実況!4割打者の新井さん
ヒーローインタビューをしたい新井さん5
「打球はセンターの前に抜ける!3塁ランナーに続いて、2塁ランナーも返ってきた! 返ってきた!! ホームイーン! ビクトリーズ逆転! 4ー3! 新井が見事に打ちました!!逆転の2点タイムリー!!」
飛び付いたセカンドの横を打球が抜けていった後は、1塁ベースに向かいながら、逆転の2塁ランナーに走れ! 死ぬ気で走れと、俺はひたすら叫んでいた。
走りまくれ!走って、走って、バックホームされたボールをさりげなく蹴っ飛ばして、打った俺までホームイン出来るくらい蹴っ飛ばせとそんな思いだった。
よく考えなくても、打球はヨワヨワだったから内野を抜けたらクソ鈍足でも返ってこられるタイミングだったんだけど。
一瞬熱くなっちまった。ヒーローインタビューがかかっているんですもの。
2塁からノースラで足の速い守谷ちゃんは悠々ホームイン。
ホームインした2人は、俺に向かって、よっしゃあと、何度も拳を上げる。
ベンチにいたチームメイト達も、ベンチから身を乗り出すようにして、ガッツポーズしたり、1塁ベースにいる俺に向かって拍手したりと盛り上がっている。
当の打った俺は、とてもスマートな野球選手を目指しているので、いちいち大袈裟に反応したりはしない。お前ら落ち着けよと、そんな表情だ。
優勝が決まるサヨナラホームランくらいじゃないと、俺のガッツポーズはありませんよ。
「さあ、逆転したビクトリーズが8回の守りに向かいます。ご覧の選手が逆転タイムリーを放った新井です。背番号64番。今日2本目のヒットが、チームを救う逆転のタイムリーになりましたね、大谷さん」
「ええ。この選手はいい活躍しますねえ。ちょっと他の新人選手とも違って、余裕がありますね。これほど落ち着いて満塁の打席に入れる選手も珍しいですよ。選球眼もいいですしねえ。スカイスターズとしては、どっちつかずの中間守備が裏目に出ましたねえ。しかし、新井は低めの初球を打って、決していい当たりではなかったですが、積極的にいった結果でしょうね」
「デビューから凄まじい勢いでヒットを放ち、今日はスタメン出場。首位をひた走る東京スカイスターズ相手にも彼らしい、しぶといバッティングを見せてくれています」
「…………あっと、打ちました! これは高く上がった打球!東京スカイスターズ、8回先頭打者、平柳の打球がライトへ!打球は伸びる! 伸びていって、伸びていって…………入りましたー………。なんと逆転直後、平柳に痛恨の1発! これで、4ー4! 同点になりました。平柳に第6号のソロホームランです」
なにしてくれてんのよ。
俺のヒットで逆転したばかりじゃないのよ。
「北関東ビクトリーズ、ピッチャーの交代をお知らせします。ピッチャー、小野里に代わりまして、李。ピッチャーは、リ・ロンパオ」
同点ホームランを食らって、ようやくセットアッパーのロンパオをマウンドに送ったうちの首脳陣。
本来なら、1点リードの8回となれば、このロンパオをマウンドに送るのが本来のパターンなのだが。
前の回を投げていた小野里君がいいピッチングをしていたのでついつい回またぎで使いたくなったのだろう。もう1イニングくらいなら抑えてくれるかもしれないというスケベ心と、信頼出来るリリーフピッチャーが少ないという2つの要因か。
しかし、1点ビハインドが1点リードに変わり、小野里君のピッチングが僅かに変化した。
1点ビハインドのリリーフということで、楽に投げていた状況から、守らなければいけないという少し臆病なピッチングになった。
前の回までのように、ビュンビュン大胆に投げていた時とはやっぱり違ったもんね。
それが左打者のインコースにちょっと置きに行くように入ってくるボールになり、痛恨の1発を浴びてしまった。
「最後は空振り三振! この回、同点に追い付かれましたが、そのあとの李が見事に3人で抑えました!」
それでも、その後を受けた台湾人のもちゃ男がナイスピッチング。なんとか同点のままで踏み留まった。
          
飛び付いたセカンドの横を打球が抜けていった後は、1塁ベースに向かいながら、逆転の2塁ランナーに走れ! 死ぬ気で走れと、俺はひたすら叫んでいた。
走りまくれ!走って、走って、バックホームされたボールをさりげなく蹴っ飛ばして、打った俺までホームイン出来るくらい蹴っ飛ばせとそんな思いだった。
よく考えなくても、打球はヨワヨワだったから内野を抜けたらクソ鈍足でも返ってこられるタイミングだったんだけど。
一瞬熱くなっちまった。ヒーローインタビューがかかっているんですもの。
2塁からノースラで足の速い守谷ちゃんは悠々ホームイン。
ホームインした2人は、俺に向かって、よっしゃあと、何度も拳を上げる。
ベンチにいたチームメイト達も、ベンチから身を乗り出すようにして、ガッツポーズしたり、1塁ベースにいる俺に向かって拍手したりと盛り上がっている。
当の打った俺は、とてもスマートな野球選手を目指しているので、いちいち大袈裟に反応したりはしない。お前ら落ち着けよと、そんな表情だ。
優勝が決まるサヨナラホームランくらいじゃないと、俺のガッツポーズはありませんよ。
「さあ、逆転したビクトリーズが8回の守りに向かいます。ご覧の選手が逆転タイムリーを放った新井です。背番号64番。今日2本目のヒットが、チームを救う逆転のタイムリーになりましたね、大谷さん」
「ええ。この選手はいい活躍しますねえ。ちょっと他の新人選手とも違って、余裕がありますね。これほど落ち着いて満塁の打席に入れる選手も珍しいですよ。選球眼もいいですしねえ。スカイスターズとしては、どっちつかずの中間守備が裏目に出ましたねえ。しかし、新井は低めの初球を打って、決していい当たりではなかったですが、積極的にいった結果でしょうね」
「デビューから凄まじい勢いでヒットを放ち、今日はスタメン出場。首位をひた走る東京スカイスターズ相手にも彼らしい、しぶといバッティングを見せてくれています」
「…………あっと、打ちました! これは高く上がった打球!東京スカイスターズ、8回先頭打者、平柳の打球がライトへ!打球は伸びる! 伸びていって、伸びていって…………入りましたー………。なんと逆転直後、平柳に痛恨の1発! これで、4ー4! 同点になりました。平柳に第6号のソロホームランです」
なにしてくれてんのよ。
俺のヒットで逆転したばかりじゃないのよ。
「北関東ビクトリーズ、ピッチャーの交代をお知らせします。ピッチャー、小野里に代わりまして、李。ピッチャーは、リ・ロンパオ」
同点ホームランを食らって、ようやくセットアッパーのロンパオをマウンドに送ったうちの首脳陣。
本来なら、1点リードの8回となれば、このロンパオをマウンドに送るのが本来のパターンなのだが。
前の回を投げていた小野里君がいいピッチングをしていたのでついつい回またぎで使いたくなったのだろう。もう1イニングくらいなら抑えてくれるかもしれないというスケベ心と、信頼出来るリリーフピッチャーが少ないという2つの要因か。
しかし、1点ビハインドが1点リードに変わり、小野里君のピッチングが僅かに変化した。
1点ビハインドのリリーフということで、楽に投げていた状況から、守らなければいけないという少し臆病なピッチングになった。
前の回までのように、ビュンビュン大胆に投げていた時とはやっぱり違ったもんね。
それが左打者のインコースにちょっと置きに行くように入ってくるボールになり、痛恨の1発を浴びてしまった。
「最後は空振り三振! この回、同点に追い付かれましたが、そのあとの李が見事に3人で抑えました!」
それでも、その後を受けた台湾人のもちゃ男がナイスピッチング。なんとか同点のままで踏み留まった。
          
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