実況!4割打者の新井さん
中華を食べたい新井さん4
「この3試合見ただけですけど、新井くんは選球眼がいいですねえ。ほとんどボール球に手を出しませんし。そして今のように決めにいった変化球を打つのが本当に上手いですから。バッテリーは苦労するでしょうね」
「ええ。今のヒットも低めの決して悪い球ではありませんでしたね。バッティングの体勢としてもかなり泳ぐような格好になりましたが」
「やはりボールが見えていますからね。2ストライクに追い込まれてもある程度余裕があるんですよ、このバッターには。それでいてしっかりライト方向のヒットゾーンにおっつけてきますし、今のように引っ張ってもヒットに出来ますから」
「なるほどー。………3番阿久津は初球攻撃! これはショートの正面。………2塁フォースアウトでスリーアウトチェンジです。この回、新井のプロ初タイムリーが飛び出しまして、ビクトリーズが6ー4。2点リードです!」」
「イエーイ! ナイバッチン!」
「ナイスバッティング!」
「新井さん! ナイバッチっす!」
「はい、どーも、どーも! ………痛いよ!」
2塁でアウトになり、3塁ベンチに戻ると、チームメイト達に騒がしく出迎えられた。
みんな俺の背中や、かわいいおケツをバチンバチン叩きやがって。
俺のおケツはみのりんにしか許してないからね!
ニヤニヤして俺のかわいいおケツを触ろうとするチームメイト達から逃げるようにグローブを持って、キャップをかぶって、レフトの守備位置へと走り出す。
自分の1打で勝ち越し、スタジアムの雰囲気をひっくり返した。その直後に守備位置へと向かう時間というのはなんだか優越に浸れるものだったりする。
ニンマリしながらレフトに向かって走っていると…………。
「あらいー!!」
「ときひとー! ナイスバッティング!」
「新井さーん! ナイスタイムリー」
「新井、ありがとう! お前だけだよ!!」
レフトの守備位置に就こうすると、周りを取り囲むビクトリーズファンの声がよく聞こえる。
みんな手やピンク色のタオルを振ったり拍手をしたり。
おじさんの声や若い女の人の声もするし、誉めてんだかヤジなんだか分からない酔っぱらいの声も聞こえる。
そして応援団からは………。
ドン! ドン! ドン!
「アライ! アライ! アライ!」
ドン!ドン!ドン!
「アライ! アライ! アライ!」
見上げたレフトスタンドを陣取るピンク色の集団から、まさかのアライコール。
それが大音量で耳に届くと、なんだかここにくるまでにあった28年間のいろいろなことを思い出し、目頭がじんわりと熱くなってきた。
一生懸命応援してくれている大勢のファン前で帽子を取り、深々と頭を下げると、またその大勢のファンから今度は大きな拍手が巻き起こった。
「9回ウラ、横浜ベイエトワールズの攻撃は、4番レフト、筒薫」
俺の勝ち越しタイムリーで6ー4とリードしたまま、9回ウラ、横浜の攻撃を迎える。ここを抑えれば勝ち。連敗ストップだ。
マウンド上には、うちのチームのストッパーを務めている岸田ことキッシー。
MAX150キロオーバーのストレートに落差のあるフォークボールが武器の右ピッチャーだ。
このままいけば、なんとか3連敗は免れるかなと思い、試合後のヒーローインタビューはもしかしたら俺なのかなと考えてみる。
俺のヒットで勝ち越してそのまま試合が終われば、やはり新井さんお願いしますとそういう流れになるのは当然だろう。
まあビジターの横浜スタジアムでのヒーローインタビューだから、過ぎたおふざけは許されないだろうけど、ファンに初めてする挨拶の場としては十分だろう。
柴ちゃんも連城君もやってたし、そろそろ俺もヒーローインタビューなるものを嗜んでもバチは当たらないだろう。
そんな風に考えていたら、相手4番の痛烈な打球が炸裂した。
「これはいい当たりだ! 打球は右中間………破りました! 筒薫は悠々と2塁へ!」
柴ちゃんと桃ちゃんが追いかける右中間のど真ん中を切り裂き、ワンバウンドで打球はフェンスに到達。
あらあら。
いきなりツーベース打たれてるけど大丈夫かしら?
「ええ。今のヒットも低めの決して悪い球ではありませんでしたね。バッティングの体勢としてもかなり泳ぐような格好になりましたが」
「やはりボールが見えていますからね。2ストライクに追い込まれてもある程度余裕があるんですよ、このバッターには。それでいてしっかりライト方向のヒットゾーンにおっつけてきますし、今のように引っ張ってもヒットに出来ますから」
「なるほどー。………3番阿久津は初球攻撃! これはショートの正面。………2塁フォースアウトでスリーアウトチェンジです。この回、新井のプロ初タイムリーが飛び出しまして、ビクトリーズが6ー4。2点リードです!」」
「イエーイ! ナイバッチン!」
「ナイスバッティング!」
「新井さん! ナイバッチっす!」
「はい、どーも、どーも! ………痛いよ!」
2塁でアウトになり、3塁ベンチに戻ると、チームメイト達に騒がしく出迎えられた。
みんな俺の背中や、かわいいおケツをバチンバチン叩きやがって。
俺のおケツはみのりんにしか許してないからね!
ニヤニヤして俺のかわいいおケツを触ろうとするチームメイト達から逃げるようにグローブを持って、キャップをかぶって、レフトの守備位置へと走り出す。
自分の1打で勝ち越し、スタジアムの雰囲気をひっくり返した。その直後に守備位置へと向かう時間というのはなんだか優越に浸れるものだったりする。
ニンマリしながらレフトに向かって走っていると…………。
「あらいー!!」
「ときひとー! ナイスバッティング!」
「新井さーん! ナイスタイムリー」
「新井、ありがとう! お前だけだよ!!」
レフトの守備位置に就こうすると、周りを取り囲むビクトリーズファンの声がよく聞こえる。
みんな手やピンク色のタオルを振ったり拍手をしたり。
おじさんの声や若い女の人の声もするし、誉めてんだかヤジなんだか分からない酔っぱらいの声も聞こえる。
そして応援団からは………。
ドン! ドン! ドン!
「アライ! アライ! アライ!」
ドン!ドン!ドン!
「アライ! アライ! アライ!」
見上げたレフトスタンドを陣取るピンク色の集団から、まさかのアライコール。
それが大音量で耳に届くと、なんだかここにくるまでにあった28年間のいろいろなことを思い出し、目頭がじんわりと熱くなってきた。
一生懸命応援してくれている大勢のファン前で帽子を取り、深々と頭を下げると、またその大勢のファンから今度は大きな拍手が巻き起こった。
「9回ウラ、横浜ベイエトワールズの攻撃は、4番レフト、筒薫」
俺の勝ち越しタイムリーで6ー4とリードしたまま、9回ウラ、横浜の攻撃を迎える。ここを抑えれば勝ち。連敗ストップだ。
マウンド上には、うちのチームのストッパーを務めている岸田ことキッシー。
MAX150キロオーバーのストレートに落差のあるフォークボールが武器の右ピッチャーだ。
このままいけば、なんとか3連敗は免れるかなと思い、試合後のヒーローインタビューはもしかしたら俺なのかなと考えてみる。
俺のヒットで勝ち越してそのまま試合が終われば、やはり新井さんお願いしますとそういう流れになるのは当然だろう。
まあビジターの横浜スタジアムでのヒーローインタビューだから、過ぎたおふざけは許されないだろうけど、ファンに初めてする挨拶の場としては十分だろう。
柴ちゃんも連城君もやってたし、そろそろ俺もヒーローインタビューなるものを嗜んでもバチは当たらないだろう。
そんな風に考えていたら、相手4番の痛烈な打球が炸裂した。
「これはいい当たりだ! 打球は右中間………破りました! 筒薫は悠々と2塁へ!」
柴ちゃんと桃ちゃんが追いかける右中間のど真ん中を切り裂き、ワンバウンドで打球はフェンスに到達。
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