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実況!4割打者の新井さん

わーたん

また2軍暮らしですわよ。

5月31日 交流戦最終戦

ビクトリーズスタジアム 観客  17820人

愛知  200 320 221 12

北関東 101 410 310 11

勝石山 2勝2敗 負高原 2敗  S 今洞 1勝1敗6S

本塁打

愛知  片山 7号2ラン(1回) 横尾 4号ソロ(9回)

北関東 赤月 5号3ラン(7回)

愛知が両軍合わせて30安打23得点の打撃戦を制した。逆転された4回、愛知は先制ホームランの片山が走者一掃のタイムリーツーベースを放ち1点差に迫ると、同点で迎えた9回には、横尾の値千金の勝ち越しソロが土壇場で飛び出し勝ち越しに成功した。

今洞が2日連続で最終回を締めて6S目。敗れた北関東は相手の打線を投手陣が止められず痛い逆転負け。最下位で交流戦を終えた。










「あーあ。負けたわねー。交流戦最後の試合も」

みのりんの部屋で、3人娘と一緒にビクトリーズの試合をテレビ観戦しながら、ご飯を食べていた。

そして、最後のバッターとなった柴ちゃんが空振り三振に倒れ試合が終了すると、ギャル美が悔しがって自らの太ももをぺちんと叩いた。

「もー、ちょっとー! どうして負けるのよ!」

弱いからだよ。

試合時間が4時間を越えて、12対11なんて総力戦の打撃戦になった試合を落とすなんて相当なダメージだぞ。

もう無理だ。開幕した時にはもう気付いていたけど、北関東ビクトリーズはダメだ。最下位脱出さえも夢のまた夢な気がしてきた。

そんな中、ポニテのさやかちゃんが立ち上がる。

「こうなったらあれですね! 新井さんが1軍に上がって活躍するしかないですね! もしそうなったら、本当に私は年間シート買いますから!今からでも買いますから!」

ああ、そんなおっぱい揺らして興奮しなくても。

その言葉自体は嬉しいけれども。




「まあまあしかし、さやかちゃん。まだご飯の途中なんだから落ち着きなさい。お行儀が悪いですよ」

俺が指摘してやると、みのりんとギャル美にも視線を向けられたポニテちゃんがはっとした様子で椅子に座り直す。

「す、すみません。つい熱くなってしまいました……」

「まあ、気持ちは分かるよ。俺だって、今にもマンション中の部屋を全てピンポンダッシュしてきたいくらいさ」

「新井くん? 絶対やめてね?」

「分かっとるわ」

みのりんに冷たい視線を向けられた。それがたまらない。

お礼に俺は3人娘に手品を披露することにした。

「君たち、かわい子ちゃん3人組に俺の特殊な能力をご覧に入れましょう」

「なによ、あんたの特殊な能力って」

意外にも、ギャル美が1番に食いついてきた。

そして俺はポケットからスマホを取り出した。






俺はポケットから取り出したスマホをポニテちゃんの谷間に挟んで俺が無事でいられるほどまだそれほど好感度は高くないので、素直にテーブルの上に置く。

「ここに俺のスマホがあります」

「それで?」

「そうだなあ。今から1時間以内に、このスマホに電話がかかってくるでしょう。相手は、1軍監督室か球団マネージャーか。もしかしたら、ヘッドコーチ辺りかもしれない。ともかく、野球のおじさんから電話がかかってくる」

「うんうん」

晩ごはんの片付けを終えたみのりんもテーブルに着く。

「電話の内容はこうだ。非常に私達は今危機的状況にある。1番の問題は、あまりにも貧弱な今の打線。もう交流戦も終わり、オールスターまでの間に前半戦の勝負どころがやってくるのに、12球団で最も低いチーム打率.212では、他球団との差はさらに広がるばかりだ。

そこで私達は、最後のカードを切ることにした。そのカードとは、入団テストからドラフト最下位で入団した28歳の男だ。その男に今1度1軍でチャンスを与え、チームが浮上するきっかけになって欲しい。……………ま、こんなとこかな」

と、言い終わったところで、俺のスマホがけたたましく鳴り響いた。

相手は、1軍監督からだ。

          

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