親の職業が○○な娘さん達

わーたん

あなた、おいくつですか?

「ココロちゃん、メロンの皮をそのまま食べるのは止めた方がいいんじゃないか?」


「どうしてだ? 美味いぞ?」


「いや、お腹こわすかもしれないし……」



「心配ご無用だ。あたしは生まれてこの方、腹を下したりなどということの経験はない。体も極めてこの通り丈夫だ」



メロンを口にした嬉しさからか、ココロは両腕の力こぶをアピールするようなポーズをツナギに見せた。


そして、アワビを急かす。


「おい。メロンのおかわりはまだなのか?」



「今切ってるんですから、待ってて下さいよ。…………はい、どうぞ。これで最後ですよ」


「何故だ。まだ半分も残っているじゃないか!」



「これはツナギ君の検査が大丈夫だったら、明日食べてもらうんです!! あなたも半分食べれば十分でしょう? 皮も食べるのに」



「ツナギの分なら仕方ないな。それではまたありがたく頂こう。………あーむっ。……うんっ、美味い!!幸せが押し寄せてくる!」



ココロは、口の中で押し潰すようにメロンの芳醇な果肉を味わい、残った内皮の固い果実部分と外皮を一緒にバリバリとかじり出す。



「うむ。やはりいいメロンは皮も美味いな。…………んむ? ……ペッ! 何か苦い部分があった」



「人の病室の床にメロンの皮を吐くな」



「メロンの皮ではない。それにひっいていた何かだ」



「だからって床に吐くな」



ツナギは痛む腹部を庇いながらベッドから腕を伸ばし、ココロ吐き捨てた黒い何かを拭き取った。



「ところでツナギ君は、いつになれば退院してエロ本買いに行けるんですかねえ?」



「当たり前にエロ本を買いに行くと思ってをじゃねえよ。まあ、さっき医者のおじさんは、3、4週間で抜糸出来ればいいねって言ってたよ」


「ええ! そんなに時間掛かるんですかぁ?」



アワビは眉をヘンテコに曲げながら、チラリとツナギの股間に一緒視線を移しながら非常に残念がった。


「ほら、普通のケガじゃないから。色々検査しなきゃいけないらしいよ。事件のことについて警察が事情を聞きにくるって言ってたし」



「なんだかめんどくさいですねえ」





「あー、メロン美味かったー!ありがとうな」




「はいよ」



「いやー、満足。満足。苦しゅうないぞ。よいしょっと。しかし、ここはなかなかいい眺めだな。あんなに遠くまでよく見えるぞ」


ココロはメロン果汁がまとわりついた唇をべろりんと舐め上げる。そしてすぐそばの窓枠に両手を置いて外を眺めた。



「そういえば、ここって何階?」


ツナギもベッドに座りながらココロの見る方向に視線をやった。そこには空しか写っていない。真っ青な空に、いくつかのふわふわした形の雲。そして、高圧電線が弧を描いているのも僅かに見えたくらいだ。




「12階ですよ。事件の被害者だからと、特別な部屋を用意してくれたみたいですねえ」



「ふーん」




アワビにそう教えられたが、それ以上に気になったことがツナギにはあった。




それはココロというこの女の子のサイズが飛び抜けてビッグなこと。



アワビと同じく、ブレザーの制服を纏っているのだから女子高生なのだろうが、いくらなんでも大きすぎる。常軌を逸している。


窓際に立たれると、それなりに大きな窓枠には収まりきらない彼女の体がより強調されて見えるものだ。


そしてその印象はアワビも同様に持ち合わせていたようだった。


「それにしてもココロちゃんは大きいですねえ」



「そ、そうか? まあ、両親もなかなかのものだからな」



ココロは今までに数えきれない程に言われたセリフだが、ツナギを目の前にするとなぜだかこそばゆいような思いに駆られた。



「ココロちゃんはいくつくらいなんですか?」


椅子に座ったまま、こちらはこちらで絶頂を迎えたおかげですっかり落ち着いたアワビが窓枠に寄りかかるココロを見上げる。



「確かこの前計った時は……190……1、……」



「ちがいますよ。おっぱいのサイズですよ。何カップですか?」



「Gだよ、バカヤロウ」




「さすがですね!」



「なにがだよ」




ツナギは調子に乗りそうなアワビを早めに釘を刺すつもりでそう言った。


ツナギにしてみれば、ココロのカップ数などあまり問題ではない。Gだろうが、Fだろうが、Hだろうが。だいたいその辺りのサイズに割り振られているのは容易く予想がつく。



もちろん、アワビのだいたいのサイズも。それが男というものである。




「あのー、大変盛り上がっているところ申し訳ないんだけど、ツナギさんはこの後検診がありますので………おふたりはそろそろ」



ドアからそーっと。病室の中をゆっくり覗くようにしながらナースが声を掛けた。


2人はほぼ同時に棚に置かれているデジタル時計を確認した。


「あっ、もうこんな時間ですか! お邪魔になりますし、そろそろお暇しますか」


「ああ、このままでは私達は邪魔になるからな。ツナギよ、メロンご馳走だったな」



散々好き放題にやっていった彼女達は、特別ツナギを惜しむ様子もなく、スクッと椅子から立ち上がった。


          

コメント

コメントを書く

「現代ドラマ」の人気作品

書籍化作品