実況!4割打者の新井さん
新井さん、勝利の味を知る。
「ピッチャー、リ・ロンパオ。セットポジションから第4球を投げました! 打ち取った! 高く上がった内野フライは、サードの阿久津が落下点! 3打席連続の2ランホームランを放った試合のウイニングボールを今掴みました! 試合終了!! 6ー2! 北関東ビクトリーズ、交流戦明けの初戦を白星で飾りました!!」
ベンチ裏に入って栃木県は佐野産の美味しいかんぴょうが入ったおにぎりを食べながらこっそりと試合が終わる瞬間を見ていた。
最後は今日の試合大活躍だった! 阿久津さんのところにフライが上がり、それを掴むとスタンドからピンク色ジェット風船が上がった。
グラウンドでは全選手とコーチ、裏方さんもみんな出て来て、縦に長く2列に並んでハイタッチし始めたので、俺もおにぎりをもぐもぐしながら、慌ててグラウンドに出る。
イエーイ! イエーイ! フー!!超! エキサイティング!!
などと、俺他の選手より数段ハイテンションハイタッチしながら、監督と思われるおじさんが来たら、最後まで俺を使って下さいよと意見しながら、勝利の味を噛み締めた。
今日は多少勝利に貢献したので気分がいい。
これが勝つ喜び。ファンと勝利の喜びを分かつ誇らしさ。
俺はそんなものを感じながら、今日ノーヒットなのにヘラヘラハイタッチしていた浜出君をビクトリーズのマスコット、ビック君とトリーズちゃんと一緒にプロレス技をかけたりしてしばらくグラウンドで遊んでいた。
「さあ、グラウンドでは新井だけまだ残っておりまして、マスコットの2人と楽しそうにプロレスで遊んでいるようですが、その横では、ヒーローインタビューの準備が進められています。大谷さん、今日のヒーローは彼しかいないですね!」
「ええ。先発の広本もいいピッチングしましたし、新井も初スタメンで頑張りましたが、阿久津でしょうねえ」
「ビクトリーズファンの皆様、お待たせ致しました!こちら放送席、今日のヒーローは、自身初となる3打席連続ホームラン! チーム全打点を叩き出しました、阿久津雅人選手に来ていただきました! 阿久津選手、ナイスバッティングでしたね!」
さてさて。
ヒーローインタビューまでの繋ぎも、もういいみたいだし、俺はロッカーに戻りますかねえ。
「ビック君、トリーズちゃん! バイバーイ!」
ヒーローインタビューやその後のファンサービスの盛り上げ役であるマスコット2人とお別れをして、俺はベンチに戻る。
ヘルメットをかぶって、グラブとバット、その他もろもろの荷物を持って、ベンチ裏からロッカーの方に向かう通路。
その前にあるホールは、記者やカメラマンも入れる取材エリア。ミックスゾーンになっており、今シーズン3勝目を上げた先発の広本さん。
その広本さんを好リードしたキャッチャーの鶴石さん。
8回から登板して、2イニングをピシャリ。
来日初セーブを上げた台湾人サウスポー、リ・ロンパオなどが記者に囲まれて取材を受けていた。
俺に取材? そんなのは存在しないようです。おかしくありませんか?
「あんたすごいじゃない! 見直したわ!!」
試合が終わり、今日は勝ったのでチームミーティングもないので、取材とか試合後の談話とかもなかったので、1分半でシャワーを浴びて、もらうもんもらって、ソッコーで家に帰った。
そして、いつものようにご飯を食べるためにみのりんの部屋に行くと、玄関でギャル美に抱きつかれた。
「なんだよ、くっつくなよ」
俺が引き剥がすと、ギャル美はニッコリと笑ってまた抱きつく。
なんだか様子がおかしいなあと思ったら、すげい酒くさい。
もうだいぶ飲んでいるようだ。
「マイさんたら、客席で、新井さんがヒットを1本打つ度に、ビールを1本イッキ飲みしていたんですよ。周りの観客の人も巻き込んだりして。3本飲んだくらいで出来上がってしまいまして」
ポニテちゃんがそう教えてくれた。
一体こいつは何をやってんだよ。めんどくさいなあ。
「ほら、俺ご飯食べたいんだから、そこどいて。ひきずるぞ」
「あーん。もうそっけないわねえ。……ヒック」
          
ベンチ裏に入って栃木県は佐野産の美味しいかんぴょうが入ったおにぎりを食べながらこっそりと試合が終わる瞬間を見ていた。
最後は今日の試合大活躍だった! 阿久津さんのところにフライが上がり、それを掴むとスタンドからピンク色ジェット風船が上がった。
グラウンドでは全選手とコーチ、裏方さんもみんな出て来て、縦に長く2列に並んでハイタッチし始めたので、俺もおにぎりをもぐもぐしながら、慌ててグラウンドに出る。
イエーイ! イエーイ! フー!!超! エキサイティング!!
などと、俺他の選手より数段ハイテンションハイタッチしながら、監督と思われるおじさんが来たら、最後まで俺を使って下さいよと意見しながら、勝利の味を噛み締めた。
今日は多少勝利に貢献したので気分がいい。
これが勝つ喜び。ファンと勝利の喜びを分かつ誇らしさ。
俺はそんなものを感じながら、今日ノーヒットなのにヘラヘラハイタッチしていた浜出君をビクトリーズのマスコット、ビック君とトリーズちゃんと一緒にプロレス技をかけたりしてしばらくグラウンドで遊んでいた。
「さあ、グラウンドでは新井だけまだ残っておりまして、マスコットの2人と楽しそうにプロレスで遊んでいるようですが、その横では、ヒーローインタビューの準備が進められています。大谷さん、今日のヒーローは彼しかいないですね!」
「ええ。先発の広本もいいピッチングしましたし、新井も初スタメンで頑張りましたが、阿久津でしょうねえ」
「ビクトリーズファンの皆様、お待たせ致しました!こちら放送席、今日のヒーローは、自身初となる3打席連続ホームラン! チーム全打点を叩き出しました、阿久津雅人選手に来ていただきました! 阿久津選手、ナイスバッティングでしたね!」
さてさて。
ヒーローインタビューまでの繋ぎも、もういいみたいだし、俺はロッカーに戻りますかねえ。
「ビック君、トリーズちゃん! バイバーイ!」
ヒーローインタビューやその後のファンサービスの盛り上げ役であるマスコット2人とお別れをして、俺はベンチに戻る。
ヘルメットをかぶって、グラブとバット、その他もろもろの荷物を持って、ベンチ裏からロッカーの方に向かう通路。
その前にあるホールは、記者やカメラマンも入れる取材エリア。ミックスゾーンになっており、今シーズン3勝目を上げた先発の広本さん。
その広本さんを好リードしたキャッチャーの鶴石さん。
8回から登板して、2イニングをピシャリ。
来日初セーブを上げた台湾人サウスポー、リ・ロンパオなどが記者に囲まれて取材を受けていた。
俺に取材? そんなのは存在しないようです。おかしくありませんか?
「あんたすごいじゃない! 見直したわ!!」
試合が終わり、今日は勝ったのでチームミーティングもないので、取材とか試合後の談話とかもなかったので、1分半でシャワーを浴びて、もらうもんもらって、ソッコーで家に帰った。
そして、いつものようにご飯を食べるためにみのりんの部屋に行くと、玄関でギャル美に抱きつかれた。
「なんだよ、くっつくなよ」
俺が引き剥がすと、ギャル美はニッコリと笑ってまた抱きつく。
なんだか様子がおかしいなあと思ったら、すげい酒くさい。
もうだいぶ飲んでいるようだ。
「マイさんたら、客席で、新井さんがヒットを1本打つ度に、ビールを1本イッキ飲みしていたんですよ。周りの観客の人も巻き込んだりして。3本飲んだくらいで出来上がってしまいまして」
ポニテちゃんがそう教えてくれた。
一体こいつは何をやってんだよ。めんどくさいなあ。
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