実況!4割打者の新井さん
そこまで嫌なの? 山吹さん。
「山吹さん」
「………はい」
「どうしてあの工場で働いていたことを隠していたの?本当は小説家じゃなかったってことだよね」
俺がそう聞いた時には、曲がった道もなかほどに差し掛かり、俺達が住むマンションの建物の端が見えてきていた。
すると、山吹さんの足の進みが少しだけゆっくりになった。
「初めてあなたを見た時。あなたが下の公園で素振りをしていて、バットを私の部屋に投げ込んでガラスを割った時。私は、変われるチャンスかもしれない。そう思ったの」
変われるチャンス。
「野球選手のあなたがいて、そのあなたが放り込んだ1本のバットが私と野球選手のあなたを繋ぐようなそんな気がしたの。あなたを大切にすれば、私が作家として成功するきっかけをくれるかもしれないそう思ったんだ」
山吹さんはそこまで言い切ると、少しだけ。ほんの少しだけだが、彼女の表情が楽になっていたように見えた。
彼女はさらに続ける。
「でもそれは私が新井くんと仲良くしようと思ったきっかけ。………工場で働いているのを隠していたのは、新井くんに嫌われたくなかったから………かな」
山吹さんがニコッと微笑みながらそう言った時、俺は胸の中から弾け飛んだものをぐっと飲み込んだ。
そうしなければ、 彼女の小さな体を思い切り抱き締めそうになってしまったからだ。
それをぐっとこらえた。こんなところで彼女を抱き締めて、お尻をさわさわしてしまってはそれこそ彼女に嫌われてしまう。
俺はそう考え、渾身の思いで我慢した。
「でも、新井くんから聞いた野球のお話を参考にして小説を書いているのはほんとだよ」
「あ、よかった。そうなんだ。じゃあ、見せて」
「……だめ」
「なんでだよ。ほら、いうほどまだ山吹さんはまだ野球に詳しくないわけだしさ。俺がちゃんと確認してあげるから見せてよ」
「………だめ」
「だからほら、聞いて山吹さん。野球ってさ、言葉も難しいし、野球を小説にしようとしたら、ちょっとした表現の違いで全然違う印象に…………」
「………だめ」
あー、分かったよ。そんな頑固なら俺にも考えがあるもんね。
「じゃあ、こうしよう。小説見せてくれないなら、おっぱいを見せてよ。君のその小振りで柔らかそうなおっぱいを。小説見せるか、おっぱいを俺に差し出すか選んでもらっていい?」
我ながらこれは名案だ。これならさすがに少しくらい小説を見せてくれるはず。
「分かった。あんまりじろじろは見ないでね………」
えっ!?
そう言って、真っ赤な顔になった山吹さんは周りには見えないように。側にいる俺だけに見えるように、着ているシャツを胸元までまくりあげて…………。
あかん、あかん! 野球の小説なんてどうでもよくなっちゃう。
俺は慌てて謝りながら、シャツをまくる彼女を止めたのだった。
「分かったよ。君がそこまで言うなら、じゃあ、小説を見るのは諦めるよ」
まさか本当にシャツをぺろんとしようとするなんて思わなかったので、俺はすっかり動揺してしまっていた。
かわいいおへそは見えたけれども。
いや、これは朝から縁起のいいものを目にすることが出来たと、そう考えることにしよう。
「新井くん。朝ごはん食べて行く?昨日の残り物だけど」
「え? いいの?」
「もちろん」
「ちなみに、メニューは?」
「肉じゃがときんぴらとあと、お味噌汁も残ってるかな?やっぱり新井くん食べてもらわないと余っちゃって……」
「よっしゃ! じゃあ、すぐに帰ろう。迅速に帰ろう」
「………新井くん? なにして………ひゃあ……」
腹が減って仕方ない俺は山吹さんを小脇に抱えてアスファルトの上を疾走。マンションまでお持ち帰りしてやった。
健全な意味でね!!
「………はい」
「どうしてあの工場で働いていたことを隠していたの?本当は小説家じゃなかったってことだよね」
俺がそう聞いた時には、曲がった道もなかほどに差し掛かり、俺達が住むマンションの建物の端が見えてきていた。
すると、山吹さんの足の進みが少しだけゆっくりになった。
「初めてあなたを見た時。あなたが下の公園で素振りをしていて、バットを私の部屋に投げ込んでガラスを割った時。私は、変われるチャンスかもしれない。そう思ったの」
変われるチャンス。
「野球選手のあなたがいて、そのあなたが放り込んだ1本のバットが私と野球選手のあなたを繋ぐようなそんな気がしたの。あなたを大切にすれば、私が作家として成功するきっかけをくれるかもしれないそう思ったんだ」
山吹さんはそこまで言い切ると、少しだけ。ほんの少しだけだが、彼女の表情が楽になっていたように見えた。
彼女はさらに続ける。
「でもそれは私が新井くんと仲良くしようと思ったきっかけ。………工場で働いているのを隠していたのは、新井くんに嫌われたくなかったから………かな」
山吹さんがニコッと微笑みながらそう言った時、俺は胸の中から弾け飛んだものをぐっと飲み込んだ。
そうしなければ、 彼女の小さな体を思い切り抱き締めそうになってしまったからだ。
それをぐっとこらえた。こんなところで彼女を抱き締めて、お尻をさわさわしてしまってはそれこそ彼女に嫌われてしまう。
俺はそう考え、渾身の思いで我慢した。
「でも、新井くんから聞いた野球のお話を参考にして小説を書いているのはほんとだよ」
「あ、よかった。そうなんだ。じゃあ、見せて」
「……だめ」
「なんでだよ。ほら、いうほどまだ山吹さんはまだ野球に詳しくないわけだしさ。俺がちゃんと確認してあげるから見せてよ」
「………だめ」
「だからほら、聞いて山吹さん。野球ってさ、言葉も難しいし、野球を小説にしようとしたら、ちょっとした表現の違いで全然違う印象に…………」
「………だめ」
あー、分かったよ。そんな頑固なら俺にも考えがあるもんね。
「じゃあ、こうしよう。小説見せてくれないなら、おっぱいを見せてよ。君のその小振りで柔らかそうなおっぱいを。小説見せるか、おっぱいを俺に差し出すか選んでもらっていい?」
我ながらこれは名案だ。これならさすがに少しくらい小説を見せてくれるはず。
「分かった。あんまりじろじろは見ないでね………」
えっ!?
そう言って、真っ赤な顔になった山吹さんは周りには見えないように。側にいる俺だけに見えるように、着ているシャツを胸元までまくりあげて…………。
あかん、あかん! 野球の小説なんてどうでもよくなっちゃう。
俺は慌てて謝りながら、シャツをまくる彼女を止めたのだった。
「分かったよ。君がそこまで言うなら、じゃあ、小説を見るのは諦めるよ」
まさか本当にシャツをぺろんとしようとするなんて思わなかったので、俺はすっかり動揺してしまっていた。
かわいいおへそは見えたけれども。
いや、これは朝から縁起のいいものを目にすることが出来たと、そう考えることにしよう。
「新井くん。朝ごはん食べて行く?昨日の残り物だけど」
「え? いいの?」
「もちろん」
「ちなみに、メニューは?」
「肉じゃがときんぴらとあと、お味噌汁も残ってるかな?やっぱり新井くん食べてもらわないと余っちゃって……」
「よっしゃ! じゃあ、すぐに帰ろう。迅速に帰ろう」
「………新井くん? なにして………ひゃあ……」
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