実況!4割打者の新井さん
ピリ辛みのりん
「あのね、新井くん。私、大好きだよ。あなたのこと」
みのりん……。
「いいえ、あたしの方があんたのこと愛しているわ。あんたもそうでしょう?あたしにはお見通しなんだから」
ギャル美……。君まで。
「ちょっと待って下さい!新井さん、わたしのこの大きなおっぱいがたまらなく好きなんですよね!?」
ポニテちゃん。そこまで豊満な胸元を押し付けてまで俺のことを……。
ああ、俺は一体誰を選べばいいんだ………。
「新井くん………新井くん………」
みのりん。やはりみのりんなのか………。
「新井くん、起きて。新井くん」
はっ!?
「………あら、山吹さん」
「おはよう、新井くん。もう起きる時間だよ」
誰を選ぶかはさておき、とりあえずさらけ出されたポニテちゃんの胸元にダイブしようとしたところで、俺は目を覚ました。
開け放たれたカーテンの向こう、眩しい朝の光を浴びたみのりんの微笑んだ顔がそこにはあった。
「新井くん。朝ご飯、食べる?」
「え? うん………」
あれ? どうして山吹さんが俺の部屋にいるのだろうか。部屋のカギを開けたままだったのかしら?
「山吹さん」
「なに?」
「ご飯、特盛で」
「うん、分かった」
まあ、可愛いからいいか。
出来ればあと1分、夢の中にいさせて欲しかったけどね。
まあ、その責任だけはこの眼鏡さんにとってもらうことにしよう。
「いただきまーす!」
「はい、どうぞ」
半熟の目玉焼きとカリカリのベーコン。皮がこんがりの紅鮭。アツアツのなめこ入り味噌汁。大豆たっぷりのひじき。
ツナとトマトが乗ったグリーンサラダに、かぶと白菜の浅漬け。カップに入った納豆と1番遠くのガラス皿にはカットされたバナナとキウイが入ったヨーグルトまである。
なんて素晴らしい朝食なのだろうか。
そして何より存在感に満ち溢れているのは、天井につきそうになるくらいに盛られたご飯。
みのりんは俺を仕留めにかかってきている。
そんな彼女もビクトリーズカラーのピンク色エプロンを外して、向かいのテーブルに着く。
「新井くん、美味しい?」
「うん、めっちゃ美味いよ! 目玉焼きはいい具合に半熟だし、シャケの塩加減も抜群! 漬物の浸かり具合もサイコー! 盛りすぎて、立ち上がらないと白飯が食えないのが難点だけど……」
「ごめんね。ちょっと調子に乗っちゃった」
「ちょっとどころじゃないよ」
しかし、食費を渡しているとはいえ、こんな朝食を用意出来る子、今どきいるのかね。お兄さんは感激ですよ。こんな娘さんとお隣さんのお知り合いになれて。
「新井くん、今日はビクトリーズ勝てるかな?」
みのりんは味噌汁を啜りながら、心配そうな目をした。
ああ、勝てるさ! 俺が勝たせてみせるさ!
そう言ってあげたいが、アヘアヘ単打マンが何を言っているのと返されたら大ショックなのでそんな大見得はやめておいた。
「やっぱ野球はピッチャーだからね。今日先発が若手の小野里だから、彼次第かなー」
「そうなんだ。新井くんもたくさん打って、小野里君を援護してあげてね」
「おう! 任しとけ! 軽く3本はホームラン打ってやるからな」
「それは無理だよ。新井くんは欲張らずに、身の丈にあったバッティングをしっかりしてね」
みのりんはちょいちょい辛口だなあ。
そして、試合。
「小野里投げました!きわどいところ外れました! フォアボール! これで2アウト満塁! ビクトリーズ、吉野ピッチングコーチがマウンドに向かいます」
東北との3連戦の最後。
なんとか勝って9連敗は阻止したい試合は、互いの先発ピッチャーが素晴らしいピッチングで0行進。
しかし、7回。うちの先発小野里がピンチを迎えた。
ここまで若さを全面に押し出すような攻撃的なピッチングで東北打線を抑えていた。
が、さすがに100球を越えたところで疲れが見え始め、ヒット2本とフォアボールで2アウトながら満塁。
投手コーチのおじさんがベンチから現れ、間を取る。
点を取られれば試合が決まりかねない場面だが、交代はしないようだ。
無失点だし、頼りになるリリーフピッチャーもいないしなあ。
「バッターは、5番ファースト、金次」
ピッチングコーチがベンチに戻り、試合が再開される。
バッターが相手の5番打者。アベレージのいい左の好打者がバッターボックスに入る。
セットポジションに入る小野里。
キャッチャーの鶴石さんはバッターの膝元に構える。
一呼吸置いて投げる小野里。ボールは鶴石さんが構えたコースへ。
バッターもその厳しいコースを打ちにいく!
カンッ!
やった! 打ち取った!ファーストゴロ!
あ………。
「打球はなんとファーストベースに当たった! 高く跳ね上がってライトファウルゾーンへ転がる! 2塁ランナーも3塁を回った!」
みのりん……。
「いいえ、あたしの方があんたのこと愛しているわ。あんたもそうでしょう?あたしにはお見通しなんだから」
ギャル美……。君まで。
「ちょっと待って下さい!新井さん、わたしのこの大きなおっぱいがたまらなく好きなんですよね!?」
ポニテちゃん。そこまで豊満な胸元を押し付けてまで俺のことを……。
ああ、俺は一体誰を選べばいいんだ………。
「新井くん………新井くん………」
みのりん。やはりみのりんなのか………。
「新井くん、起きて。新井くん」
はっ!?
「………あら、山吹さん」
「おはよう、新井くん。もう起きる時間だよ」
誰を選ぶかはさておき、とりあえずさらけ出されたポニテちゃんの胸元にダイブしようとしたところで、俺は目を覚ました。
開け放たれたカーテンの向こう、眩しい朝の光を浴びたみのりんの微笑んだ顔がそこにはあった。
「新井くん。朝ご飯、食べる?」
「え? うん………」
あれ? どうして山吹さんが俺の部屋にいるのだろうか。部屋のカギを開けたままだったのかしら?
「山吹さん」
「なに?」
「ご飯、特盛で」
「うん、分かった」
まあ、可愛いからいいか。
出来ればあと1分、夢の中にいさせて欲しかったけどね。
まあ、その責任だけはこの眼鏡さんにとってもらうことにしよう。
「いただきまーす!」
「はい、どうぞ」
半熟の目玉焼きとカリカリのベーコン。皮がこんがりの紅鮭。アツアツのなめこ入り味噌汁。大豆たっぷりのひじき。
ツナとトマトが乗ったグリーンサラダに、かぶと白菜の浅漬け。カップに入った納豆と1番遠くのガラス皿にはカットされたバナナとキウイが入ったヨーグルトまである。
なんて素晴らしい朝食なのだろうか。
そして何より存在感に満ち溢れているのは、天井につきそうになるくらいに盛られたご飯。
みのりんは俺を仕留めにかかってきている。
そんな彼女もビクトリーズカラーのピンク色エプロンを外して、向かいのテーブルに着く。
「新井くん、美味しい?」
「うん、めっちゃ美味いよ! 目玉焼きはいい具合に半熟だし、シャケの塩加減も抜群! 漬物の浸かり具合もサイコー! 盛りすぎて、立ち上がらないと白飯が食えないのが難点だけど……」
「ごめんね。ちょっと調子に乗っちゃった」
「ちょっとどころじゃないよ」
しかし、食費を渡しているとはいえ、こんな朝食を用意出来る子、今どきいるのかね。お兄さんは感激ですよ。こんな娘さんとお隣さんのお知り合いになれて。
「新井くん、今日はビクトリーズ勝てるかな?」
みのりんは味噌汁を啜りながら、心配そうな目をした。
ああ、勝てるさ! 俺が勝たせてみせるさ!
そう言ってあげたいが、アヘアヘ単打マンが何を言っているのと返されたら大ショックなのでそんな大見得はやめておいた。
「やっぱ野球はピッチャーだからね。今日先発が若手の小野里だから、彼次第かなー」
「そうなんだ。新井くんもたくさん打って、小野里君を援護してあげてね」
「おう! 任しとけ! 軽く3本はホームラン打ってやるからな」
「それは無理だよ。新井くんは欲張らずに、身の丈にあったバッティングをしっかりしてね」
みのりんはちょいちょい辛口だなあ。
そして、試合。
「小野里投げました!きわどいところ外れました! フォアボール! これで2アウト満塁! ビクトリーズ、吉野ピッチングコーチがマウンドに向かいます」
東北との3連戦の最後。
なんとか勝って9連敗は阻止したい試合は、互いの先発ピッチャーが素晴らしいピッチングで0行進。
しかし、7回。うちの先発小野里がピンチを迎えた。
ここまで若さを全面に押し出すような攻撃的なピッチングで東北打線を抑えていた。
が、さすがに100球を越えたところで疲れが見え始め、ヒット2本とフォアボールで2アウトながら満塁。
投手コーチのおじさんがベンチから現れ、間を取る。
点を取られれば試合が決まりかねない場面だが、交代はしないようだ。
無失点だし、頼りになるリリーフピッチャーもいないしなあ。
「バッターは、5番ファースト、金次」
ピッチングコーチがベンチに戻り、試合が再開される。
バッターが相手の5番打者。アベレージのいい左の好打者がバッターボックスに入る。
セットポジションに入る小野里。
キャッチャーの鶴石さんはバッターの膝元に構える。
一呼吸置いて投げる小野里。ボールは鶴石さんが構えたコースへ。
バッターもその厳しいコースを打ちにいく!
カンッ!
やった! 打ち取った!ファーストゴロ!
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