親の職業が○○な娘さん達
どこがチャンスなんだよ。
「て、てめえっ! コ、コレ…………ち、違うじゃねえかあっ!!?」
段ボールを開けた男性が戸惑いながら怒り狂う。さすがにこんな状況でも、生理用品じゃねえか! とは言えなかった。
「す、すみません! 間違えました! 今すぐ持ってきます!!」
ドラッグストアの店長が店に戻る。
そしてすぐに戻ってきた。
「すみません、これです!」
「早くしろ!!」
「はいぃっ!!」
今度こそは間違いなくハンドタオルの段ボール箱。それを開け放ち、他数人がかりで個別包装されたビニールの封を開け、血を流す3人の元へ大量のタオルが配られる。
ポニーテールの女性はマダムを段ボールを開けた男性2人に任せ、ツナギの元にしゃがみ込んだ。
3人の中で1番重症なのはツナギ。それは素人目にもすぐに理解出来る。そのくらい出血が激しかった。
「大丈夫よ! もうすぐ救急車が来るからね! 気をしっかり持つのよ!」
女の子が正座した膝の上で抱き抱えるようにしているツナギの頬をポニーテールの女性は優しく撫でた。
そんな彼女の横顔に、ツナギに守られたノーパンの女の子は涙ながらに訊ねた。
「あ、あの………。助かる………彼、助かりますよね!?」
「ええ………。ちょっと出血が多いけど、体力のある若い男の子だし、すぐに輸血が始められれば………。安心して、状況は駆けつける救急隊に伝えてあるわ。彼の血の型が確認出来ればすぐに………」
そんな女性の言葉を聞いて、ツナギは自らの首に手を伸ばす。
そこには物心ついた時から両親に渡されていた。細いチェーンアクセサリーがあった。
そのアクセサリーのデザインが見えるように、襟元をこじ開け、シャツの中から取り出す。
そしてツナギは唇を震わせながら口を開く。
「あの…………実は俺…………むぐぅっ!!」
何かを話そうとしたツナギにノーパンの女の子は突然押し付けるようなキスをした。
目を見開いて驚きながら、ポニーテールの女性は、ノーパンの女の子の頭を乱暴に掴み、ツナギから引き剥がした。
「あ、あなた! 何を考えているの!?」
ポニーテールの女性にそう問われ、ノーパンの女の子は何故だか少し照れながら答えた。
「すみません。今がチャンスと思ってしまいまして……」
ポニーテールの女性は、ノーパン少女の照れ笑いとその言葉を聞いて、一瞬にして思考が停止した。
この子は一体何を言っているのだろう。どうしちゃったのだろう。
そんな段階など訪れる気配もなかった。ただただ思考が停止した。たった一瞬で。
そんなポニーテールの女性の様子など微塵も察することもなく、ノーパン少女は視線を少し下に移した。
「そういえばお姉さんって、結構胸が大きいですねえ。羨ましいです。Dカップくらいですかぁ?  ねぇねぇ、どうなんですかぁ?」
もう何も耳に入らない。
その代わりに思い出した。会社で起きた取引先とのトラブルの責任を取らされたことを。
正直、今診ている少年が死のうが助かろうがということすらどうでもよくなり始めた。
早くこの場から居なくなりたい。早く家に帰りたい。
それしか考えられなくなった。
そんな彼女の遠退くような意識が、複数台で現れた緊急車両のサイレンがまたこの現場に呼び戻した。
側の車道に停車した3台の救急車から、颯爽と軽やかに医療キットを抱えた救急隊員が次々と現れる。
そして彼は一目で状況を理解した。
ストレッチャーの準備を始めながら、すぐさまリーダー格の救急隊員がツナギの元に駆け寄る。
「1番出血しているな。ストレッチャーに乗せたらすぐに輸血の準備だ」
「はい!」
リーダー格の救急隊員がそう指示し、共に着いた後輩の男が血液型を測定する機械の準備を始めた。
ポニーテールの女性は、救急隊員の迅速な処置、そのやりとりに正気を取り戻し、ツナギの手に握られたアクセサリーを隊員のリーダーに見せる。
「この子、どうやら白銀の血でして………」
女性の言葉を聞いた2人の救急隊員の顔色が一瞬にして曇る。
「本当にこの少年は白銀の血なのか………」
リーダーの男は、血で染まったツナギのアクセサリーのデザインを確認。表には三日月のマークに血が滴るマーク。
その裏面には、白銀の血であることを促す記述が施されていた。
「………だとしたらまずいですね」
後輩の男がそう言うのも無理はない。
白銀の血とは、100万人に1人の割合で存在すると言われている特異な血液型の通称である。
遺伝の影響を全く受けない突然変異型の血液である。
医療関係に長年携わる者でも、なかなか出くわすことのない非常に珍しい血液型の持ち主。
それがツナギである。
段ボールを開けた男性が戸惑いながら怒り狂う。さすがにこんな状況でも、生理用品じゃねえか! とは言えなかった。
「す、すみません! 間違えました! 今すぐ持ってきます!!」
ドラッグストアの店長が店に戻る。
そしてすぐに戻ってきた。
「すみません、これです!」
「早くしろ!!」
「はいぃっ!!」
今度こそは間違いなくハンドタオルの段ボール箱。それを開け放ち、他数人がかりで個別包装されたビニールの封を開け、血を流す3人の元へ大量のタオルが配られる。
ポニーテールの女性はマダムを段ボールを開けた男性2人に任せ、ツナギの元にしゃがみ込んだ。
3人の中で1番重症なのはツナギ。それは素人目にもすぐに理解出来る。そのくらい出血が激しかった。
「大丈夫よ! もうすぐ救急車が来るからね! 気をしっかり持つのよ!」
女の子が正座した膝の上で抱き抱えるようにしているツナギの頬をポニーテールの女性は優しく撫でた。
そんな彼女の横顔に、ツナギに守られたノーパンの女の子は涙ながらに訊ねた。
「あ、あの………。助かる………彼、助かりますよね!?」
「ええ………。ちょっと出血が多いけど、体力のある若い男の子だし、すぐに輸血が始められれば………。安心して、状況は駆けつける救急隊に伝えてあるわ。彼の血の型が確認出来ればすぐに………」
そんな女性の言葉を聞いて、ツナギは自らの首に手を伸ばす。
そこには物心ついた時から両親に渡されていた。細いチェーンアクセサリーがあった。
そのアクセサリーのデザインが見えるように、襟元をこじ開け、シャツの中から取り出す。
そしてツナギは唇を震わせながら口を開く。
「あの…………実は俺…………むぐぅっ!!」
何かを話そうとしたツナギにノーパンの女の子は突然押し付けるようなキスをした。
目を見開いて驚きながら、ポニーテールの女性は、ノーパンの女の子の頭を乱暴に掴み、ツナギから引き剥がした。
「あ、あなた! 何を考えているの!?」
ポニーテールの女性にそう問われ、ノーパンの女の子は何故だか少し照れながら答えた。
「すみません。今がチャンスと思ってしまいまして……」
ポニーテールの女性は、ノーパン少女の照れ笑いとその言葉を聞いて、一瞬にして思考が停止した。
この子は一体何を言っているのだろう。どうしちゃったのだろう。
そんな段階など訪れる気配もなかった。ただただ思考が停止した。たった一瞬で。
そんなポニーテールの女性の様子など微塵も察することもなく、ノーパン少女は視線を少し下に移した。
「そういえばお姉さんって、結構胸が大きいですねえ。羨ましいです。Dカップくらいですかぁ?  ねぇねぇ、どうなんですかぁ?」
もう何も耳に入らない。
その代わりに思い出した。会社で起きた取引先とのトラブルの責任を取らされたことを。
正直、今診ている少年が死のうが助かろうがということすらどうでもよくなり始めた。
早くこの場から居なくなりたい。早く家に帰りたい。
それしか考えられなくなった。
そんな彼女の遠退くような意識が、複数台で現れた緊急車両のサイレンがまたこの現場に呼び戻した。
側の車道に停車した3台の救急車から、颯爽と軽やかに医療キットを抱えた救急隊員が次々と現れる。
そして彼は一目で状況を理解した。
ストレッチャーの準備を始めながら、すぐさまリーダー格の救急隊員がツナギの元に駆け寄る。
「1番出血しているな。ストレッチャーに乗せたらすぐに輸血の準備だ」
「はい!」
リーダー格の救急隊員がそう指示し、共に着いた後輩の男が血液型を測定する機械の準備を始めた。
ポニーテールの女性は、救急隊員の迅速な処置、そのやりとりに正気を取り戻し、ツナギの手に握られたアクセサリーを隊員のリーダーに見せる。
「この子、どうやら白銀の血でして………」
女性の言葉を聞いた2人の救急隊員の顔色が一瞬にして曇る。
「本当にこの少年は白銀の血なのか………」
リーダーの男は、血で染まったツナギのアクセサリーのデザインを確認。表には三日月のマークに血が滴るマーク。
その裏面には、白銀の血であることを促す記述が施されていた。
「………だとしたらまずいですね」
後輩の男がそう言うのも無理はない。
白銀の血とは、100万人に1人の割合で存在すると言われている特異な血液型の通称である。
遺伝の影響を全く受けない突然変異型の血液である。
医療関係に長年携わる者でも、なかなか出くわすことのない非常に珍しい血液型の持ち主。
それがツナギである。
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