く、会議室から脱出出来ると思った俺はドアノブに手を掛けた。



ドアノブを手で掴んだ。

扉も開いた。

しかしだ。

足がついてこなかった。

何かに引っ掛かった。後は自然の法則。物理の常識に従うように俺は前につんのめり、ただコケるだけだった。

「こんな初歩的な罠に掛かるなんて、魔王様もたいした事ございませんわね」

倒れた俺の首に指先を添えるくのいち。

先程の、いろはと似ている気がしたけど、どうやら雰囲気が違う。絨毯に倒れる俺を蔑むように見る目線は、挑戦的なものだった。

「動けないでございましょう。魔王とはいえ、人間を支配するのは簡単ですわ」

「ぐっ……」

しのび系の女の子もその口ぶりからただ者ではないと思われる。

しかし、こんな簡単に捕まるとは。



運動神経には自信あったのに。

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