実況!4割打者の新井さん
3人娘は色どりみどり2
「今まで野球ってあまり見たことなかったんですけど。お店で新井さんのお世話をしてもらったチケットで試合に見に行ってからというもの……。
スタジアムの雰囲気と言いますか、野球の迫力というものに圧倒されてしまいまして。
……豪快なホームランがあるかと思えば、ピッチャーがすごく速いボールを投げたり、華麗な守備があったり、今日の新井さんのバントのような小技が光ったり。……そのなんと言いますか、年間指定席のチケットを買ってしまおうかと………」
「ええ!? 年間指定席? あれ、20万くらいするんじゃ……」
「ですから、それを買ってしまおうかと……」
「いや、山名さん。よく考えた方がいいよ。そんなもん買ってしまったら、うちのチームの負け試合をずっと見させられることに」
「それじゃあ、新井さんが勝たせて下さいよ」
「そーだ!そーだ! 勝たせろ、勝たせろ!」
ギャル美め。
「……そーだ……そーだ……」
みのりんまで。
「さあ、召し上がれ」
「「いただきまーす!!」」
今日のメニューは、揚げ茄子の甘辛たれと切り干し大根。キノコのお吸い物にハーブチキンサラダ。その他にも小鉢の料理が数種類。彩り豊かで、たくさんの品目を摂取することが出来る低カロリー高たんぱくなアスリート飯になっていた。
リビングの本棚を見るに、みのりんは俺のためにいろいろと勉強した様子で、思わず抱き締めたくなってしまう。
「山吹さん、おかわり!」
「はい。ちょっと待ってて」
みのりんが少し嬉しそうに俺のどんぶり茶碗を持って炊飯器を開ける。
「はやっ! あんた、もっとゆっくり食べなさいよ! チョー、ウケるんだけど」
ギャル美はそう言っていたが、彼女もほっぺたにご飯粒がついているので、全く説得力がない。
「いやー、山吹さんの作ったご飯が美味しくてつい………」
「分かりますけど、ダメですよ。新井さん。マイさんの言う通り、しっかり咀嚼して食べないといけませんよ。内蔵に負担がかかりますし、あと食べてから最低1時間は睡眠を取らないようにして下さい。胃が初期消化する際に体が寝ていると、返って睡眠効率が悪くなってしまうので」
「山名さん、ずいぶん詳しいね」
「ええ………。こう見えてもスポーツトレーナーに興味があって、スポーツ健康学を勉強しているので。目標は、アスレティックトレーナーの資格を取ることなんです」
ふーん。そうなんだ。
「いやー、でもあんたほんとにいいバントしたわね。さすがは私が見込んだだけの事はあったわね」
なにが見込んだだけの事はあったわねよ。ギャル美のやつ調子のいいことを。
「はい、お茶どーぞ。………新井くん。私も新井くんはとってもいい仕事をしたと思うよ」
「ありがとう、山吹さん。例えば、どんなところが?」
「えっと、きっちり初球をバント決めたところ。そして、バントを決めると、浮かれることなく、スマートにベンチに戻るところも。まさに仕事人」
「さすが山吹さん分かってるー。簡単な場面じゃないのよ、あのバントは。まずはそれまでにチームで2回バント失敗していて、無駄にプレッシャーがかかっていた」
「まあ、そうよね。あんたがバントの構えをしただけで、スタンドがざわざわしてたからね」
「それでいて、ランナー1、2塁という局面でプロ初打席にも関わらず、簡単にバントを決めてきたんだから、もっと評価してくれてもいいんじゃない?」
「でも、たった1回決めただけですよね。頑張ってもっと活躍して下さい、新井さん」
スタジアムの雰囲気と言いますか、野球の迫力というものに圧倒されてしまいまして。
……豪快なホームランがあるかと思えば、ピッチャーがすごく速いボールを投げたり、華麗な守備があったり、今日の新井さんのバントのような小技が光ったり。……そのなんと言いますか、年間指定席のチケットを買ってしまおうかと………」
「ええ!? 年間指定席? あれ、20万くらいするんじゃ……」
「ですから、それを買ってしまおうかと……」
「いや、山名さん。よく考えた方がいいよ。そんなもん買ってしまったら、うちのチームの負け試合をずっと見させられることに」
「それじゃあ、新井さんが勝たせて下さいよ」
「そーだ!そーだ! 勝たせろ、勝たせろ!」
ギャル美め。
「……そーだ……そーだ……」
みのりんまで。
「さあ、召し上がれ」
「「いただきまーす!!」」
今日のメニューは、揚げ茄子の甘辛たれと切り干し大根。キノコのお吸い物にハーブチキンサラダ。その他にも小鉢の料理が数種類。彩り豊かで、たくさんの品目を摂取することが出来る低カロリー高たんぱくなアスリート飯になっていた。
リビングの本棚を見るに、みのりんは俺のためにいろいろと勉強した様子で、思わず抱き締めたくなってしまう。
「山吹さん、おかわり!」
「はい。ちょっと待ってて」
みのりんが少し嬉しそうに俺のどんぶり茶碗を持って炊飯器を開ける。
「はやっ! あんた、もっとゆっくり食べなさいよ! チョー、ウケるんだけど」
ギャル美はそう言っていたが、彼女もほっぺたにご飯粒がついているので、全く説得力がない。
「いやー、山吹さんの作ったご飯が美味しくてつい………」
「分かりますけど、ダメですよ。新井さん。マイさんの言う通り、しっかり咀嚼して食べないといけませんよ。内蔵に負担がかかりますし、あと食べてから最低1時間は睡眠を取らないようにして下さい。胃が初期消化する際に体が寝ていると、返って睡眠効率が悪くなってしまうので」
「山名さん、ずいぶん詳しいね」
「ええ………。こう見えてもスポーツトレーナーに興味があって、スポーツ健康学を勉強しているので。目標は、アスレティックトレーナーの資格を取ることなんです」
ふーん。そうなんだ。
「いやー、でもあんたほんとにいいバントしたわね。さすがは私が見込んだだけの事はあったわね」
なにが見込んだだけの事はあったわねよ。ギャル美のやつ調子のいいことを。
「はい、お茶どーぞ。………新井くん。私も新井くんはとってもいい仕事をしたと思うよ」
「ありがとう、山吹さん。例えば、どんなところが?」
「えっと、きっちり初球をバント決めたところ。そして、バントを決めると、浮かれることなく、スマートにベンチに戻るところも。まさに仕事人」
「さすが山吹さん分かってるー。簡単な場面じゃないのよ、あのバントは。まずはそれまでにチームで2回バント失敗していて、無駄にプレッシャーがかかっていた」
「まあ、そうよね。あんたがバントの構えをしただけで、スタンドがざわざわしてたからね」
「それでいて、ランナー1、2塁という局面でプロ初打席にも関わらず、簡単にバントを決めてきたんだから、もっと評価してくれてもいいんじゃない?」
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