実況!4割打者の新井さん
急に出番の新井さん。
「いやー、一仕事終わった後のアイスティーは最高ですなあ」
さすがにもうエプロンを外した俺は、グラスいっぱいにアイスティーをぐいっと飲み干す。
ランニングよりも渇いたのどに、美味しいアイスティーが流れ込む。
「いやー、突然でしたね。急にホットドッグのオーダーがあんなに入るなんて」
ようやく店内が落ち着き、ぶるんぶるん揺らして接客していたポニテちゃんも戻ってきた。
確かに急にホットドッグがバカ売れしたなあ。しかも女性客が大口を開けてホットドッグを頬張っていたよね。
「それは君があんなに美味しそうにホットドッグを食べていたからねー」
「確かにそうですね。新井さんが食べていると、5割増しで美味しそうに見えるんですよね」
「いやー、だって本当に美味しかったですもん。毎日でも食べたいくらい」
俺がそう言うと、店長さんは照れて照れて、俺の背中をバンバンと叩く。
「嬉しいこと言ってくれるねえ、君は! 野球選手じゃなかったら、副店長にして側に置いておきたいよ! はっはっはっ!!」
「こらぁ、新井くん! なにしとったんや! 10キロ走るには、時間がかかりすぎやで! いつもはもっと速いやないか!」
シェルバーでの体験アルバイトを終えた俺が2軍の練習場にだいぶ予定より遅くなって到着すると、関西弁コーチがご立腹だった。
「すみません。途中でちょっとバテてしまいまして………」
時計に目をやると、もう時刻は1時を回ろうとしていたのだ。やばい、怒られる!! と思ったが、コーチはいつもと様子が違った。
「もう始まる2軍の試合に、新井くんスタメン出場やで! 早くユニフォームに着替えるんや!!」
「マジで!? イヤッホーイ!!」
試合と聞いて喜び、アルバイトの疲れも吹き飛んだ俺は、小躍りしながらロッカールームへと駆け込む。
シャワーを浴びる時間もなく、ランニングから帰ってトレーニングウェアからアンダーシャツに着替えて、だせえピンク色のストライプユニフォームに着替える。
スラパン履いて、靴下とストッキングを履いて、キャップを被って、バットとグラブと手に、ヘルメットを脇に挟んで俺は急いでベンチへと飛び込んだ。
「おー、新井遅かったじゃないか! もうシートノックも終わってしまったぞ。キャッチボールだけしておけ」
ベンチに入り、グラウンドを見てみると、両チームのシートノックは終了してしまったようで、スタッフによるグラウンド整備が行われているところだった。
俺は知らない選手を捕まえて、キャッチボールを始める。
「ただいまより、イースタンリーグ、北関東ビクトリーズ対埼玉ブルーレオンズの第6回戦開始に先立ちまして、両チームのスターティングメンバー、並びに本試合の審判をご紹介いたします。………まずは、先攻の埼玉ブルーレオンズ。………1番、センター富谷。背番号9」
まずは相手の埼玉の選手が呼ばれ、電光掲示板が埋まっていく。
そして、キャッチボールでようやく肩が温まってきた頃、うちのチームの下位打線が紹介される。
「8番キャッチャー、北野」
「9番レフト、新井。背番号64」
まーた、北野君が8番で、俺が9番かよ。
1軍で前村からヒット打ったのに。
2軍のみんなは知らないのかね。
          
さすがにもうエプロンを外した俺は、グラスいっぱいにアイスティーをぐいっと飲み干す。
ランニングよりも渇いたのどに、美味しいアイスティーが流れ込む。
「いやー、突然でしたね。急にホットドッグのオーダーがあんなに入るなんて」
ようやく店内が落ち着き、ぶるんぶるん揺らして接客していたポニテちゃんも戻ってきた。
確かに急にホットドッグがバカ売れしたなあ。しかも女性客が大口を開けてホットドッグを頬張っていたよね。
「それは君があんなに美味しそうにホットドッグを食べていたからねー」
「確かにそうですね。新井さんが食べていると、5割増しで美味しそうに見えるんですよね」
「いやー、だって本当に美味しかったですもん。毎日でも食べたいくらい」
俺がそう言うと、店長さんは照れて照れて、俺の背中をバンバンと叩く。
「嬉しいこと言ってくれるねえ、君は! 野球選手じゃなかったら、副店長にして側に置いておきたいよ! はっはっはっ!!」
「こらぁ、新井くん! なにしとったんや! 10キロ走るには、時間がかかりすぎやで! いつもはもっと速いやないか!」
シェルバーでの体験アルバイトを終えた俺が2軍の練習場にだいぶ予定より遅くなって到着すると、関西弁コーチがご立腹だった。
「すみません。途中でちょっとバテてしまいまして………」
時計に目をやると、もう時刻は1時を回ろうとしていたのだ。やばい、怒られる!! と思ったが、コーチはいつもと様子が違った。
「もう始まる2軍の試合に、新井くんスタメン出場やで! 早くユニフォームに着替えるんや!!」
「マジで!? イヤッホーイ!!」
試合と聞いて喜び、アルバイトの疲れも吹き飛んだ俺は、小躍りしながらロッカールームへと駆け込む。
シャワーを浴びる時間もなく、ランニングから帰ってトレーニングウェアからアンダーシャツに着替えて、だせえピンク色のストライプユニフォームに着替える。
スラパン履いて、靴下とストッキングを履いて、キャップを被って、バットとグラブと手に、ヘルメットを脇に挟んで俺は急いでベンチへと飛び込んだ。
「おー、新井遅かったじゃないか! もうシートノックも終わってしまったぞ。キャッチボールだけしておけ」
ベンチに入り、グラウンドを見てみると、両チームのシートノックは終了してしまったようで、スタッフによるグラウンド整備が行われているところだった。
俺は知らない選手を捕まえて、キャッチボールを始める。
「ただいまより、イースタンリーグ、北関東ビクトリーズ対埼玉ブルーレオンズの第6回戦開始に先立ちまして、両チームのスターティングメンバー、並びに本試合の審判をご紹介いたします。………まずは、先攻の埼玉ブルーレオンズ。………1番、センター富谷。背番号9」
まずは相手の埼玉の選手が呼ばれ、電光掲示板が埋まっていく。
そして、キャッチボールでようやく肩が温まってきた頃、うちのチームの下位打線が紹介される。
「8番キャッチャー、北野」
「9番レフト、新井。背番号64」
まーた、北野君が8番で、俺が9番かよ。
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2軍のみんなは知らないのかね。
          
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