実況!4割打者の新井さん
食事制限される新井さん1
「着いたぞー、バスから降りたら、ホテルのロビーで待っていてくれ」
試合をした札幌ドームからバスで20分ほど。一旦ドーム周辺の街中から離れ、広い国道を走り、歓楽街を横目に上り坂をぐぐっと上がった先にあった場所。
今日からの北海道遠征で宿泊するホテルに到着した。20階建てほどのなかなかリッチそうな外観のホテルだ。バスが停まったロータリーや出入口付近が暖色系のライトアップがされている。
側には、ちょっとした公園があり、玄関近くにはいくつものオブジェも飾られている。
ホテルの大型出入口。正面とはまた別の場所の前にバスが再度横付けされ、選手達が次々と降りていく。
俺も少しは気が晴れた様子のキッシーと他愛もない会話をしながら、大きな自動ドアを通ってホテルの中へ。
既に、チームスタッフ達が手分けして、たくさんの部屋のキーを監督やコーチ、主力の選手達に配っていく。
渡された選手は、順番にエレベーターの方に向かっていき、俺はその場に最後まで残された。
「すいません、お待たせしました。新井さんは、1033号室です」
なんで俺が最後やねん!
俺はそう思ったのは、チームのレギュラーの選手や監督、ヘッドコーチ辺りは、他のやつらよりもちょっといい部屋に割り当てられているからだ。
つまりは1番下っ端の俺は最後ってわけ。
部屋割りの用紙で確認してみると、9階と10階の2フロアを北関東ビクトリーズで貸し切り状態にしているようだ。
そして、監督や阿久津さんや鶴石さん辺りのレギュラー選手はちょっと高価な部屋に割り当てられているようだ。
俺や浜出などのルーキーや若手の1軍半の選手はノーマルな2人部屋。
しかし、それでも十分だ。
渡れたキーでババンとドアを開け放つ。
部屋に浴槽付きのシャワーがあるし、ベランダからの眺めもいい。冷蔵庫もちゃんとしたやつが備え付けられていて、テレビも大きい。
エアコンから変な匂いもしないし、ベッドも大きくてふかふかだ。あとはみのりんさえ側にいてくれたら言うことなし。
俺はさっさとチームジャージに着替えて、荷物を置いて部屋を出る。
まずは飯だ。ケータリングを多少詰め込んだのに、お腹がぐーぐー鳴って仕方がない。やはり1軍の試合に最後まで出ていたとなるとエネルギーの消費が激しい。
とにかく部屋を出てレストラン目指して廊下をダッシュ。
エレベーターのボタンを連打して、エレベーターが下に向かっている間も得意のコサックでさらに腹を減らす。
エレベーターのドアを開いたら、また猛ダッシュして、ダイニングルームにヘッドスライディングして長駆ホームインした。
まあ、元気は有り余っている。
俺はレストランに入場すると、ジャージの袖を捲りながら白い清潔な四角いお盆を手に取り、大きめのお皿を2枚乗せて銀色のカウンターレールを走らせる。
まずは肉。とにもかくにもまずはお肉だ。
和食コーナーは一旦スルーして、洋食コーナーまで来た俺は、ハンバーグとステーキをガバッとトングで掴みお皿にでんと乗せる。
さらにその横で輝く黄金ソースがかかったローストビーフちゃんを…………。
「新井さん!いけません!」
パチン!!
「いたっ!」
ローストビーフに手を伸ばそうとした俺の右手が叩かれた。
びっくりしながら横を向くと、そこにはチームジャージを着た、チームスタッフの女性がいた。
「新井さん! ですから、お肉ばっかり取ってはいけませんって!何度言ったら分かるんですか。またあなたがヘッドスライディングでやってきたから、危ないテンションだなと思っていたんですよ」
「だって、食べたい物を食べたいじゃない」
「ダメです。ちゃんと栄養バランスを考えて下さい」
右側の顔に垂れそうな黒い髪の毛にヘアピンを刺したその女性は、不満げに口を尖らし、俺のお盆からせっかくゲットしたごちそうを奪いとっていく。
「新井さんの今日のご飯は、これとこれとこれです」
俺のお盆。
ハンバーグout   焼魚in
ステーキout    海藻サラダin
ローストビーフout  豆乳スープin
なんてこった。
ひでえ。一方的なひでえトレードだ。
試合をした札幌ドームからバスで20分ほど。一旦ドーム周辺の街中から離れ、広い国道を走り、歓楽街を横目に上り坂をぐぐっと上がった先にあった場所。
今日からの北海道遠征で宿泊するホテルに到着した。20階建てほどのなかなかリッチそうな外観のホテルだ。バスが停まったロータリーや出入口付近が暖色系のライトアップがされている。
側には、ちょっとした公園があり、玄関近くにはいくつものオブジェも飾られている。
ホテルの大型出入口。正面とはまた別の場所の前にバスが再度横付けされ、選手達が次々と降りていく。
俺も少しは気が晴れた様子のキッシーと他愛もない会話をしながら、大きな自動ドアを通ってホテルの中へ。
既に、チームスタッフ達が手分けして、たくさんの部屋のキーを監督やコーチ、主力の選手達に配っていく。
渡された選手は、順番にエレベーターの方に向かっていき、俺はその場に最後まで残された。
「すいません、お待たせしました。新井さんは、1033号室です」
なんで俺が最後やねん!
俺はそう思ったのは、チームのレギュラーの選手や監督、ヘッドコーチ辺りは、他のやつらよりもちょっといい部屋に割り当てられているからだ。
つまりは1番下っ端の俺は最後ってわけ。
部屋割りの用紙で確認してみると、9階と10階の2フロアを北関東ビクトリーズで貸し切り状態にしているようだ。
そして、監督や阿久津さんや鶴石さん辺りのレギュラー選手はちょっと高価な部屋に割り当てられているようだ。
俺や浜出などのルーキーや若手の1軍半の選手はノーマルな2人部屋。
しかし、それでも十分だ。
渡れたキーでババンとドアを開け放つ。
部屋に浴槽付きのシャワーがあるし、ベランダからの眺めもいい。冷蔵庫もちゃんとしたやつが備え付けられていて、テレビも大きい。
エアコンから変な匂いもしないし、ベッドも大きくてふかふかだ。あとはみのりんさえ側にいてくれたら言うことなし。
俺はさっさとチームジャージに着替えて、荷物を置いて部屋を出る。
まずは飯だ。ケータリングを多少詰め込んだのに、お腹がぐーぐー鳴って仕方がない。やはり1軍の試合に最後まで出ていたとなるとエネルギーの消費が激しい。
とにかく部屋を出てレストラン目指して廊下をダッシュ。
エレベーターのボタンを連打して、エレベーターが下に向かっている間も得意のコサックでさらに腹を減らす。
エレベーターのドアを開いたら、また猛ダッシュして、ダイニングルームにヘッドスライディングして長駆ホームインした。
まあ、元気は有り余っている。
俺はレストランに入場すると、ジャージの袖を捲りながら白い清潔な四角いお盆を手に取り、大きめのお皿を2枚乗せて銀色のカウンターレールを走らせる。
まずは肉。とにもかくにもまずはお肉だ。
和食コーナーは一旦スルーして、洋食コーナーまで来た俺は、ハンバーグとステーキをガバッとトングで掴みお皿にでんと乗せる。
さらにその横で輝く黄金ソースがかかったローストビーフちゃんを…………。
「新井さん!いけません!」
パチン!!
「いたっ!」
ローストビーフに手を伸ばそうとした俺の右手が叩かれた。
びっくりしながら横を向くと、そこにはチームジャージを着た、チームスタッフの女性がいた。
「新井さん! ですから、お肉ばっかり取ってはいけませんって!何度言ったら分かるんですか。またあなたがヘッドスライディングでやってきたから、危ないテンションだなと思っていたんですよ」
「だって、食べたい物を食べたいじゃない」
「ダメです。ちゃんと栄養バランスを考えて下さい」
右側の顔に垂れそうな黒い髪の毛にヘアピンを刺したその女性は、不満げに口を尖らし、俺のお盆からせっかくゲットしたごちそうを奪いとっていく。
「新井さんの今日のご飯は、これとこれとこれです」
俺のお盆。
ハンバーグout   焼魚in
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