実況!4割打者の新井さん
プロ野球選手になりましたが………?2
各々持ってきた勝負ジャージに着替え、軽くウォーミングアップをして200メートルのトラックがあるエリアに移動。
まずはスプリント勝負。
ドラ1とドラ2。ドラ3とドラ4という組み合わせということは、俺の隣を走るのは同じテスト組の柴崎。
パチンコ屋に朝から並んで狙い台をゲットしたのに、財布を忘れた! という悲劇を思い出しながら死に物狂いで走ったのだが……。
「おっ! 柴崎速いな! 5秒9! 新井は6秒4!」
はあっ! はあっ! はあっ!
くそっ。なんでまた50メートル走を柴崎と走らなきゃいけないんだよ。
プロテストの時と同じじゃねえか。
俺が遅く見えるだろうが。
ドラフト1位から2人ずつ順に50メートル走のタイムを計った。
すなわち、ドラ9の位の柴ちゃんとドラ10の俺のスプリントバトルになったわけだが、俺が勝てるはずもない。
冷たい風がビュービュー吹いていて、俺は何回も風に飛ばされて転倒していたのに。
柴ちゃんは低い態勢からスタートダッシュを決めると、向かい風をもろともせず、あっという間に隣を走る俺を置き去りにした。
俺にはこれしかないっすから。と柴ちゃんは照れ笑いしていたけど。
陸上競技用のトラックの上でランニングシューズなのに、凄い走り出しの速さだなと、感心してしまった。
近いうちに、1軍の試合で盗塁を決める柴ちゃんの姿を俺は勝手に思い描いていた。
「ほらー、新井ー! 頑張れー!!」
「新井さーん! あとちょっとすよー!!」
小さい頃から、運動だけは得意だった俺が3000メートル走ではぶっちぎりの最下位で、みんなに励まされながらゴールすることになるとは。
「はーい、お疲れさん。新井のタイムは12分20秒な。プロにしては遅いぞ。頑張れよー」
タイムを計測して、用紙に記入している投手コーチが、ゼーハーゼーハーしながら、グラウンドに横たわる俺を見てニヤニヤしている。
「よーし、次は体育館に移動だ!時間ないから急げ」
「「ううっす!」」
俺はまだ倒れたまま、ゾンビになっている状態なのに、コーチ陣をはじめとして、他の新人選手達もスタスタと足早に去っていってしまう。
「新井さーん。お先っす!」
「ちょっと待ってくれーい!」
「だらだらしてると、また怒られますよー!」
柴ちゃんまで………。ひどい。この人達はどうかしているよ。
「大丈夫ですか? タオル落としてますよ」
「ああ、悪いね。サンキュー!」
声をかけてきたその人は、俺を抱き起こしながら、地面に落ちていたタオルを俺の首にかけた。
顔を上げると、同じ3000メートルを走った人間とは思えない爽やかな表情をしている。
ドラフト1位指名された連城だ。北関東大学No.1右腕と評価された本格派右腕。
一体いくつの大学があるのか分からない、あくまで北関東No.1という触れ込みだが。
俺が随分と余裕な顔をしているな、兄ちゃんよと話しかけると。
大学時代は毎日吐く寸前まで走り込みしてましたからと、彼は答えた。
185センチ85キロの立派な体格。ジャージの上からでも、胸板と太ももの筋肉がよく鍛えられているのかよく分かる。
ただ、俺の膝カックンは避けれなかったけどね!!
まずはスプリント勝負。
ドラ1とドラ2。ドラ3とドラ4という組み合わせということは、俺の隣を走るのは同じテスト組の柴崎。
パチンコ屋に朝から並んで狙い台をゲットしたのに、財布を忘れた! という悲劇を思い出しながら死に物狂いで走ったのだが……。
「おっ! 柴崎速いな! 5秒9! 新井は6秒4!」
はあっ! はあっ! はあっ!
くそっ。なんでまた50メートル走を柴崎と走らなきゃいけないんだよ。
プロテストの時と同じじゃねえか。
俺が遅く見えるだろうが。
ドラフト1位から2人ずつ順に50メートル走のタイムを計った。
すなわち、ドラ9の位の柴ちゃんとドラ10の俺のスプリントバトルになったわけだが、俺が勝てるはずもない。
冷たい風がビュービュー吹いていて、俺は何回も風に飛ばされて転倒していたのに。
柴ちゃんは低い態勢からスタートダッシュを決めると、向かい風をもろともせず、あっという間に隣を走る俺を置き去りにした。
俺にはこれしかないっすから。と柴ちゃんは照れ笑いしていたけど。
陸上競技用のトラックの上でランニングシューズなのに、凄い走り出しの速さだなと、感心してしまった。
近いうちに、1軍の試合で盗塁を決める柴ちゃんの姿を俺は勝手に思い描いていた。
「ほらー、新井ー! 頑張れー!!」
「新井さーん! あとちょっとすよー!!」
小さい頃から、運動だけは得意だった俺が3000メートル走ではぶっちぎりの最下位で、みんなに励まされながらゴールすることになるとは。
「はーい、お疲れさん。新井のタイムは12分20秒な。プロにしては遅いぞ。頑張れよー」
タイムを計測して、用紙に記入している投手コーチが、ゼーハーゼーハーしながら、グラウンドに横たわる俺を見てニヤニヤしている。
「よーし、次は体育館に移動だ!時間ないから急げ」
「「ううっす!」」
俺はまだ倒れたまま、ゾンビになっている状態なのに、コーチ陣をはじめとして、他の新人選手達もスタスタと足早に去っていってしまう。
「新井さーん。お先っす!」
「ちょっと待ってくれーい!」
「だらだらしてると、また怒られますよー!」
柴ちゃんまで………。ひどい。この人達はどうかしているよ。
「大丈夫ですか? タオル落としてますよ」
「ああ、悪いね。サンキュー!」
声をかけてきたその人は、俺を抱き起こしながら、地面に落ちていたタオルを俺の首にかけた。
顔を上げると、同じ3000メートルを走った人間とは思えない爽やかな表情をしている。
ドラフト1位指名された連城だ。北関東大学No.1右腕と評価された本格派右腕。
一体いくつの大学があるのか分からない、あくまで北関東No.1という触れ込みだが。
俺が随分と余裕な顔をしているな、兄ちゃんよと話しかけると。
大学時代は毎日吐く寸前まで走り込みしてましたからと、彼は答えた。
185センチ85キロの立派な体格。ジャージの上からでも、胸板と太ももの筋肉がよく鍛えられているのかよく分かる。
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